誰にでも、内緒にしておきたい過去のひとつやふたつ、ありますよね。でも「バレたところで過去は過去だから…」と考えている人もいるはず。
今回は元ヤンだった過去がバレ、離婚問題にまで発展してしまったという驚きのエピソードをご紹介します。
◆中学生の頃から非行を繰り返し補導
「いくら更生したとはいえ良く思わない人も中にはいるんですよね」
そう話してくれたのは、結婚して2年目の中島萌香さん(仮名・31歳)。妊娠中の大きなおなかを抱える萌香さんはとても幸せそうに見えますが、以前思わぬところから元ヤンだった過去がバレ、散々な目に遭ったといいます。
「中学生のころからしょっちゅう補導されていました。飲酒・喫煙・深夜徘徊…何度も警察のお世話になって、そのたびに母親と大喧嘩。高校は途中で辞めました」
たった半年しか袖を通さなかった制服を、萌香さんは親に無断で売り飛ばしてしまったんだとか。売ったお金は娯楽に消えてしまったと、苦笑いで話してくれました。
◆リビングで泣く母親
「リビングで泣く母親を見てもちっとも心に響かなかった。友達と深夜に原付で走り回る方が楽しかったし、泣く母親の機嫌を取るなんてまっぴらごめんです。父親にも散々怒られたけど、終始うざって思ってました」
そんなある日、萌香さんの心に変化が生まれます。
◆非行をやめた意外な理由
「ちょうど再放送かなんかで、東大受験のドラマをやってたんですよ。それ見て突然、『私のやってることってめちゃくちゃダサくない…?』って思いました。それから周りもびっくりするくらい急に変わったっていうか」
高卒認定試験を受け、大学受験もし、周りより1年遅れで大学に進学した萌香さん。バイトもはじめ、親への申し訳なさから学費はほぼ自分の稼ぎでまかないました。
◆合コンで今の夫と出会う
「両親とはしばらくギクシャクしていましたけど、だんだん昔みたいに話せるようになってきました。順調に大学も卒業でき、そのまま中小企業に就職。ヤンキー時代を知ってる友達に会うと毎回『誰?』ってからかわれるくらい見た目も変わりました。そして当時の合コンで知り合ったのが、今の夫です」
◆タバコもお酒もギャンブルもしない夫
同い年の夫とはトントン拍子で関係が進み、2人は交際2年で見事ゴールイン。
「夫は一人っ子で、とっても優しく穏やかな人です。タバコもお酒もせず、ギャンブルもしない。女遊びもしないし、なんなら私が2人目の彼女だって言うんですよ。私の過去を知っても幻滅しないとは思うけど、なんだか申し訳なくて黙っていることにしました。両親も口裏を合わせてくれて、卒業アルバムや当時の写真はすべて実家に置いてきたんです」
◆義父に補導歴がバレる
そして、結婚生活が順調に進んでいたかのように見えたのですが…。
「結婚して3カ月ほど経ってから、夫のお父さんが突然家に乗り込んできたんです。話を聞くと、私の身辺調査をしたようで…」
なんと夫のお父さんは警察官。結婚してしばらくしてから、念のためにと思って萌香さんの身辺調査をしたのです。
◆義父から離婚届を渡される
「過去は捨てたと思ってたけど、記録にはバッチリ補導歴が残ってました。それでお父さん、大激怒してしまって…離婚届を渡されました」
萌香さんは結婚前から、義父の職業が警察官だということを知っていました。しかし夫が警察官なわけじゃないから身辺調査なんてされないだろうと安心していたのです。
◆「そんなの気にしないよ」と夫
「夫は『そんなの気にしないよ』と笑って許してくれましたが、夫の両親は怒り冷めなくて…離婚届に判を押さないかぎり出ていかないといって、それからしばらくうちに居座り続けたんです。夫が出ていってくれと頼み込んでも絶対に意思を変えませんでした」
そんな状況を変えたのが、萌香さんのご両親です。
◆母親の言葉に救われる
「父と母には心配をかけたくなくて、一連の事件を内緒にしていました。でも2カ月ほどたったある日、たまたま母がうちに来たんです。それですべてがバレました。そしたら母が言ったんです。『そんなご両親の元にうちの娘を嫁がせていたんですね。むしろこっちが離婚してほしいくらいです』って」
冷たく言い放った萌香さんの母親。そして…
◆夫が土下座「両親と縁を切る」
「夫が土下座したんです。うちの両親が申し訳ございませんって、僕は萌香さんと一緒にいたい。両親と縁を切るのでなんとか許してくださいって」
息子が土下座をしている姿を見て、自分たちの身勝手な行動に気づいたのでしょう。義両親は真っ白な離婚届を持って家を出ていき、それから萌香さんには一切会っていないといいます。
◆現在も義両親とは不仲
「あれからしばらく時間がたって妊娠し、もうすぐ子どもも生まれますが、いまだに連絡をとっていません。夫はメールしているようですが…。隠していた私も悪いのでいつか謝れたらいいなと思っていますが、仲良くなれるかは微妙なところですよね」
過去はどう頑張っても変えられませんし、それを受け止められるかどうかはその人次第。孫が生まれたら変わるかもと話す萌香さんでしたが、未来がどうなるかは誰にもわかりませんね。
―シリーズ「ヤンキー・ギャル・コギャル」―
<文/横山すじこ>