もし、自分の付き合っている彼が実は既婚者だったらー。そんなゾっとするエピソードをご紹介します。

恋愛に関して執筆経験のある筆者に、あるトラウマを記事にしてほしい、という依頼がきました。都内在住35歳の小貫たか子さん(仮名・主婦業)からです。その案件とは、「既婚者と知らずに付き合ってしまった男性との不倫の恋」。

社内恋愛をする男女の画像
写真はイメージです(以下同じ)
◆最初の出会いは仕事、彼は取引先の営業マン

8年前、当時27歳独身だった、たか子さん。その前に現れたのが、業界でも大手と呼ばれる広告代理店の営業マンの秀一さん。当時たか子さんの会社に出入りしていました。

幅広いネットワークを持ち、デザインセンスも良かったので、仕事ができる敏腕営業マンとしてたか子さんの目には秀一さんがキラキラと映っていました。また、気さくで話も面白い。たか子さんの秀一さんへの気持ちは、いつしか恋心に変わっていきました。

◆「俺のこと、好きでしょう?付き合おう!」オフィスで交際宣言

その日はたか子さんと秀一さん、カタログ制作関連のチームとの週1回行われる会議。

たか子さんは秀一さんに会えるのが密かな楽しみになっていました。会議の準備中に秀一さんにお茶を出した時のことです。

「俺のこと、好きでしょ、たか子さん。」なんと会社の会議室で驚きの告白!「俺と付き合いましょ!」その言葉にうなずいて、トントン拍子に交際へと発展していきました。

◆付き合いはじめに抱いた違和感の数々…

妻が不倫をしている場合はレスが多い
高級車を運転、そしてセンスの良いいで立ち、持ち合わせたユーモア。たか子さんは秀一さんにどっぷりハマってしまいました。性的な相性が良いのはもちろん、テクニックも相当なもので、たか子さんは情事の後にいつも深い眠りにつくほどでした。

ただ、気になっている点がないわけではありませんでした。少し年上の秀一さんが、何故こんなに素敵なのに結婚していないのか…もしかして何か特別な理由でもあるのかと気にはなっていました。

さらに、いつもおかしいなと感じることがありました。それは彼の荷物。通勤用の鞄に、小さなトラベルグッズが入っているのです。歯ブラシ、洗顔フォームに、携帯用なのか上下の下着。

そして極めつけは…自分の使用済みコンドームを持ち帰る、ということでした。

たか子さんはそれまで秀一さん以外と深い関係になった男性は一人もいません。今考えれば、この証拠隠滅の巧妙なテクニックに気がつかずにいたのです。

◆1年後のある日、愕然とする情報が

秀一さんと交際し1年が過ぎたある日、課長からある事実を告げられます。

課長:「A広告代理店の秀一っているだろ?お前さ、あいつ結婚してるの知っててつきあってるんだよね?私としてはさ、不倫はよくないと思うんだ。」

たか子さん:「えっ?えっ?結婚?されてたのですか?しりません、私、不倫なんてしていません!」

課長:「やっぱり…あいつまたやってくれたよ。実はさ、あいつ既婚者なんだよ。即別れたほうがいいね。そのほうが身のためだよ。君も28歳でしょ?区切りつけなきゃ。」

このやりとりの後、たか子さんは、秀一さんに電話しました。

◆妻と娘がいる既婚者のうえ不倫相手も常時4、5人いた

「結婚…してたの?っていうかゲス野郎!早く私の家から荷物全部もっていって!それと…私の婚期を返して!この鬼畜!他に女もいたって、最低!」

秀一さんは、たか子さんの泣きわめく声に、「チッ、わかったよ」とだけ告げて、謝罪のひとこともなしに別れへと至りました。

あとから聞いた話だと、元モデルの妻と大学生になる娘がおり、不倫相手は常時4、5人いたとの衝撃の事実ばかり。

なぜ自分は何も悪くないのに、無自覚に不倫をさせられ、彼の家族を巻き込んでしまったんだろうと、まじめなたか子さんはしばらくうつ状態になってしまいました。そのことはトラウマになり、メンタルクリニックの通院を経て、そして、現在。

◆幸せに暮らしても癒えないトラウマ

夏休みは夫の実家がある北海道に帰省
現在は母になり、4歳の小さな男の子を一生懸命育児してくれるまじめな夫と幸せに暮らしています。

しかし、たか子さんのトラウマはなかなか治りません。既婚者であり、母になってわかった、家族を裏切る行為は絶対許されるものではないと考えるたか子さん。

8年経過しているのですが、当時の写真やブログが残っているので、法的措置(心的外傷ストレスをあたえられ、その痛みについての謝罪を求めること)をとる考えも持っているそうです。

◆知らずに不倫は多いかも

夫と父、初めての顔合わせ
たか子さんの一通りのインタビューを終えて、男性経験の少ない女性は、知らず知らずに不倫関係に陥っているケースも多いのではと感じました。

交際相手となる人とは、十分に信頼関係を築き合い、素性を確認してからのお付き合いをするのが、これからの時代は大事になってくると深く感じた一例でした。

<文/薗 芽花(その めいか)>