原因4.難治性口内炎

「難治性口内炎」は、中・高年齢の猫に多い、激しい痛みを伴う慢性の炎症性疾患です。
ひどい口臭や膿のようなよだれ、歯肉や口腔粘膜が赤く腫れ、潰瘍や出血が見られることもあります。
痛みで食べられず、どんどん衰弱していく、たいへんつらい病気です。

・免疫系の障害
・猫白血病ウイルス(FeLV)
・猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症

などの病気にかかった猫に、重度の難治性口内炎が発症しやすいことが知られています。
原因は解明されていません。
歯肉炎や歯周病を併発することも多いですが、歯周病は原因ではなく、口内炎を悪化させる要因と考えられています。

原因がわからないため、対処法や確立した治療法はありません。
ステロイド、インターフェロン、ラクトフェリン、非ステロイド系消炎鎮痛剤など様々な方法が試みられていますが、必ずしも満足な効果が得られるわけではなく、完治の難しい病気です。
薬剤が効かない場合は、レーザー蒸散術を行ったり、すべての歯を抜く顎抜歯によって症状が改善することもあります。

原因5.カリシウイルス性口内炎

「猫カリシウイルス感染症」は、通称「猫かぜ」と呼ばれるものの一種です。
その多くは感染猫との接触によってうつりますが、空気感染することもあります。
くしゃみ・鼻水・咳・発熱などの症状に続き、口内や舌に潰瘍や水疱などの異物でき、痛みで食事が摂れなかったり、大量の唾液が出たりします。

通常は1~2週間で回復しますが、時に肺炎を起こして命に関わることもあります。
ウイルスに直接効く薬はありませんので、治療は、インターフェロンの投与や栄養補給を行います。
体力や免疫力の低下を防ぐとともに、他の細菌の二次感染を防ぐために抗生物質を投与することもあります。

対処法としては定期的なワクチン接種で予防できますが、猫カリシウイルスは、人のインフルエンザウイルスと同様、様々なタイプが存在するため、ワクチンをしているからといって完全に防げるわけではありません。


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