渋木さやかと、相川圭子
ヒマラヤ大聖者 相川圭子が、日本のロック・フェスティバル「フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)」の地に初めて舞い降り、ヨガ講師 渋木さやかとスペシャルな対談をおこなった。
相川圭子は、女性として史上初めて「究極のサマディ(仏教の解脱・涅槃)」に達した、インド政府公認のシッダーマスター(ヒマラヤ大聖者)だ。
シッダーマスターとは、インド出家修行者1億人の頂点で、ヨガと瞑想の究極を極めたヒマラヤ大聖者のこと。 数世紀にひとりしか現れないといわれる稀有な存在である。
今回、「ラブ&ピース」を伝えるためフジロックに初めて訪れた相川圭子は、人気ヨガ講師の渋木さやかと対談をおこなった。
ヨガ指導歴16年の渋木さやかは、ファッション雑誌、CM、ラジオなどメディアに多数出演するほか、「FUJI ROCK FESTIVAL」、「GREENROOM FESTIVAL」などの大型音楽フェスや、ヨガイベントのメイン講師としてステージに数多く登壇。笑顔と気さくな人柄が人気のヨガ講師だ。
今回、相川圭子と渋木さやかの初となる対談がおこなわれ、ヨガについてはもちろん、瞑想、ストレスとの付き合い方、今後のビジョンなどたっぷりと語ってもらった。
相川圭子のヨガとの出会い
ーー渋木さんは今回、相川先生に会われてみてどうですか。相川先生について知りたいことや、聞いてみたいことはありますか?
渋木さやか:何年位前というか、おいくつの時からヨガに出会われたのでしょうか?
相川圭子:60年前の18歳くらいの時ですね。まだヨガをほとんどの人がやってない頃でした。
渋木:どうやって出会われたんですか?
相川:最初は本でした。最初は、もっと健康的な事をやって食事療法とか、お灸とか、物理療法とか、体を動かすこととか。そこでヨガ道場に行ったら、すぐ先生になって手伝ったり、本のモデルをするようになったんです。ヨガを指導するようになってから、やっぱり病気をぜんぶ治してあげたいという気持ちで、研究しだしたんです。
そしてアメリカに行って、食事療法を研究したり、常にリサーチして、そういう旅をして、道場も全部巡って、それをやり尽くして、その後ヒマラヤ聖者に出会ったんです。
ふつうは宗教は信仰から入っていくのに、すごい遠回りして行くんだけど、皆にちょっと遠回りはかわいそうだと思って。パワーをあげることで、みんなそれで治るんです。今までテクニックで治してたんですけどね、愛で治す。
テクニックで治すのも、もちろん良くなるんだけども、表面的なことが整っても、カルマがあるから。カルマを作らないようにするにはどうするか、だからそういう気づき、誰もそこまでやらない。インドの人も分からない。私はこう心理学をやっていますね。インドの人は神様いっぱい信じていらっしゃる。色々あるけども説明が大変ですよね。
人々へヨガを知るキッカケを作る渋木さやか
ーーいま世界的にヨガブームになって、普通の人からしたら、やっぱり、ヨガって体を動かして、ストレッチ感覚みたいに思っている方もいますけど、相川先生のお話を聞くと、もっと深く、人間の精神世界みたいな部分にも繋がるなと思います。渋木さんはこの「フジロック」でヨガのワークショップをやられていますよね。そういった自然に囲まれた中でヨガのワークショップをするって教えていてどんな感じなのか、また、きているお客さんたちはどういった雰囲気になっているんでしょうか。
渋木:みなさんヨガをされているというよりは、やっぱり、音楽とか、こういう環境を楽しみに来てらっしゃる方がほとんどです。ここではヨガを目的にされている方はいないと思うんですね。
なので、初めて体験される方に対して、初めてやった方に「またやってみたいな」「楽しかったな」というふうに思って頂けるようなクラスを提供したいなといつも思ってます。私はこういうフェスとイベントでやることが多いので、私のヨガを目的に来るというよりは、ヨガって楽しいものだなってイメージをこうなんていうんですかね
ーーキッカケを作ってあげるという感じなんですね。
渋木:そうですね。はじめての方のもし私が、何かツラいなとかそういうクラスをもし提供してしまったら、もう二度とヨガをやらない人が増えてしまうので、そういうのはしたくないなと思ってやってます。
お家に帰った後に、そういえばヨガやったからまたやってみたいなとか、そういえば、フジロックでヨガやってたな、来年も来てみよう、みたいなとか、そういうきっかけになれば良いなと思ってもらえるようにしてます。
フジロックは音楽と自然が一体になる場所
ーー相川先生、今回「フジロック」に初めて来てみた感想はいかがですか?
相川:そうですね 大勢の人が集まって音楽を通してエネルギーが燃えて、自然と一体になって良いと思います。こういうイベントがあって、みんな目的をもって、やっぱりみんな、「変わりたい」と思ってるんでしょうね。何かを求めているんですよね。それが音楽を通してとか。何か困ったりすると、一生懸命になるんだけど、中々、そういう「これ、いい」って分かるのに時間がかかりますよね。
メンタルを整えるキーワードは「バランス」
ーーこのストレス社会で、「フジロック」のような都会から離れた自然の中にきて音楽を楽しむことで発散できると思いますね。ストレス社会は長い間テーマになっていて、精神的な悩み、メンタルヘルスというワードもよく聞きますし、世界的に取り上げられることが多いですよね。なかなかすぐに解決できないとは思いますが、どうやって向き合っていけばいいのでしょうか?
相川:私はみなさんに、瞑想を指導しているんですけど、やっぱりみなさんいろいろな「欲望」がたくさんあり、それをコントロールできなくなっちゃうんです。自分の体を整えたり、心を整えるということで、源へ還り自分を整えることで色々な見方が変ってくるんです。
「こうしなさい、ああしなさい」って言っても「これしちゃいけない、あれしちゃいけない」って言ってもね。だから、好きなことをやるというのは、すごく良いことで、自信がつくでしょうから、ただそれをバランスをとりながらやっていただきたい。バランスがとれないと偏っちゃう。偏ってるかどうかっていうのが、わからないっていうか、だから0(ゼロ)に帰るっていうか、リセットする。そういう時間をもって頂きたいなと思っています。
メンタルとの向き合い方
ーー1度ゼロに戻るということですね。渋木先生はどう思われますか、こういった、人のメンタルヘルスとの向き合い方ってどういう風にしていくのがいいと思いますか?
渋木:相川先生のおっしゃる通りだと思うんですけど、私6歳の息子がいるんです、それで日々やっぱり彼がいることによって、自分の小さな頃とかも思い出しますし、母親との関係とかも色々思い出すと、どういったことが自分にとってストレスだったのかとか、そういうのを振り返るきっかけをもらっているんです。
自分自身も子育てしてるように、目を向けるようなことができている。今、6歳なので6年間すごく勉強になっているんですけど、人に言われてイヤだなって思ったことは人にしないとか、そういったことから、何が自分自身にストレスなのか、彼にとって何がストレスなのか。
とにかく私は「世界平和とか、自然に感謝」とかそういったことよりも、まずは身近な人、息子だったり、夫だったりとか、親しい友人との関係を良好にして、それから自分自身の環境も良好にしてから、もっと外側の所に幸せとか願えるような気がするので、日々のストレスとか、身近なところから見つめて、皆に、もっとの外側に目を向けたらいいんじゃないかな、という風に思ってます。
瞑想がうまくできるようになるコツ
ーー相川先生の話にも出てきた、「瞑想」ですが、瞑想って今ブームっていうのか、瞑想をして、自分をリセットしようという考え方とか実践されてる方も、すごく増えてきていると思います。ただ、瞑想ってなんだか難しそう、まずどうしたらいいんだろうと考えてしまいます。ちゃんとした瞑想ができるようには、どうしたらいいとか、コツはありますか?
相川:やはり良い先生に習うことからですね。瞑想って一番高い次元の教えなんです。だから最初は道徳的なことから。人を傷つけない、ウソをつかない、食べ過ぎない、寝すぎないとか、そういうところからなんです。
人と争っていたら、座ってもイライラしちゃうじゃないですか。仏様も瞑想されて、それで悟られましたね。子供の時は本当に純粋無垢なんだけれど、大人になって、心配が増えたり、競争社会でね、老化して、死んでいくわけです。
体も老化する。老化しないようにするにはどうするか、だからストレスを受けない体、ストレスを燃やす体。それかストレスを受け入れるかね。ストレスがつかないように、頑丈な体にするとか、強靭な体と心にするとか、でも、強いものだとパキっと、折れちゃう。だから柔らかくする。
仏さんも書かれたんですけども、正しく聞く、正しく見る、正しい生活をする、正しい職業をもつとかそうやって、それで最後に瞑想になるんですよ。色々削ぎ落して、執着をとる、そぎ落とす。愛で癒したり、パワーで溶かしたりとか色々あるわけです。
ーーがむしゃらに瞑想しようとするのではなく、まずは自分を見つめ直して、そういった環境や体を整えることが大切なのですね。
今コロナの時代で外に出られないで、自分を見つめるのも良い時ですよね。自分を愛する、調和的な生き方をしていくといいんじゃないんですかね、恨まないで許す。自分を許すとかね、あるがままの自分。
みんな、高望みして外ばかり見てるから、ないものねだりしちゃうじゃないですか。不足ばっか探すでしょう。私たちは満ちている。生まれたことだけが有難い。親がこうだとか、社会がこうだからとか、人のせいにしているでしょう、これを整えないと。そうすると、最高の人間になれるんですよ。自分がその素材を頂いているので、その人なりに成長できると思うんです。だから、真のヨガに出会って頂くと、そういったことが、明確になっていきますね。
幸せの本質は「命そのもの」
ーーそう満たされ過ぎて、本当は満たされないという何か矛盾が生じてますよね。渋木先生は瞑想についてもどう思いますか?ご自身はそれで何か変わったことはありますか?
渋木:やはり、良い先生との出会いとかが、すごく大事だなと思います。私もシヴァナンダヨガっていうインドの伝統的なヨガのスタイルをずっと学んでいるんですけど、良い先生に出会うと、先生と良いエネルギーを交換していると思うんですね。
まずはやっぱりアーサナ。相川先生のように修行されてその段階までいかれた方は、「さあ、瞑想しよう」といったらすぐ入れると思うんのですが、私たちはやっぱり、体を動かしたりとか、そのアーサナで体、心を浄化して、それですっきりした段階で座った方が、そういう呼吸に目を向けられたりとか、意識が向けられるようになるなと思います。
そしてやはり相川先生がおっしゃっていた、ヨガスートラの8層と言われるような、普段の生活から、気をつけていく。私もまだまだ修行中なんですけど、例えば、時間に遅刻しないとかそれは、お相手の時間を盗むことになるとか、あとは、悪口を言っちゃいけないとか。旦那さんの悪口いつも言っちゃうんですけど(笑)。
相川:それは旦那さんへの愛が深いんじゃないんですか、期待しすぎてという意味で。
渋木:そうなんです。ヨガでも言っているように人への期待とかを捨てたいとは思うんですけど、やはりなんか、こう言葉をかけてほしいなとか常に意識は、無意識にしちゃっているんですよね。
相川:相手に完全性をを求めちゃうからね。
渋木:子供に対しても思っちゃうんですよね、こうあってほしいとか。でも相川先生がおっしゃっていたように、幸せの本質って、もう命そのもの。やっぱ子供を産んで、ずっと10か月お腹にいて、産まれてきてそれだけで幸せだったのに、成長する段階で、やっぱり人と比べてしまったりとか、ちょっとお勉強できないとか、お友達におもちゃをシェアできないとか、それだけでも悩んじゃったりするんです。
相川:子供っていうのは、ヨガのアーサナなんてできないじゃないですか。あたしの目を見てブレッシング(祝福)だけで、ぜんぶ整っちゃう。みなさん、赤ちゃんから年寄りまで私のところに祝福を浴びに来ます。そういうふうに、お子様に対しての愛を与えていく。期待し過ぎちゃうのはかわいいからだと思いますけど、今はほら、一人っ子だったりすると、愛情がいきすぎちゃいますよね。
相川と渋木が今後目指すもの
ーー相川先生のように達観されていて、そこまでの領域に行かれると、今後、先生が目指すものというのは何なんでしょうか?
相川:皆さんに成長して頂きたいなと。みなさんのために一生懸命生きて、長生きをして、成長できるようにしていく、無形の財産を残していくことです。死ぬとき何も持っていけないですからね。だから目黒に大きな道場を寄付をしたんです。ヒマラヤまで招待、できないですからね。やっぱり日本人だから、日本を愛してもらわないと。
ーー渋木先生の今後のビジョンを教えていただけますか?
渋木:「balanced. Box(バランスドボックス)」という、月1回、みなさんにウェスネスをお届けするという、新しいプロジェクトをやっています。女性の悩みを解決すということがテーマでやっていて、私は、生を受けて、女性として生きているので、そういった方たちの力になりたいなと。女性のエンパワメントするっていう活動をしています。
(対談終わり)