円安が止まらない状況です。年初に1ドル=115円前後で動いていたドル円レートは、いまや1ドル=150円をうかがう展開となっています。このまま円安が続き、1ドル=150円を突破するとなると、私たちの生活にどのようなことが起こりうるのでしょうか。

円安が進むと日本は貧しくなる

円安になるということは、一言で言い表すなら「日本が貧しくなる」ということです。なぜなら、一定額の円で買える外貨の量が減るからです。

具体例を挙げてみましょう。1ドル=100円のときは、1万円で100ドルと交換できます。しかし、1ドル150円になると約66ドルとしか交換できません。

ドル側からみれば、1ドルで交換できる円の量が増えることになり、この状況は日本の「富」が買い漁られるという状況を招きます。

ドルの基軸通貨の国の人からみれば、土地や建物、日本人の労働力などを安く買えるということですから、日本における外国人の影響力が大きくなることにつながります。言い換えれば、「日本の植民地化」が進むと言えるでしょう。

日本は植民地化され家計にも打撃

では、私たちの生活にはどのような影響が出るでしょうか。

例えば、円の価値が下がることで、海外の製品をドルベースで購入するとき、これまでよりも多くの日本円が必要になります。現在、値上げラッシュが起きていますが、円安が加速すれば、さまざまな商品の価格がさらに値上がりすることが考えられます。

輸入コストの増加をどの時期に販売価格に反映するかは、業者によってさまざまです。しかし、仮に為替レートが20%円安になった場合、輸入品の価格を20%上げなければ輸入業者の利益が少なくなります。そのため、いずれは値上げを余儀なくされ、消費者も影響を逃れられません。

日本の富が外国人に買い漁られて植民地化し、輸入品の価格はどんどん上がる……。そして、海外ではアメリカなど平均給与が上がっている国もあるのに、日本は1990年代よりも平均給与が低い状況では、日本人の家計はいっそう厳しくなり、貧しさは一気に顕著になるでしょう。