秋の行楽シーズンを迎え、「車でどこかへ出かけよう!」と計画されている方も多いのではないでしょうか?

高速道路でガス欠になって大ピンチ!
写真はイメージです。(以下同じ)
 ドライブで遠出する際、高速道路を使うと早くて便利ですが、思わぬ落とし穴も…。今回は、私(筆者)が先日経験した高速道路上でのトラブルについて書いていきたいと思います。

◆高速道路で車が急減速、のちに完全停止

 それは、動物園に車で行った帰りの出来事でした。その日は連休最終日でしたが、道路はあまり混雑しておらず、予定よりも早く家に着くことができそうな状況でした。ところが…。

 高速道路を走行中、乗っていた車がいきなり減速し、ノロノロと走行し始めました。運転していた夫も「あれ? なんかおかしい」と焦っている様子。明らかに、車に異常が生じているようでした。

高速道路で車が急減速、のちに完全停止
 運良く、すぐ近くにパーキングエリア(PA)があり、そこまではなんとかたどり着くことができました。けれども、PAの入口を通過したところで「ピー」っと音がして、車はついに完全停止。その場で立ち往生してしまいました。

 ふと後ろを見ると、PAに入ろうとしている車の列…。かなり焦りましたが、とにかく異常を知らせなければいけません。バザードランプをつけ、窓から手を出して「ごめんなさい!」と合図を送っていたら、後続車のドライバーさんが異変に気づき、駆け寄って来て下さいました。

 結局、そのドライバーさんに手伝ってもらいながら、手で車を押し、なんとかPAに駐車させることはできました。

◆「SOS」と書かれた非常電話で通報するも…

 これで、他の車の通行を妨害したり、衝突事故を起こしたりする心配はなくなりました。少し落ち着いたところで、夫が車を調べてみましたが、そのときは車のエンジンも全くかからない状態になっていました。

「SOS」と書かれた非常電話で通報するも…
「どうやらガス欠っぽい」ということで、とにかく給油しようということになりました。けれども、PAの中にも、その周辺にもガソリンスタンドは見当たらず。このままでは身動きが取れません。

 そこで、PAに設置されている「SOS」と書かれた非常電話の受話器を取り通報。応答していたのは、おそらく道路管制センターの方ではないかと思われるのですが、その担当者からは一言「JAFを呼んでください」と言われました。

 高速道路でトラブルが起きた際、非常電話で通報し、対応について細かく指示を受けたり、必要なら救助を要請したりするものと思っていましたが…。そのとき言われたのは「まずはJAFに連絡を」ということだけでした。

◆ショック!レッカー移動の費用は2万円

 とにかく車が動かないと、私たち家族も高速道路から出られないため、ただちに夫がJAFに連絡。ところが、連休で非常に混みあっていて出動に時間がかかり、現地に到着するのは1時間半~2時間後と言われました。

ショック!レッカー移動の費用は2万円
 しかも、レッカー車を手配すると2万円かかるとのこと。でも、いくら高くても、そこは仕方ありません。カードで支払いを済ませ、レッカー車の到着をひたすら待ちました。

 不幸中の幸いだったのが、PAの中で待機できたこと。トイレや飲食に困ることもなく、建物の中で暑さを感じずに待つことができました。

そうは言っても、それまで明るかった空が段々暗くなってくると不安も増してきます。息子も「いつ帰れるの~?」と心配そうに何度も聞いてきます。

 次の日からは、仕事も学校もあるので、なんとか家に帰りたい。そんなわけで、レッカー車は夫に待っていてもらい、私と息子だけ高速道路を出る方法はないか考え始めました。

◆どうやってもPAから出られない-!

 とはいえ、「乗ってきた車は動かないけど、高速道路を降りたい」という場合は、どうすればよいのでしょうか?

 まずは、一般道に出られる“非常口”のようなものがないか探しましたが、見つからず。ならば、一般道に出られる車やバスのようなものはないか? と探しましたが、こちらも見つかりませんでした。

どうやってもPAから出られないー!
 そして、一般道では空車であればタクシーに乗ることができますが、高速道路では乗せてくれそうなタクシーは見当たりませんでした。苦肉の策で、今流行りのタクシーアプリを使ってみたのですが、高速道路のPAに迎車はできないということで結局はキャンセルに。

 そうこうしているうちに、どこからか電車の音が聞こえてきました。どうやらPAの向こう側で小田急線が走っているようです。…ということは、ここから駅は近いのでは?!

思わず塀をよじ登って脱出したくなりましたが、さすがにそれはやめて、おとなしくレッカー車を待つことにしました。

◆原因はやっぱりガス欠。一体なぜ?!

 すっかり日が暮れた頃、JAFから派遣されたロードサービスの担当者が到着しました。動かなくなった車には夫と息子が乗り、レッカー車で引っ張ってもらうことに。私は、レッカー車の助手席に乗らせてもらいました。

「やっと高速道路から出られる!」グッタリしながらも、安堵した私と夫。その一方で、ついさっきまで半べそ状態だった息子は、すっかり元気を回復。レッカー移動というレアな体験に大はしゃぎでした。

原因はやっぱりガス欠。一体なぜ?!
 その後、近くのガソリンスタンドまで引っ張って行ってもらい、給油しました。すると、さっきまでビクともしなかった車が、あっさり走り始めました。やはりガス欠だったようです。

 夫いわく、「燃料の残量を知らせる警告灯が点灯したので、給油しようと思ったが、高速道路上でガソリンスタンドが見つからず、あっという間に車が動かなくなってしまった」そう。

 ただ、「警告灯が点灯する、しないに関わらず、運転する際には自分の目で残量を確認し、前もって給油をしておくべきだった」とも。車好きで、運転歴も長い夫ですが、ドライバーとしての責任をあらためて痛感している様子でした。

◆「今まで何もなかったから大丈夫」と思わず備えを

 私自身は運転しないため、誰かの車に同乗させてもらうことが多いのですが、こういった経験は初めてでした。夫が運転する車にも10年以上乗っていますが、これまでトラブルが起きたことはありませんでした。とはいえ、「今まで何も起きなかったから、今後も起きない」ということは絶対にないのだと身に沁みて感じました。

「今まで何もなかったから大丈夫」と思わず備えを
 また今回はPAまでたどり着けましたが、もし高速道路のど真ん中や、建物や人けが全くないような場所で同じようなことが起こっていたら…。想像すると本当に恐ろしいです。

 最近は防災グッズをそろえている方も多いかと思いますが、ドライブに行く際にも非常食になる食品や飲料水、非常用トイレなど、もしもに備えることが大切だとつくづく感じました。

 私の場合は、PAで色々と情報を調べているうちに、スマホのバッテリーがかなり減ってしまいました。充電する場所もなかったので、いつスマホが使えなくなるかとドキドキしました。この出来事の直後、電池式のモバイルバッテリー数個を購入し、今では外出の際に携帯するようにしています。

 車での遠出にすっかり懲りてしまった私ですが、キャンプや釣りに興味を示し始めた息子のために、この秋はまた車に乗って出かけることになりそうです。運転の際(特に高速道路に乗る前)には燃料の残量を確かめること、そしていざという時のために非常用のグッズなどを携帯することを忘れず、万全の態勢で臨みたいと思います。

―シリーズ「秋のトホホ」―

<文/青山文>

【青山文】

某放送局に勤務していたとき、いきなり思い立ってヨーロッパに語学留学。帰国後はウェブ業界に入り、現在は主に海外ニュースの記事を編集&執筆。ときどき話題の商品レビューや子育てにまつわる失敗談なども書いています。反抗期真っ盛りの小学生の息子と日々格闘中。