今年の夏は、危険な暑さの猛暑日が続きました。暑い日が続いて嫌なことといえば、虫の発生を思い浮かべる人も多いのではないのでしょうか。

猛暑日
写真はイメージです(以下同じ)
 現在は彼と2人暮らしという大阪市在住の豊田菜穂さん(仮名・28歳)が、昨年の夏に経験した恐怖の「虫事件」を語ります。

◆まん延防止措置中はホテルでテレワーク

「昨年の夏、大阪はまん延防止や緊急事態措置が出ていました。同棲している彼氏は、通勤を避けるために会社が用意したホテルに1ヶ月半ほど泊まりながら、ホテルでテレワークをすることになりました。

 私が勤める会社はテレワークを推奨していたのですが、彼氏がいないのだったら別に家にいる必要もないかなと思ったんです。夏は家にいるだけでエアコン代もバカにならないので、会社の近くや府内の安いホテルに泊まりながら仕事をすることにしたんです」

◆1ヶ月のワーケーション生活でリフレッシュ

ホテルでワーケーション
 コロナ禍ということもあり、1泊2000円~とかなりリーズナブルに泊まることができたそうです。もともと旅行好きな菜穂さんは、気分転換も兼ねてホテルで生活をすることにしました。

「感染対策には十分気をつけた上で、約1ヶ月間、府内のホテルを転々としていました。飲食店は時短営業でしたが、行きたかったお店でテイクアウトしてホテルで食べるだけでも、いい気分転換になりました。会社が休みの日にはホテルの近くのカフェでランチをしたり、部屋で動画を見たりして、自宅に帰ることはありませんでした」

 外に出歩くことはあまりできなかったとはいえ、普段とは違う環境で仕事ができ、リフレッシュできた菜穂さん。そして1ヶ月後、自粛が落ち着いて出社再開の命令が出た頃、久しぶりに自宅に戻ることに。そこで菜穂さんは、とんでもない光景を目の当たりにしたといいます。

◆久々の帰宅…ベランダに大きな蜂の巣を発見

「マンションの掲示板に『最近、マンションの敷地内にハチが出没しています。住民で刺された人がいたので気をつけてください』という張り紙がしてあるのを見つけたんです。怖いなぁ……と思いながら1ヶ月ぶりの自宅に戻り、空気の入れ替えをするために窓を開けました。すると、ベランダの柵に10cmほどのハチの巣を発見してしまったんです」

虫が大量発生
 思わず『ヒッ!!』と声が出たという菜穂さん。菜穂さんの家はマンションの1階で、外にはマンションの景観を良くするために花が植えられていました。そのため夏場は虫がよく来るのが悩みだったのですが、まさかハチの巣までできているとは思っていなかったようで……。

「毎年、夏になると虫が来ないようにベランダに虫除けスプレーを振るなどの対策をしていました。でも、1ヶ月間家を空けていたため、すっかりと虫の楽園になってしまっていたんです。幸い、ハチの巣はそこまで大きくなかったため、体や顔を保護して虫除けスプレーで自力で駆除することができました。

 でも、マンションの住人には私が1ヶ月間家を開けたことで蜂の巣ができたのではという噂が広まってしまい、『こんな時期に旅行?』と影で散々言われていたみたいです……」

◆さらにキッチンでコバエが大量発生

 さらにトラブルは続きます。1ヶ月前にキッチンの排水口のネットを交換していなかったことから、生ゴミの臭いが溢れ出し、そこからコバエが発生したというのです。

「ハチの巣の駆除に気を取られていたのですが、なんか部屋の中がニオうなと思っていたんです。窓も開けていないのにどこからコバエが入ってくるんだろう? と思っていたんですよね。部屋の中をいろいろと調べて、ニオイの元が排水溝だと気付いて掃除したのですが、生ゴミ臭はしばらく取れませんでした。彼氏が帰宅するまでにどうにかしなきゃと思い、お掃除のプロを呼んで家中を掃除してもらったらかなり高くついてしまいましたね……」

 1ヶ月とまで行かなくても、菜穂さんのように夏に長期間家を空けるという人は多いと思います。留守中の対策をしっかりとやっておかないと、帰ってきたら家が虫だらけ……なんてことにもなりかねません。皆さんもお気をつけくださいね。

<文/結城 イラスト/zzz>

【結城】

男女観察ライター。鋭い視点で世の男女を観察し、 夫婦問題からイタい火遊びまで、幅広いエピソードを華麗に紡いでいく。Twitter:@yuki55writer