交際相手の元カノや他の女性の話題にモヤモヤしてしまう女性は少なくないのではないでしょうか。それがたとえ過去のことであれ、思い出が美化されて元カノを褒めるような発言がもしも続いたら、許せない気分になるのは仕方ないですよね。

険悪なカップル
※イメージです(以下、同じ)
 印刷会社で事務の仕事をしている浅野里保さん(仮名・32歳)は、元カノの話ばかりする彼氏について振り返ります。

◆「元カノに似ている」と言われ気になる存在に

 浅野さんは、同じ会社で営業をしている上村重人さん(仮名・29歳)と交際していました。重人さんは、普段から暴言が多かったと言います。

「会社に来た女性の容姿を、本人がいなくなってから『ぽっちゃりしていたね』とちゃかしたり、仕事ができない若い社員に対して『僕ばかり仕事ができて集中しちゃうから、仕事を奪って欲しい』と言ったり、いつも一言多いんですよね」

 そんな重人さんと付き合うきっかけとなったのは、とある一言でした。

「彼は私のことをほとんど褒めたことはなかったのですが、付き合う前に彼から『昔付き合っていた彼女と似ている』って言われたんです。その後に『その彼女は可愛かったんだ』って言われたのが、ちょっと嬉しかったというか。普段は全然人を褒めない人が“可愛い”っていうなんて、どういう子と付き合っていたのかなっていう興味もありました」

◆元カノ話を武勇伝のように語りだす彼

 重人さんは、里保さんが知らないような映画や音楽などの知識に詳しかったので、話していて楽しかったといいます。ただ、一緒にいるといつも気になることがあったそうです。

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「聞いてもいないのに、武勇伝のように元カノの話ばかりするんです。彼の元カノはガールズバーに勤めていて人気だったそう。ストーカーのような客から、彼女を守ったこともあるという話や、彼女とは避妊をしなかったというような聞きたくない話まで、悪気もなく、毎回デートのたびに話してくるんです」

 元カノと比べて自分が大切にされていないのではないか……と不安になったと語る里保さん。

「私の友達とは会ってくれないのに、元カノの友人と会った話をしてきたんです。元カノの女友達に会ったら、元カノから『ニコニコして、愛想振りまきすぎ』とやきもちを焼かれた話を嬉しそうにしていましたね……」

◆エスカレートする“元カノ語り”

 里保さんは年上だったため、付き合い始めた当初は、重人さんの態度は仕方ないと我慢していました。

「年上の余裕を見せたくて、聞いても気にしていないように振舞っていました。あと付き合いが長くなれば、次第に話さなくなるだろうって思っていたんです。でも、そうはいきませんでした。元カノなのか、元々カノなのかわからないくらい、昔の彼女の話が出てくるんですよね……。

『彼女はくるりが好きだったんだ』とか『彼女の姉が保活をしていたから、その時に僕も住みやすい街を調べて、保育園に詳しいんだ』とか。いちいち『どの彼女の話?』と聞くのも面倒だったので、なんとか聞き流すようにしていましたが」

◆元カノに似ているはずが実は似ていない!?

 里保さんはついに、「元カノの話が多い」と伝えました。しかし返ってきた返答は「よく言われるけど、特に意味はない」の一言。

「逆に、無意識で話しているほうがヒドいですよね……。こちらが聞いていてツラいのに、悪気がないから直らないんです」

 でもある時、どうしても許せないと感じる出来事が起きます。

問い詰める彼女
「彼に『私って昔の彼女に似ていたんでしょ?』と聞いてみたら、『あれ、信じてたの? 似ていないよ。彼女はもっと顔が整ってて可愛かった』って言われたんです。ただでさえ、元カノの話を聴くたびに嫌な気持ちになっていたのに、“君は可愛くない”と言われたみたいで、悲しいのを通り越して怒りが湧いてきました」

 これにはさすがに里保さんも激怒し、「ヒドい」と伝えたそうです。

「結局、どう伝えても直らないんだなって思いました。私と別れたあと、彼にはすぐ彼女ができていたのですが、新しい彼女にはもう元カノの話はしないであげて欲しいと思いますね」

<文/池守りぜね イラスト/とあるアラ子>