「あいつは妹みたいなものだから」との理由で、彼女がいるのにもかかわらず、特定の女友達との連絡を取り続ける男性は少なからずいるもの。
しかし吉田志保さん(仮名・30歳)の場合は、彼氏が「お姉ちゃんみたい」と話していた同僚女性と深い交流をしており、ショックを受けたと語ります。
◆年上キラーが初めて年下男性とマッチング
志保さんと彼が出会ったのは、マッチングアプリ。彼は志保さんより、4歳下でした。
かねてから、年上キラーだったため、彼とマッチングした当初はあまり興味が持てませんでした。しかし、日常の連絡を取り合ううちに自分がこれまで知り合ってきた年上男性にはない魅力に惹かれていきました。
「これまでに知り合ってきた年上の男の人は、あまり自分の気持ちを吐き出さない人ばかり。大人の男性って感じで、それがかっこいいって思っていましたが、彼は感情表現がストレート。嬉しい、楽しい、寂しかったなどを包み隠さず伝えてくれるので、なんかかわいいなと思うようになりました」
◆グイグイ来る“子犬系”年下男子と交際することに
彼は志保さんに「マッチングできて嬉しい」と伝えてくれたり、トークの返信が数日滞った時には「気持ち悪いなって思ったら申し訳ないですが、寂しいです。もっと連絡を取りたいと思っています」などとアピールしてきたりしました。
志保さんにとっては、その素直さが新鮮。やがて、3回のデートを経て付き合うことになりました。
「付き合うと、彼はよりかわいかったです。おうちデートの時には『もっとくっつきたいよ』といって近寄ってきたり、『あのね、僕ね……』と少年みたいな話し方をしてきたりして。これが子犬系男子か……って思いましたね(笑)」
◆「お姉ちゃんみたい」同僚女性の存在が明らかに
しかし、付き合い始めて3ヶ月ほど経った頃、心がざわつく出来事が起きます。
「コロナ禍でなかなか会えなくなってしまったので、彼と電話やZoomをよくするようになったのですが、ある時期から、同僚女性の話を頻繁にするようになりました」
その同僚女性は、彼の6歳上。彼はその女性のことを「なんでも相談できるお姉ちゃんみたいな人」と話し、志保さんとの近況報告の際、彼女の話題をよく口にするようになりました。
「友達みたいなノリで付き合える優しい人で、こんなことを言ってくれたとか、心の支えになってるとか言い始めて……。なんで彼女の前で他の女性を褒めるんだろうって、モヤモヤしました」
◆嫉妬心を押し殺して交際を続行
けれど、喧嘩は避けたかった志保さんは「そんなにいい人なんだ。一度、会ってみたいな」と好意的な反応をしたり、嫉妬心を押し殺して「理解ある人と働けてよかったね」と伝えたりしました。
「そしたら、彼は決まって『そうなんだよね。しーちゃんにも会ってほしい。きっと好きになると思うよ』と言ってくる。会いたくないし、話すら聞きたくないって言いたかったけれど、心が狭い嫉妬女だって思われたくなくて伝えられませんでした」
そんな日常が続いた、ある日。久しぶりにデートを楽しみ、彼の家へ寄った志保さんは、心を抉られる光景を目の当たりにすることとなります。
「いい雰囲気になってイチャイチャしていたら、突然、彼の電話が鳴りました。あの同僚女性からの電話でした。彼は『仕事の話だと思うから、ちょっと出るね』と言い、トイレへ行きました」
2人は普段、どんなことを話しているんだろう……。気になった志保さんは部屋を出て、トイレの前で聞き耳を立てることに。
◆同僚女性と彼の甘い会話が…破局を決意
聞き耳を立てると、聞こえてきたのは甘い言葉の数々でした。
「2人は本当に仕事の話をしていたようですが、途中から彼は『○○さんに出会えて本当によかったです』とか『人間として大好きです』と言っていました。まるで、友達以上恋人未満な関係のようだと感じましたし、この人と付き合い続けるのは無理だと思いました」
顔を合わせる頻度が自分よりも多いこの女性と彼がくっつくのは、時間の問題だろう。それに、このまま付き合い続けても、あの女との付き合いを「お姉ちゃんみたいな存在だから」の理由で黙認しないといけないのは苦しい……。
そう感じたため、志保さんはその日のうちに別れを告げました。
「お姉ちゃんや妹っていう言葉って、都合いいですよね。結局、放っておけない女性であるだけなのに。だったら、そっちと早くくっつけばいいのに」
男女の友情が成立するかどうかの答えは人によって異なりますが、志保さんの体験談を知ると、いずれにしても、パートナーを傷つけない交友をしていくことが大切なのだと思わされます。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291