デートに誘われたとき、自分ではやんわりと断ったつもりでも、相手から何度も予定を聞かれると、どうしたらよいか悩んでしまうもの。今回は、はっきりとお断りしなかったことでのちのち恐怖体験をすることになってしまった、東京都在住の由香さん(仮名・33歳)に当時のお話を聞きました。

◆婚活パーティで出会った恋愛経験ゼロの男性

婚活パーティで出会った恋愛経験ゼロの男性
写真はイメージです。(以下同じ)
「都内のバーで行われていた婚活パーティに友人と参加したのが今から約3年ほど前のこと。30歳に差し掛かり、周りの友人が次々結婚していくことに焦り、そろそろ本気で結婚したいと考えるようになりました。最初に私に声を掛けてくれた男性は高身長でさわやかな男性。女慣れしていない感じはありましたが、とても真面目そうな方でした。彼も友人と来ており、恋愛経験がなくグループのほうが最初は緊張しないとのことで私の友人を含め4人で飲むことになり、とても盛り上がったんです」

 その日は彼と連絡先を交換してお開きに。彼に対して好印象を持っていたこともあり、たまに連絡を取るような仲になっていったと話します。

「初めて二人で会うことになって食事に行くと、4人で会った時の印象とは少し違い『もっと知りたい』とまでは思えなかったのでデートはこの1回きりで、その後お互い連絡を取り合うこともなく自然と終わりました。彼も私と同じように『なんか違う』と思ったのかなと思っていました」

◆1年越しの再会、また食事に誘われる

1年越しの再会、また食事に誘われる
「あれから1年以上が経ち別の婚活パーティに参加すると、そこには偶然彼も参加していました。なんだか気まずいという思いもありましたが、『久しぶり! 元気?』と声をかけてくれたので、『婚活うまくいってる?』と世間話に。すると『また食事でも行かない?』と誘われたので、『機会があったら!』と曖昧な返事をして濁してしまいました」

 一度食事にも行った仲だったため、はっきり断りづらかった由香さんは、「機会があれば」とやんわり断ったつもりでいたそう。その場で予定を決めない時点でなんとなく伝わりそうですが、彼は違ったようです。

◆遠回しに断っていることが全く伝わらない

遠回しに断っていることが全く伝わらない
「数日後、彼から『ひさしぶりに会えてうれしかった。予定は分かった?』と連絡が入りました。私は、『最近忙しいからごめんね』と連絡を入れたのですが、その後も『〇日はどう?』とLINEが…。『他にも婚活パーティに行ったりしているから、難しいかも。ごめんね』と返しても『俺は〇曜日なら基本大丈夫だよ!』と積極的なお誘いがありました」

 全く伝わっていないことに驚いたという由香さんでしたが、そのまま連絡を返さず2日ほどたった時に彼から衝撃のLINEが届きます。

◆「思わせぶりすんなよ!」突然キレだす

「『ずっと返事待ってるんだけど! 自分の予定も分からないの? 最初から会う気なんてないんじゃないの? 思わせぶりすんなよ!』と怒りのLINEが来たんです。私が今まで話していた彼とのギャップがすごく、怖いと感じてしまいました。そして、私自身ずっと断っているつもりだったので、思わせぶりだと言われたことにもびっくりで…。その後は『ごめんなさい、そんなつもりはなかった。でももう会えないです』そう返して終わりにしようと思っていました。しかし彼からのラインは鳴りやまず、これが悲劇の始まりでした」

 これで終わりだと思っていた由香さんの身にその後起きた出来事とは?

◆30分おきに届く暴言LINE

30分おきに届く暴言LINE
「断りと謝罪の連絡をしてから、彼から30分置きに『このブス!』『お前なんか死ね!』『このクソビッチが!』と暴言のラインが続いたんです。それもピッタリ30分置きにずっと…。年末付近の出来事だったので、友人と忘年会をしている最中も夜中まで30分置きに暴言のLINEが届いていました。

 元旦に友人からの『あけましておめでとう!』というLINEの中に彼からの『死ね!ブス!』というLINEの通知がたくさんあり、恐怖を感じました。付き合っていたわけでもないのに、デートを断ったらこんなことになってしまうのかと、今後は自分の発言にはもっと気を付けようと反省もしました」

 一度会って二度目のデートはしないという展開や、やんわりお断りするということはよくありそうですが…。彼は恋愛経験がないことからか、「機会があったら」という由香さんの言葉を真に受けてしまったのでしょう。

―シリーズ「怪談・ゾッとする話/不思議な話」―

<文/鈴木風香 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>

【鈴木風香】

フリーライター・記者。ファッション・美容の専門学校を卒業後、アパレル企業にて勤務。息子2人の出産を経てライターとして活動を開始。ママ目線での情報をお届け。Instagram:@yuyz.mama