肌のくすみ、たるみ、シミ、シワ。40代になってしのびよる老化現象。ピンポイントに対処すれば一気に若返るって、知っていましたか。『40代からの透明感のつくり方』(あさ出版)には、透明感を演出する秘訣が満載。

40代で見直すファンデーションの色選び、“似合う色”を選ぶのはNG
写真はイメージです。(以下同じ)
 著者でイメージコンサルタントの吉村直子さんは、自身が主宰した「グロリアス・プログラム」にて、数多の女性のヘアメイク、ファッションを指導してきました。結果、仕事の成功や結婚成立など、人生のステージアップがのぞめたのです。イメージの変化によって自信がつき、魅力が輝きだしたのでしょう。

 本書によると透明感とは、「明るくみずみずしく濁りのない状態」。つまり、「年齢も、肌の色も、流行も関係なし!」。そう、誰でも、今からでも取り戻せるのです。

◆透明感のある肌の色とは

 ひとことで透明感と言っても、どんな色を選べばいいのかわかりませんよね。具体的には「水分を含んだ色」「みずみずしさを感じられる色」です。もっとわかりやすくいうと、「海の青」と「空の青」です。

 青色をメイクに活用するって、正直敷居が高いし似合わなそう、そんな不安がありませんか。特にパーソナルカラー診断をした方、似合う色を熟知している方は要注意と本書。現時点の顔=老け顔で診断したのですから、それは老け顔に似合う色ということ。ここは勇気をもって心機一転、青を取り入れてみようじゃありませんか。

◆透明感をつくるファンデーションの選び方

透明感をつくるファンデーションの選び方
 透明感の基本は、なんといっても肌。歳を重ねるとなおのこと、顔の造作よりも肌の質感でその人の印象が決まります。老け顔の原因は様々ありますが、肌に及ぼす色の影響は、黄色と黒。「水分が減った肌には、黄色と黒が出てくるようになる」と本書がいうように、制するべきは、黄色と黒、中でも濃くなっていく黄色です。

 ファンデーションを選ぶ時、黄色人種である私達はまずオークル系に飛びつきますよね。本書いわく「くすみやシミが気になる年代の方がつけると、同化現象によりもっと黄みが目立ち、くすみが強調されます」。確かに、まっさらな部分はオークル系のファンデーションできれいになりますが、くすみやシミの部分は悪目立ちするように思います。厚塗りしても一向に納得いかない仕上がりは、初歩的な誤りにあったのです。

 透明感に導くファンデーションは、明るめのピンク系。「ファンデーションは肌を補正するためのもの。自分の肌の色に合うものではなく、理想の肌に近づける色を選ぶようにしましょう」。なかでもリキッドタイプやクリームタイプがオススメ。みずみずしさがさらに際立ちますよ。

◆チークとリップは青で攻める

 土台が完成したら、いよいよ青の登場です。チークとリップは「青みのあるピンク」が必須。しかし日本人の肌はもともと黄みがあり、年齢とともにそれは強くなっていく、というのは解説したとおり。青みのあるピンクであっても、肌にのせると多少黄みよりに発色する場合もあるのだとか。

チークとリップは青で攻める
 すでに経験済みの方も多いと思いますが、見た目の色と肌にのせた時の色って違いますよね。こんなはずじゃなかった、と後悔した方もいるかもしれません。青みのあるピンクも同様に、「そんなピンクは、肌の色に合わないのでは?」と心配してしまうかもしれません。でも大丈夫、「ラベンダーピンクの下地+ピンク系ファンデーションで土台をつくった肌に青みのあるピンクをのせると、みずみずしさが共鳴し合って、少女のような頬と唇が出現します」と本書が太鼓判を押しているのです。

 今までの常識をくつがえさなければならないので、最初は抵抗があるかもしれません。でもトライした方は「もう元には戻れない」と言うのですから、やってみない手はありません。ファンデーション、チーク、リップ。三位一体となって色を合わせていけば、こちらも同化現象が起こり、純度の高い透明感が生まれるそうです。

◆NGカラーはオレンジ

NGカラーはオレンジ
 透明感と対極にある色は、なんとオレンジ。若々しくフレッシュな色で、元気パワーをもらえそうですが、残念ながら40代以降は避けたほうが無難。もともとオレンジは黄色の比率が高い色、実年齢よりも老けて見られてしまう可能性があります。

 さらに「ニキビ跡、湿疹、炎症、開いた毛穴などもオレンジ色」。オレンジをつけるとまたもや同化現象が起こり、欠点が強調されてしまうというわけ。「ピンクの中でもオレンジ寄りのコーラルピンクやサーモンピンクもこの括りに入ります」というのですから、ピンク選びにもご用心。

 失われていく若さを実感する40代。鏡を見てあきらめモードになるのではなく、大人の時間の幕開けととらえ、ヘアメイクもファッションも、新たにチャレンジしていこうじゃありませんか。

<文/森美樹>

【森美樹】

1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx