2017年にAmazonプライム・ビデオで配信された『バチェラー・ジャパン』シーズン1に出演し、最後の3人まで残った古賀あかねさん(28歳)。インタビュー前編ではバチェラー出演を経て変わった生活について話を聞きました。
後編では会社を起業し、ジュエリーブランドとランジェリーブランドを立ち上げるまでのきっかけや苦悩、ブランドそれぞれのこだわりについて聞いていきます。
◆自分に「責任」という試練を与え、起業を選択
――2021年3月に株式会社MANIC MONDAYを起業したそうですね。
古賀あかねさん(以下、古賀)「今までその時々にやりたいと思ったこと全てにチャレンジして、途中で違うと思い、全て辞めてしまったという過去があります。自由すぎる私を見て周りからは『結局何がやりたいの?』と言われてきました。私の自由な考え方のせいで周りに迷惑をかけたり、人を信じて裏切られたりとトラブルもあり、最終的には“自分で責任を取る”という道を選択しなければうまくいかないと起業に至りました」
――その後、2021年11月にジュエリーブランド「Crush Wednesday」を、2022年4月にランジェリーブランド「Manic Monday」を立ち上げたんですね。
古賀「以前からランジェリーが好きだったので、それに関わる内容で起業したいと思っていました。普段からランジェリーを上下セットで購入せずに、自由に組み合わせてコーディネートを楽しんでいたのですが、『ブラとショーツをセットで着ていないと怠けている』という声を聞き、“あたりまえ”という概念に捉われない自由な発想をテーマにしたブランドを作りたいと考えました」
◆上下セットの概念をなくしたランジェリーブランド
――それはどのようなブランドでしょうか?
古賀「『Manic Monday』は上下セットの概念を無くしたランジェリーブランドで、キャミソールとショーツを取り扱っています。
洗濯や衣服の摩擦でショーツの方がダメージを受けやすく、“上下セットで着るのが当たり前”だからと、ショーツが傷んだらセットのブラごと処分されてしまうことが多いんですよね。そこで『一週間の始まりを自由な選択で楽しんでほしい』という思いを込めて、すでに持っているブラジャーと自由に組み合わせて長く愛用してもらえるようなデザインにこだわりました。
キャミソールは肩紐を着脱を可能にすることで、二重なるストレスを無くし、ブラジャーの紐をキャミソールの肩紐として活かせるようにしています。『ブラトップだとバストのホールド感が不安』といった方でも、自分好みのホールド感のまま着れるキャミソールにすることで、自由にコーディネートできるのが特徴です」
◆自然をインスピレーション源にしたジュエリーブランド
――ジュエリーブランドはどのようなブランドですか?
古賀「『Crush Wednesday』は、“地球がデザイナー”というコンセプトのジュエリーブランドで、自然が長い時間をかけて作り上げた偶然の美しさや、石の表情をそのまま残すことにこだわっています。それぞれの石の表情が違うように、“石ころも人間も未完成だからこそ魅力的”というメッセージを込めました。実際に自分で川に行きデザインの元となる石を厳選するところから始め、アクセサリーにしています。石を最後に川に返還することもこだわりの1つです」
◆コロナで工場探しがストップ、軌道修正に苦戦
――ブランドを立ち上げる際に苦労したことはありましたか?
古賀「実は、最初に起業を決意してから実際に会社を立ち上げるまでに2年もかかってしまいました。私はアパレルやデザインの経験もないので、0から形にしていくことが大変でした。
生産工場を自ら探すところから始め、最初は中国で製造する予定でしたが、コロナの影響で何月に完成するか予測が不可能な状況になりました。しばらくただひたすら待っている状況になってしまい、待つことが苦手な私は先にジュエリーブランドを立ち上げることにしたんです。
すぐにジュエリー工場何社かに直接商談しに行き、口頭で説明すればいいだろうと手ぶらで訪問したら、今まで聞いたこともないような難しい話をする人ばかりで『無理かな…』と思う瞬間が何度もありました。今依頼している工場は感覚タイプの私を受け入れてくれる方で、デザインをどうするかという話になった時に、川で拾った石を工場に持って行っても快く引き受けてくれたんです。
『経験や知識がなければ就きたい仕事に就けない』という固定概念を壊したいという思いで自分の実現したい目標に向かって、当初はとにかく必死でした」
◆毎日をハッピーに過ごせる世の中に
――今後、自身のブランドを通してどのようなことを伝えていきたいですか?
古賀「『MANIC MONDAY』は、“あたりまえに捉われない”をテーマにこれからの人生で7つのコンテンツを作りたいと考えています。一週間の始まりをカラフルにイメージさせるブランドとなり、気分を上げるためのお手伝いができたら嬉しいです。“自分らしさ”を大切にしながら毎日をハッピーに過ごせる世の中になればいいなと思います」
<取材・文/鈴木風香>
【鈴木風香】
フリーライター・記者。ファッション・美容の専門学校を卒業後、アパレル企業にて勤務。息子2人の出産を経てライターとして活動を開始。ママ目線での情報をお届け。Instagram:@yuyz.mama