9月1日(木)、「白馬インターナショナルスクール(HIS)」は、第一期生となる新入生20名を迎え、長野県白馬村に開校した。
白馬村・岩岳マウンテンリゾートの山頂で行った開校式では、生徒・保護者・学校設立に携わった関係者や地域住民など約100名が列席し、同学校の門出をあたたかく祝福した。
サステナビリティ教育を実践する中高一貫のボーディングスクール
「白馬インターナショナルスクール」は、持続的可能な社会を創り出せる人材の創出を目指し、サステナビリティ教育を実践する中高一貫のボーディングスクールだ。
生徒には、自然の中で遊び、体験し、学ぶことを通じて、人は自然の一部であることを体感してもらい、また、地域に出て活動し社会にインパクトを起こすことで「自分のアクションによって社会を変えることができる」という実感を持って卒業してほしいと願っているという。
教育の特色
「白馬インターナショナルスクール」では、最初の4年間は持続可能性をテーマにしたプロジェクト型学習を通じて体験の中から学びを深め、最後の2年間は国際バカロレアの課程を通じてアカデミックな学びを探究する。
実社会でいつか使うことを前提に幅広い知識やスキルをまず学ぶという従来の教育とは真逆のアプローチにより、生徒たちは自分の実生活の延長線上で学問や教養の必要性を納得した上で学ぶことができる。
白馬という自然豊かな地の利を活かしたアウトドア活動、システム思考、心へのアプローチである「社会性と情動の学習(SEL)」を取り入れた新しい学校を目指すという。
サステナビリティ教育は、学校のカリキュラムだけではなく、生徒の実生活にも結びついている必要があるそうだ。そこで同学校施設や制服もできる限りサステナブルなものを導入している。取り組みの一例を紹介しよう。
コミューナル制服
「白馬インターナショナルスクール」では可能な限りサスティナブルな制服にするべく、学校が制服を所有し生徒に貸し出す形のコミューナル制服を導入した。ゴールドウィン「NEUTRALWORKS.」・CIRCULAR DESIGN STUDIO.との共同開発により、機能性に優れ、再生可能なポロシャツを製作した。
ゼロ・カーボンの校舎建設プロジェクト
学生寮と現在の校舎は、新規建設や解体工事などによるCO2の排出量を減らすため、スキーロッジをリノベーションしている。今後は学校用地1万坪の森に、本校舎を建設するそうだ。生徒たちも設計に参加し、CO2の排出量を抑えた環境にやさしい校舎の完成を目指すという。
「プロジェクト型学習(PBL)」と「社会性と情動の学び(SEL)」を柱にサステナビリティ教育を実践する新しい学校である、「白馬インターナショナルスクール」の今後に注目してみて。
■白馬インターナショナルスクール
所在地:長野県北安曇郡白馬村大字北城11290-1
定員:180名(中等部は1学年20名、高等部は1学年40名を定員とし、今後は世界各国から入学者を募集)
(角谷良平)