リサとガスパールの絵本にも出てくる「パフェ」。数年前からじわじわとパフェがブームになり、都内でもパフェをシグネチャーにしたカフェがオープンしています。パフェ巡りを趣味とする「パフェ活」をしている人も多いとか?
そこで今回はパフェ巡りをするなら外せない、注目のパフェをご紹介します!
予約なしでOK!代々木上原の名店『BIEN-ETRE MAISON』
最初にご紹介するは、代々木上原にある洋菓子店『BIEN-ETRE(ビヤンネートル)』。イートインでいただけるパフェは瞬く間に人気メニューになりました。本店では完全予約制でしたが、今年2号店としてカフェ『BIEN-ETRE MAISON(メゾン ビヤンネートル)』をオープン。予約優先ではありますが当日席も用意され、思い立ったら食べられるようになったのです。
「ウェディングレストランで修行していたとき、自分の作ったウェディングケーキでゲストのみなさんが笑顔になるのがとても幸せだったんですよね。なので独立したときも、なにかお客様が幸せな気分になってくれるものを提供したいと思い、パフェを開発しました」と語るのは、オーナーの馬場麻衣子さん。
あえて詰め込まないのがBIEN-ETRE流のおいしさのポイント
パフェメニューは毎月替わる「季節のパフェ」のみ。9月のパフェは黒ぶどうのソルベとピスタチオのジェラートを使用したもの。自家製のソルベとジェラートの間には、シェーブルチーズを使用したチーズケーキが入っています。グラノーラやメレンゲ、ジュレなど13種類ものパーツが組み合わさったパフェは、グラスの中に余白を作ることで、混ぜる楽しさを感じられるように仕上げています。
パーツはそれぞれがひとつの「おやつ」として成立するほど、丁寧に作られていています。それでいて混ぜ合わせたときにバランスよく調和するのは、全体的にさっぱりとした味わいにしているから。生クリームも、オリジナルのブレンドで主張しすぎないよう濃厚さを抑えています。
馬場さんが描いたパフェのデッサン。食べる前から期待で胸が膨らみます!
レシピは馬場さんが毎月、契約農家から仕入れている旬のフルーツに合わせて考案しています。気候でフルーツの甘みや味わいも変化しますし、それによって構成も変わるので、毎年同じパフェが出てくることはないそう。そのときにしか食べられないパフェだからこそ、毎月訪れるファンもいらっしゃるとか。今後は10月イチヂク、11月に和栗を予定しているそうです。
店内は光が入って明るく、淡いピンクグレーの壁がのんびりとした雰囲気を演出してくれます。テーブルや棚などは丸いアーチが特徴で柔らかい印象。各テーブルにコンセントもついていて、一息つきながらスマホの充電ができるのもうれしいポイントですね。
- ■店舗情報
- メゾン ビヤンネートル
- 住所:東京都渋谷区上原1丁目17−11 2F・3F
- 営業時間:11:00~19:30
- 定休日:なし
組み合わせがおもしろい!「どんな味なんだろう?」とワクワクする『パフェバーagari』
次にご紹介するのは、東急世田谷線・松陰神社前駅の『パフェバーagari』です。「パフェバー」と称しているように、パフェを中心としたカフェです。
このときにいただいたのは「イチヂクとバルサミコとカルダモン」のパフェ。ちょっぴり大人な味わいのイチヂクをふんだんに使ったパフェは、昨年も大人気だったというイチヂクとバルサミコを加えた生クリーム入り。この生クリームをいただくだけでも、至福のひとときです!
主役となるイチヂクは、生、蒸し、キャラメリゼと、3種類あり、それぞれに食感も味わいも異なります。口に運ぶたびに「こんなイチヂク初めて!」と驚きました。そのほかにもビーガンアイスや動物性生クリーム、焼き菓子、ゼリーが入ったパフェは口の中でミックスすることで味が完成されます。
スイーツセラピストのジョナサンは「日本人て口内調理をする食文化があると思うんですね。例えば、たくあんを食べたあとにお水を飲むと、たくあんの後味が甘く感じるような。ちょっとわかりづらいかもしれないけど(笑)」と言います。ジョナサン自身も昔から口の中で味の足し算するのが好きだったことから、パフェも口の中に入れた時にどんな味になるのか、深く考えながらレシピを開発しているそう。
『agari』のパフェは、食べる人の気分がアップするように見た目にもこだわっています。フルーツはたっぷりと、爽やかな香りのタイムもあしらった“高さ”のあるヴィジュアル。食べ進めたときに疲れないよう、上部は生クリームを使って濃厚に、下部はゼリーを入れて軽めの構成にしています。
食べ終わった頃にそっと出されたのが、小さなグラスに入ったお茶。それはまるでお寿司屋の「あがり」のよう。桃を煮出したシロップを加えた少し甘めのお茶は、心もお口もほっこりとします。
もともと神楽坂で不定期・間借り営業をしていた『agari』。席を求めて、予約が殺到していましたが、2021年に松蔭神社前にお店をオープンしました。『agari』のパフェは「昼パフェ」と「夜パフェ」の2種類あるのが特徴。「夜パフェ」はオリーブ、生ハム、コンソメゼリーを使った、ちょっと珍しいおつまみパフェです。そして「パフェバー」なのでカクテルもご用意。しかもオリジナルのノンアルコール「モクテル」なので、お酒が弱い方でも楽しめますよ。
- ■店舗情報
- agari
- 住所:東京都 世田谷区 若林 3-17-11 1F
- 営業時間:平日13:00-20:00/土日11:00-19:00
- 定休日:水・木・金
旬のフルーツを丸ごと楽しむ!「カーピーパーラー」
最後は、東急東横線・都立大学駅から少し歩いたところにあるタルトとパフェのカフェ『カーピーパーラー』。淡い緑の壁紙が特徴の店内は、かわいらしくも落ち着く雰囲気。オーナーの杉山薫さんは、昔ながらのゆっくりできる喫茶店のようなお店を開きたいと思い2018年にカフェを開業。季節のフルーツをふんだんに取り入れたパフェのお店として瞬く間に人気店となりました。
てっぺんに乗った金平糖がかわいらしい!
今の季節、特に人気なのは「シャインマスカットプリンパフェ」。下から、マスカットゼリー、プリン、生クリーム、バニラアイスクリーム、そしてシャインマスカットがふんだんに添えられています。プリンもゼリーも手作りで、喫茶店でいただくようなノスタルジーを感じる味わいです。
『カーピーパーラー』のパフェは、季節のフルーツそのものを楽しめるよう、構成はシンプル。その理由について杉山さんは「若い人たちに、果物の旬を知って欲しいから」と教えてくれました。お店に訪れるお客様のなかには、秋でも「いちごのパフェはありますか?」と聞いてくる方がいらっしゃるとか。
「今はハウス栽培なので年中様々な果物が手に入りますが、やはり旬の時期のおいしさや流通する品種は季節によって違います。せっかく四季のある国にいるのだから、旬の果物を通じて季節を感じて欲しいです」(杉山さん)
こちらはレギュラーメニューのチョコバナナパフェ。チョコ×バナナは鉄板のオーセンティックな組み合わせで、お子さんにも人気なんだとか。
食後には白湯が提供されるのも『カーピーパーラー』ならでは。アイスクリームで少し冷えたおなかを優しく労ってくれます。
旬のフルーツのおいしさを伝えたいと、『カーピーパーラー』ではパフェで使用している果物も販売。シャインマスカットは房でも購入できますし、6粒ほどのカップ入りも販売されていました。房で買うと高いし、食べ切れるか心配で躊躇してしまう方にも手に取りやすいように。という心遣いがうれしいですね。
- ■店舗情報
- カーピーパーラー
- 住所:東京都目黒区中根2丁目5−10
- 営業時間:10:30~18:00
- 定休日:水曜+不定休
あのふたりも大好きなパフェも登場!『リサとガスパールのレストラン』
子どもも大人もワクワクしてしまうパフェは、絵本「リサとガスパールのレストラン」にも登場。
リサとガスパールがお気に入りのレストランに行ったら、すっかりお店がかわっていて、がっかり!退屈したふたりがテーブルでいたずらをはじめたら…。いたずらをし続けたリサとガスパールは最後どんな気持ちでお店をあとにするのでしょうか?
絵本を片手にパフェを楽しむのも、素敵に時間になりそうですね。
© 2022 Anne Gutman & Georg Hallensleben / Hachette Livre