苦労や辛さもあるけど、それ以上に刺激的で楽しい日々

 この意見には2010年代半ばの3年間、自動車関連メーカーに勤める夫の海外転勤先のメキシコで一緒に暮らした矢島淳子さん(仮名・41歳)も「すごくわかります」と共感を示します。

「私が住んでいたのは首都のメキシコではなくアグアスカリエンテスという地方都市。しかも、幼い子供がいたので夫は単身赴任を覚悟したらしく、『付いてきて欲しい』とは言いませんでした。

子供のことを考えれば当然の判断とはいえ、私にとってメキシコは独身時代からいつか旅行してみたいと思っていた国のひとつ。住むのとはまったく違うことくらい百も承知ですが、それでもすごく前向きに捉えていたので付いて行くことに決めました。彼には『小さいころから異国の文化に触れるのは子供にとってもいいこと』とかそれっぽく話しましたが、自分が行きたいがために言っただけで本当は後付けです(笑)」

 彼女は結婚前に上海に赴任していた時期があり、人生の決断をこうもあっさり下すことができたのは独身時代のこの経験が大きかったようです。

「まあ、実際には上海と違って日本人があまり住んでいない場所だし、日本の食材もほとんど手に入らなかったので大変でしたけどね。子供がいたから耐えられましたがスペイン語圏で英語がまったく通じないし、中国よりも全然ハードルが高くて。途中から徐々に慣れましたが、最初は完全にホームシックになっていました」

老後にまた1~2年暮らしたい

 すでに帰国から5年が過ぎましたが、今となっては「自分の人生を豊かにしてくれた」と振り返ります。

「大変で辛いこともあったけど、そういうのもひっくるめて刺激的で楽しい日々でした。旦那とも『老後にまた1~2年暮らすのも悪くないよね』なんて話もしています。ダメなら日本に戻ればいいんだし、チャンスがあれば移住してみればいいと思うんです。実際に経験してわかることもあるはずです」

 異国ゆえの苦労はあってもそれに勝る魅力を感じる人が多いのも事実。誰もができる経験ではないですし、結局は楽しんだ者勝ちなのかもしれませんね。

<文/トシタカマサ>

トシタカマサ
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。


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