FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSユーザーは、どんどん増加しています。

スマートフォンで検索する女性、新緑
写真はイメージです。(以下同じ)
 SNSは便利な面がクローズアップされがちですが、個人情報の特定にもつながる怖い一面も持っています。そんな危険な体験したエミさん(仮名・34歳)のエピソードを紹介します。

◆突然来た、知らない人からの友達申請

 銀行勤めの夫と、2人姉妹の子どもたちと暮らすエミさん。「自分で自由に使えるお金がほしい」と思い、下の子の幼稚園入園をきっかけに、子どもがいない時間帯だけスーパーでパートをすることにしました。

 大学時代にもスーパーでレジ打ちのアルバイト経験があったため、レジのパートに応募して採用となり、日々仕事と家庭の両立に奮闘していたそうです。そんなある日、Facebookで友達申請が届きました。

「男性からの友達申請だったのですが、知らない名前で……。その男性はプロフィールに顔写真を載せていないし、投稿内容は友達にならないと閲覧できない設定にしていたので、本当に誰だかわかりませんでした。同級生かと思ったのですが、小学校から大学までの記憶を掘り起こしても、全然身に覚えのない名前だったんです」

 見知らぬ男性からの友達申請だったため、エミさんは「間違って申請したんだろう」と思い無視していたそう。しかし翌日、思いもよらないことが起きたのです。

◆ネームプレートからアカウントを特定……?

facebook
「パート中、急に『Facebookから友達申請した○○ですけど』と話しかけられたんです。ぱっと見、私よりもだいぶ若くて大学生くらいの男の子。意味がわからずパニックになりましたが、なるべく表に出さないよう『お客様とはプライベートで接点は持たないよう言われているので』とやんわりと断りました」

 マンガやドラマでは、ここから恋に発展して不倫関係に……となる展開かもしれませんが、実際のところそんな余裕はありません。顔なじみでもないお客さんからの突然の友達申請に、エミさんはゾッとしてしまい、その後のパートは集中できなかったそうです。

 そして、こう推測しました。

「私、本名でFacebookに登録しているので、パート中のネームプレートを見てアカウントを特定したんだと思います。プロフィール画像を顔写真にしているし、居住地も公開してしまっているので、わかる人が見たらすぐにわかりますよね……」

◆女性からの友達申請。その正体は……

店で働くスタッフ
 男性はその後も毎日のように来店してエミさんのレジで買い物をしていきましたが、話しかけられることはありませんでした。エミさんは不気味に感じていたものの、害はなかったので他のお客さんと同じように接客していたそうです。

 そうして日々を過ごしていたところ、またFacebookで知らない人からの友達申請がありました。ただ、前回と違い、「YUKO」と女性の名前のローマ字表記の名前でした。

 エミさんは「ユウコ」という名前の知り合いが数名いたため、とりあえず申請を受けることに。すると、すぐにFacebookのMessengerから連絡が来たのです。

 内容を見たエミさんは、前回以上にゾッとしました。

「YUKOから来たメッセージには『実は、このまえ友達申請をした○○です。女性の名前にしたら友達申請を受けてくれると思ったので、新しくアカウントを作りました』と書かれていたんです。YUKOの正体は、この前友達申請してきた、パート先のお客さんの若い男性ということ!こんなことまでするとは思ってもみなかったので、心底ゾッとしました……」

◆今も不安に駆られる日々を過ごす

 エミさんはすぐにFacebookのアカウントを削除して、翌日にはパート先に事情を説明して辞めることになりました。

 しかし、今でも不安に駆られていると心境を語ります。

「名前がバレているし、生活圏も同じだと思うので、いつ街中で会うかわからなくてビクビクして過ごしています。Facebookにはよく行くカフェやパン屋さんなどの情報も載せていたのですが、あの男性もそこにいるかもしれないと思って、近寄ることができなくなりました……」

 Facebookでは「プライバシー設定」から、投稿の公開範囲の限定などが可能です。各SNSの設定を改めて確認し、使い方を見直してみてはいかがでしょうか?

<文/nami イラスト/zzz>

【nami】

3人の子をもつママライター