皮膚に常在するブドウ球菌に感染して発症「 膿皮のうひ 症 」

皮膚の表面には、ブドウ球菌やマラセチアなどが常在しています。通常は皮脂や細胞性免疫などの表皮バリアで守られ、皮膚そのものへの侵入は防がれていますが、皮膚が不潔だったり、他の皮膚炎にかかっていたり、免疫力が低下したりしていると、ブドウ球菌に感染し、「膿皮症」を発症します。主に顔や指の間、わき、内股などに赤みやかゆみがみられ、強いかゆみから、かんだり引っかいたりして脱毛を招くことも。
治療は、抗菌剤を含むシャンプーによるスキンケアが中心。皮膚感染が慢性化している場合には、抗生剤による治療が必要です。
膿皮症になりやすい犬種として、品種的に表皮バリアに問題があることが多いゴールデン・レトリーバーやビーグルなど。

大半がハウスダストマイトに対するアレルギー「アトピー性皮膚炎」

「アトピー性皮膚炎」の多くは室内のハウスダストマイト(コナヒョウダニやヤケヒョウダニ)に対するアレルギーです。この抗体を持つ犬が室内を歩いたり、においをかいだりするときに皮膚にハウスダストマイトが付着し、アレルギー反応が起こるのです。主な症状は、目や口の周り、足先などの赤みとかゆみ。普通のアレルギーが4歳以降に多いのに対し、アトピー性皮膚炎は大半が1歳半以内に発症します。生まれつきの体質で、生涯にわたるケアが必要です。
対策としては、低刺激性の保湿力にすぐれたシャンプーで頻繁に体を洗い、ハウスダストマイトを洗い流すこと。また空気清浄機やハウスダスト除去スプレーなどで室内を清潔に保ち、寝床をダニの繁殖を抑えるような素材に変えることも有効です。悪化したケースでは、二次感染を抑える抗生剤や、ステロイド剤の使用を考慮しなければいけないこともあります。

病気クローズアップ 犬 「かゆがる」
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

皮膚炎ではなく、命にかかわる腫瘍の場合も「肥満細胞腫」

かゆいからといって、必ずしも皮膚炎とは限りません。「肥満細胞腫」のように、放置すると命にかかわる病気の場合もあります。肥満細胞腫は、犬の皮膚腫瘍のなかでも最も多い病気です。
初期は、ほんの小さなしこりであったり、虫刺され跡のような赤い腫れであったりするため、つい見逃されがちです。かゆみを軽視せず、気になる症状があれば、すぐに動物病院へ。


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

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