この記事では、日本における歴史的な公文書を保管している国立公文書館について紹介しています。日本のこれまでの歴史をひもとける場所として人気です。国立公文書館を訪れたことがない人や、どこにあるのか知らない人に向けておすすめのポイントや営業時間、割引の有無、アクセス情報についてまとめています。歴史が好きな人には外せないスポットですので、国立公文書館について詳しく知っておきましょう。駐車場情報についてもまとめてありますので参考にしてください。
国立公文書館とは
国立公文書館は、国の各機関から受け入れた歴史資料としての重要な公文書などを保存している施設です。館内に展示されている資料の閲覧は自由で、歴史に触れられる場所として人気があります。また、常設展だけでなく、テーマに応じた特別展や企画展なども開催されているのが特徴です。そのため、何度足を運んでも新しい驚きがあります。また、資料の一部は電子化され、高精度な画像で楽しめるのも魅力でしょう。さらに、誰でも無料で楽しめる施設としても知られています。
江戸時代からの歴史あるコレクションの数々
国立公文書館は、江戸時代からの資料が約140万冊保存されている施設です。ここに保存されている資料は大きく5つに分けられています。まず、行政文書は各府省などから国立公文書館に移管されました。また、司法に関する文書である司法文書は、司法機関からの移管と、2000~2012年までに各大学から受け入れた民事判決原本で構成されています。法人文書は、独立行政法人などからの移管によるものです。さらに、寄贈や寄託によって国立公文書館が保管している寄贈・寄託文書もあります。最後のひとつは、内閣文庫所蔵の古典籍・古文書の内閣文庫です。
このなかでも、内閣文庫には江戸幕府が明治政府に継承した歴史的な書籍や、明治初期に政府が資料収集の一環として購入した文書が含まれます。これらは、一般的に和書・漢書と呼ばれるものです。さらに、明治以降に政府が英・米・仏各国の政治・法律などを参考にするために購入した洋書も含まれます。江戸時代からの貴重な図書のコレクションである内閣文庫は、文化的な遺産です。このような資料が自由に閲覧できる国立公文書館には、江戸時代からの歴史に触れるチャンスがあるといえるでしょう。子どもでも楽しめる資料の展示も多く、歴史を学びたい人にぴったりです。
歴史的な公文書が見られるチャンス!
国立公文書館で閲覧できる資料の多くは、その名の通り公文書です。歴史的な事実を記載した公文書は、なかなか見る機会が少ないでしょう。なかでも、日本に時差があったことを記す公文書は、興味深い展示のひとつです。日本の時差というのは、1886年7月13日に公布された「本初子午線経度計算方及標準時ノ件」によって制定されました。この勅令によって、イギリスのグリニッジ天文台子午儀の中心を通る子午線を本初子午線とし、東経135度の時刻が日本の標準時となったのです。しかし、国立公文書館に残されている資料によると、その2年後である1895年に「標準時ニ関スル件」が公布されています。標準時ニ関スル件の第1条においては東経135度の標準時を中央標準時と規定しました。
それでも、第2条において東経120度の時刻を西部標準時と定めているのです。これは、日本にかつて時差があったことを証明しています。中央標準時と西部標準時との差異は1時間であり、西部標準時が適用されたのは、八重山列島・宮古列島と当時日本の統治下にあった台湾・澎湖諸島でした。1937年の「勅令第百六十七号標準時ニ関スル件中改正ノ件」という改正勅令によって日本の時差はなくなります。ただ、日本国内での時差は41年余りも続いたのです。このような歴史的な出来事に触れられる公文書は国立公文書館でしか見られません。このほかにも、新しい発見をするチャンスが国立公文書館にはあるのです。
写しの交付ができる
国立公文書館では気になる資料の写しを交付してもらうことができます。文書または画像の場合、スキャニングしてデータをCD-Rなどへ複写が可能です。その他にも、スキャニングしたデータを用紙へ出力してもらう方法も選べます。部分公開の利用制限情報がある特定歴史公文書などの場合には、利用制限情報を黒塗りした複製物を利用することで、複写と交付ができます。電磁的記録の場合でも用紙への出力またはCD-Rなどへの複写が可能です。もし、写しの交付では果たせない場合には大判・高精細デジタルカメラ撮影やフィルムスキャニングが選択できます。
冊子体の資料は通常見開き状態で撮影が可能です。大きな資料である場合には、複数カットでも撮影が可能で、中判特殊撮影(A3以上)、大判特殊撮影(A2以上)、高精細特殊撮影(B2以上、6,000万画素)から選べます。希望があればカラーポジフィルムでの写真撮影による複写も可能で、用紙へと出力された写しは簡易製本にすることもできるのです。国立公文書館で見つけた気になる資料を自宅へと持ち帰ることができますので、一生の記念にもなるでしょう。自宅でゆっくりと公文書を眺められ、歴史の重さにどっぷりと浸かれます。
写しの交付を希望する手続きも非常に簡単で、写しの交付を受ける範囲や部数を指定特定歴史公文書等利用請求書または特定歴史公文書等利用方法申出書に記入するだけです。資料は全て交付も可能ですが、一部のみの交付を受ける場合には特定歴史公文書等利用請求書に件名や細目を明記する必要があります。郵送またはファクシミリによる提出もできますので、帰宅後であっても、申し込みが可能です。
オリジナルグッズの販売も!
国立公文書館では、オリジナルグッツの販売にも力を入れています。オリジナルグッズの第1弾として発売が開始されたのは、平成の文字があしらわれたクリアファイルでした。この平成の文字は、1989年1月7日新元号として当時の官房長官であった小渕恵三によって発表されたものです。記者会見に登場した小渕恵三官房長官は、「新しい元号はへいせいであります」と発表し、額に入った手書きの書を掲げました。この手書きの書は国立公文書館に保存されているものであり、複写は常設コーナーでいつでも見られます。
そんな歴史的な手書きの書がモチーフとなり、国立公文書館のオリジナルグッズとなって登場しました。この商品は、国立公文書館の公式フェイスブックなどでも紹介され、多くの人が買い求めています。クリアファイルのキャッチコピーには「あなたもあっという間に小渕さん」「木枠に入れるとより本格的」が使用され、多くの来館者の心をつかみました。国立公文書館に行くのであれば手に入れたいアイテムのひとつであるといえるでしょう。
また、国立公文書館で所蔵している資料の絵はがきも販売しています。古今要覧稿(ここんようらんこう)の中から美しい色彩の桜の花をモチーフとした絵はがきは非常に人気があります。国指定重要文化財の庶物類纂図翼(しょぶつるいさんずよく)に載せられている花々も絵はがきとなっていますので、チェックしてみましょう。小さくて軽い絵はがきはお土産にもぴったりで、贈り物としても適しています。モチーフとなるのは花だけでなく、寛政重修諸家譜や徳川光圀編の礼儀類典、松平定信自筆の随筆である花月双紙などを使用した絵はがきもあります。そのほかにも、1945年8月14日のポツダム宣言の受諾に関して発布された詔書や、日本国憲法など国立公文書館の代表的所蔵資料がモチーフとなった絵はがきもあり、歴史が感じられる絵はがきには人気が集まっています。
春と秋の特別展にも注目!
国立公文書館では、常設展だけでなく春と秋に特別展が開催されています。2018年秋に行われた秋の特別展では、「躍動する明治-近代日本の幕開け-」が開催されました。特別展が開催された2018年は、明治が始まった年から数えて満150年の年にあたることを記念しています。明治前半期の日本は、政治や外交制度の変革期にあたり、さまざまな文化が入り混じる躍動的な時代でもあったのです。そんな時代を、歴に教科書や年表で目にしたことのある出来事を中心に展示が行われました。日本近代史の原点ともなる資料を展示することで明治日本の歩みを振り得ることを目的としています。この秋の特別展の開催にあたり、記念講演会や体験型のイベントなども行われました。また、企画の担当者による展示の見どころの解説などもあり、より深く展示が楽しめると高く評価されています。
2018年の春の特別展では「江戸幕府、最後の闘い」が展示されました。これも秋の展示と同じく、明治前夜の幕末期の江戸幕府に焦点があてられたものです。国立公文書館に所蔵されている江戸幕府の公文書である多門櫓文書(たもんやぐらもんじょ)を中心に展示され、幕末期の江戸幕府の文武改革について取り上げられました。改革が可能になった背景を紹介しながら、維新後に新政府で活躍した幕臣たちのその後についても展示されています。
これらの展示により、明治の近代国家建設について江戸幕府側から掘り下げるといった興味深い試みでした。2018年3月31日から始まった春の特別展は、5月6日まで開催され多くの人が足を運んでいます。会場では、展示図録も販売され、人気を集めました。また、同時に開催された記念講演会では、東京大学名誉教授の芳賀徹氏による講演や、国文学研究資料館長のロバート キャンベル氏による講演なども行われています。国立公文書館は、春と秋の特別展を見に来る人も多く、通常展をこえた面白さが味わえると人気があります。展示内容は、毎年変わりますので国立公文書館のホームページなどをチェックし、見逃さないようにしましょう。
国立公文書館の料金
国立公文書館では、国の歴史資料として重要な公文書などを保存しています。広く一般に利用してもらうことが目的であるため、入館料は無料です。
国立公文書館の営業時間
開館時間
9:15~17:00 ※閲覧室への入室は16:30まで
休館日
日曜日、月曜日および祝日
年末年始(12月28日から翌年の1月4日まで)
※その他法令により休日に定められた日
国立公文書館のアクセス
公共交通機関を利用する場合
東京メトロ東西線「竹橋」駅から徒歩約5分
羽田空港高速バス羽田空港線銀座・汐留「パレスホテル東京/大手」下車後、東京メトロ東西線に乗り換え「竹橋」から徒歩約5分
羽田空港京急空港線エアポート急行「日本橋」下車後、東京メトロ東西線に乗り換え「竹橋」から徒歩約5分
車を利用する場合
首都高速都心環状線「北の丸出口」から約1分
国立公文書館には専用の駐車場はありません。そのため、車での来館の際には周辺の有料駐車場を利用しましょう。もし、団体のバックヤードツアーでマイクロバスなどを利用する場合には、申込時に申請が必要です。
駐車場詳細
名称:北の丸第二駐車場住所:東京都千代田区北の丸公園3
営業時間:8:00~22:00
駐車台数:103台
料金
普通車全日 3時間まで400円
3時間以降 60分ごとに100円
大型車全日3時間まで1,000円
3時間以降60分ごとに200円
割引なし
名称:北の丸第一駐車場
住所:東京都千代田区北の丸公園5
営業時間:8:30~22:00
駐車台数:143台
料金
普通車全日 3時間まで400円
3時間以降 60分ごとに100円
大型車全日3時間まで1,000円
3時間以降60分ごとに100円
割引なし
名称:タイムズ千代田会館
住所: 東京都千代田区九段南1-6
営業時間:24時間
駐車台数:15台
料金:月~金の0:00~24:00は20分ごとに300円
最大料金あり。
7:00~20:00の最大料金は1,700円
20:00~7:00の最大料金は300円
定休日:土日祝
ポイントカード利用可
名称:タイムズ千代田会館
住所: 東京都千代田区九段南1-6
営業時間:24時間
駐車台数:15台
料金:月~金の0:00~24:00は20分ごとに300円
最大料金あり
7:00~20:00の最大料金は1,700円
20:00~07:00の最大料金は300円
定休日:土日祝
ポイントカード利用可
名称:タイムズ東京堂千代田ビルディング
住所: 東京都千代田区九段南1-3
営業時間:24時間
駐車台数:14台
料金:月~金の0:00~24:00は30分ごとに400円
最大料金あり
駐車後24時間の最大料金は3,400円
ポイントカード利用可
名称:パレスサイドビル駐車場
住所: 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル B2・3・4F
営業時間:24時間
駐車台数:300台
料金:終日 30分ごとに300円
バイク駐輪場あり(B2F)
電気自動車急速充電器あり(B3F)
割引なし
提供・あそびのノート
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