「もう、マッチングアプリはこりごりです……」
泣きそうな表情で話し出したのは、会社員の恵美さん（仮名・30歳）。
恵美さんは結婚願望があるものの、会社でもプライベートでもまるで出会いがなかったために、昨年の夏にとあるマッチングアプリを始めたのだとか。一体何があったのでしょうか。
◆マッチングアプリで婚活を始める
ところが、評判のいいアプリとはいえ、それでも単なる遊び相手を探している人が大半だったのだとか。
「私のやり方もいけなかったと思うんですけど。マッチしても、『結婚を前提に交際できる方を探しています』というように最初から宣言してしまうと、返事がなくなってしまうことが多くて……。かといって、やり取りが続くのは40代後半から50代ぐらいの人ばかり。ちょっと年上すぎるかな、っていう感じだったんです」
そんな恵美さんに、素敵な出会いが訪れます。
◆高橋一生似の彼と運命の出会い
「見た目は高橋一生似です。これ、冗談じゃないんですよ。アプリのスクショもあります」
「なので、仮に一生と呼ぶことにします。一生は、32歳とのことで、年齢差もちょうどよかったんです。おまけに、誰でも知っているような大企業勤め。こんな人が初婚でマッチングアプリを利用するわけがない……と今なら冷静に考えられるんですが、当時は舞い上がってしまって、そこまで考えられませんでした」
ハイスペックの男性だからといってマッチングアプリを利用しないとは限らないと思いますが、確かに条件がよすぎる感じはしてしまいます。
◆結婚前提の交際が始まる
「一生とはすぐに会いました。プロフィール画像とは全然違う人が来る覚悟もしていたんですけど、一生はそのまま、いや、写真以上にイケメンでした。それに、話していてすごく楽しくて。これは最高の人と出会えたな、と思いました。一生も私のことを気に入ってくれて、すぐに結婚前提の交際が始まったんです」
そして、秋になると、近場に旅行しようという話になったのだとか。
「こういうご時世ですから、遠出はしにくいじゃないですか。だから、食欲の秋ということで、バイキングが名物の近場のホテルに行くことにしたんです」
◆夕食のバイキングで食べすぎて病院へ
一生さんが車の運転をした道中は、本当に楽しいものだったのだとか。
「二人でサービスエリアに寄るだけでも楽しかったですね。人生、最高の気分でした」
「一生が、食べ放題・飲み放題だからといって、尋常じゃない量を飲食したんです。そのこと自体は別に問題ないんですけど、酔いすぎたのか食べすぎたのか、そのどちらもなのか、夜にお腹を壊してしまって……。ずっと吐いていたので、ホテルの人と相談した結果、チェックアウトして病院に行くことにしたんです」
今度は恵美さんが車を運転して病院に行ったところ、単なる食べすぎだろうとの結果。安心して帰ろうとしたときに、とんでもない出来事が起きてしまいます。
◆高橋一生似の彼は既婚者だった
「そこに、まだ小さいお子さんを連れた女性が現れたんです。二人を見るなり、一生が土下座して。女性は、またなの、っていう態度でした」
「なんでも、旅行の際に一生が『一人で旅行をするんだ』と言い張って、それを怪しんだ奥さんが、一生の車のトランクにこっそりGPSを隠しておいたそうなんです。車が病院に移動したため、これはおかしいと、慌てて駆け付けたとのことでした」
そして、衝撃の事実はまだ続きます。
◆年齢も大企業勤めも全くの嘘
「奥さんの話によると、一生は、32歳どころか、40歳過ぎとのことでした。おまけにほとんど働いておらず、家事もしないうえに、奥さんに食べさせてもらっているんだとか。一生は、見た目は高橋一生似でも、それ以外はすべてが嘘だったんです……」
まさに、天国から地獄とはこのことをいうのではないでしょうか。
◆マッチングアプリはもうこりごり
「それから当然、一生とは連絡が取れなくなりました。私から連絡する気も起きなかったですし（苦笑）。それにしても、一生の奥さんは本当にすごいと思います。夫が不倫していても寛大に許さないといけないなら、結婚なんてまっぴらですね」
すっかり、マッチングアプリと結婚不信に陥ってしまった恵美さん。悪いのはそれらではなく、一生さんだと思うのですが、無理もないのかもしれません……。
―シリーズ「秋のトホホ」―
＜文／女子SPA！編集部＞
【女子SPA！編集部】
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