恋人と付き合っていると、些細な喧嘩や嫉妬はつきものですよね。今回は優しすぎる彼だからこそ起きてしまった大喧嘩を紹介します。

 東京都在住の涼子さん(仮名・27歳)は現在結婚2年目。旦那さんはとても優しく、めったに怒らないおおらかな人だそう。今でもほとんど喧嘩をしないという夫婦ですが、結婚前に一度だけ涼子さんが激怒した出来事があったそう。今でも思い出すとムっとしてしまうほど涼子さんが怒った理由とは…?

◆居酒屋デート中、彼の女友達とバッタリ

居酒屋デート中に彼の女友達とバッタリ
「結婚前に1年ほど同棲していたのですが、お互い仕事で帰りが遅く、最寄りの駅で待ち合わせをして2人で居酒屋デートに行くことがありました。その日もいつも通り彼と飲んでいると、奥の席から二人の女性がこちらに向かって歩いてきました。『えーめっちゃひさしぶりじゃん!』と親しげに彼に手を振る女性二人は、まるで私のことが見えていないかのようでした。

 どうやら女性二人は彼の地元の女友達らしく、『久々だし一緒に飲もうよ』と私たちの席に強引に座ってきました。デート中だし、彼が断わってくれるだろうと思ったのですが、彼は女性たちの言葉を受け入れ、私は初対面の女友達と一緒に飲むことになってしまいました」

 そう語ってくれた涼子さんは当時24歳。5つ年上の彼は普段からとても優しく、物腰柔らかなところが魅力的に感じていたのだそう。ところが、その彼の優しさが仇となり揉めごとに発展してしまいます。

◆自分の知らない彼の昔話にイラッ

自分の知らない彼の昔話にイラッ
写真はイメージです。(以下同じ)
「彼は私のことを紹介してくれたのですが、その女友達は私のことはお構いなしに学生時代の話や、私の知らない彼の昔話をし始めたんです。『最近地元帰ってるのー?』『昔から全然変わってないよね!』など、まるで私よりも付き合いが長いことをアピールされているかのようでした。5つも年上の女性だし、地元を大事にしている彼だったので最初は我慢していたのですが、だんだんと怒りが湧いてきたのを今でも覚えています」

 彼と女友達の会話を聞いていて不愉快なのはもちろん、「なぜ私がこの人たちと一緒に飲まなきゃいけないのだろう」と疑問に感じ始めた涼子さん。また、自分の気持ちに気づいてくれない彼にもだんだんとイライラが募っていったのだとか。

◆女友達からトンデモ発言が飛び出す

女友達からトンデモ発言が飛び出す
「1時間ほど見知らぬ女性と同席することになり、彼の女友達とはいえ少しばかり嫌悪感を抱き始めたそのとき『私今子どもいるんだよね、バツイチで夜は親に子どもを預けて結構飲んでるんだけどさ、不倫がばれちゃって離婚したんだよね』と楽しそうに話していたのを見て、私は正直ドン引き。一緒にいたもう一人の女性もそれを聞いて笑っていました。彼はそれをただ聞いているような感じで…もうその時の状況に耐え切れなかったです」

 ここまで愛想笑いをしながら黙って聞いていた涼子さんでしたが、結婚を考えていると話した涼子さんカップルに「結婚は大変だよ」と、自らが不倫し離婚した女性から一方的な意見を投げつけられ、怒りのバロメーターがどんどん上がっていったと話します。

◆ついに怒りが爆発、彼と言い合いに

ついにイライラが爆発、ブチ切れる
「好き勝手に話す女友達にも、この状況を何とも思っていなさそうな彼にも怒りが込み上げ、『私、もう帰ります。不倫して子どもを預けて飲み歩いてるような人から何を言われても響かないし、ここにいてもつまらないので』と言って店を出ました。彼は走って追いかけてきましたが、私は無視してタクシーに乗り込みました」

 これ以上あの場にいるともっとイライラすると感じてその場を離れた涼子さん。優しいところが大好きだったという彼の態度にも呆れ、その後すぐに家に帰ってきた彼ともしばらく言い合いに…。

「彼はすぐに帰ってきて、話し合いになりました。『女友達をあんな風に面と向かって否定する涼子は無神経だ』とまで彼に言われ、納得いかない私は『女友達にだけでなく、あなたの態度にも怒っている』と伝えましたがその場ではお互い感情的になっていて分かり合えず…。その日は和解できないまま終わりました」

◆話し合いの末に和解

「私は次の日少し冷静になれたので、感情的になって激怒したことに対して謝り、彼も私の気持ちを理解してくれたようでした。彼からすれば女友達を受け入れたのは彼なりの優しさだったようですが…。2人でデートにしたかったので、彼の女友達に対しての嫉妬心もあったのかなと感じています。長い話し合いの末和解することができ、結果的に今は結婚することができましたが、今でも忘れられない出来事となっています」

―シリーズ「人生で最も激怒した瞬間」―

<文/鈴木風香 イラスト/とあるアラ子>

【鈴木風香】

フリーライター・記者。ファッション・美容の専門学校を卒業後、アパレル企業にて勤務。息子2人の出産を経てライターとして活動を開始。ママ目線での情報をお届け。Instagram:@yuyz.mama