どんなに対策していても、現れるコバエ。暑い時期はとくに発生しやすく、コバエ対策に頭を抱える人もいるでしょう。コバエが1度に産む卵の量は、50~150個といわれており、産みつけてから1~3日後には孵化します。つまり、1度でもコバエが家の中に卵を産みつけてしまうと、全滅するのに時間がかかるのです。

 そんなコバエに関する恐怖の体験を話してくれたのは、杉下舞さん(仮名・29歳)。後に夫となる彼氏と同棲をはじめたときに起こったゾッとする体験を話してくれました。

◆生ゴミのニオイ対策に、ふたつきバケツを購入

生ゴミのニオイ対策に、ふたつきバケツを購入
写真はイメージです。(以下同じ)
「彼と同棲するまでの私は、世間知らずで家事もロクにできない人間でした」

 一人暮らしの経験がなかった舞さんは、実家にいる間、家事を全く手伝わず母親にまかせっきりだったとか。そのため、同棲当初は家事に苦労したそうです。

「狭い間取りだったこともありキッチンが狭く、生ゴミの処理に悩んでいました。季節は夏で、腐敗が進みやすい時期でしたからね。仕事から帰ってきて、玄関を開けると生臭いニオイがするんですよ。対策として黒いふたつきの小さなバケツを買ったんです。生ゴミだけバケツに入れて、ふたをすればいいんだって」

◆生ゴミを捨て忘れたのが恐怖のはじまり

 臭いものにはふたをしろの言葉通り、ふたつきのバケツに生ゴミを捨てるようになってから、ニオイが少し軽減されたと舞さんは話します。

「生ゴミのニオイが気にならなくなり、我ながらいい方法だと自画自賛していました。ただ、ゴミの回収日に生ゴミを捨て忘れちゃって…」

 生ゴミバケツを設置して早々に、ゴミ出しを忘れてしまった舞さん。しかし、それが恐怖のはじまりだったのです。

◆突然コバエが家中を飛び回る…なぜ?

「生ゴミバケツを設置してから数日後、部屋中をコバエが飛び回るようになりました。ゴミの処理はしっかりしているのに…と疑問だったのですが、夏だし、仕方ないよね~なんて彼と呑気に話していました」

突然コバエが家中を飛び回る…なぜ?
 舞さん達は、はじめのうちこそ夏だからと安易に考えていました。ところが、コバエの飛び回る数があきらかに増えたことで彼氏が疑問に感じはじめたそう。

「『どこかに食べ残しが置いてあるんじゃない?』と彼が言い出し、2人で部屋中を探しはじめました」

 しかし、このコバエ調査がトラウマ級の事件の引き金に…。

◆黒いふたが真っ白に!?大量のウジが発生

「食べ残しはどこにもなく、思い当たる最後の場所が数日前に設置した生ゴミバケツでした。ふたもしてあり虫対策にもなっているのだから、関係ないでしょって思っていたんですけど…」

 ふと、ゴミの回収日に生ゴミを捨て忘れたことを思い出した舞さん。ゴミを溜めてしまったのが原因なのではと思い、バケツを開けたそうです。

「ふたを開けても生ゴミだけ。やっぱり関係ないじゃんと思いながらふたの裏を見ると、黒いはずのふたが真っ白で…。無数のうねうね動く物体がそこに集結していたんです」

 なんと生ゴミバケツのふたの裏にウジが湧いていたそう! しかも、黒いふたが真っ白に覆われるほどの数だったとか。

いふたが真っ白に!?大量のウジが発生
「漫画で見るような光景に、思わず『ヒッ!』と声をあげて尻もちをつきました。もちろん、ふたはすぐに手放しましたよ」

 あまりにも恐怖の光景に叫ぶことすらできなかったと舞さんは話します。

◆彼氏に助けられた

「あまりの気持ち悪い光景に彼氏もドン引きしていましたが、バケツから生ゴミをすべて捨て、ふたとバケツに水を入れて虫をトイレへ流したそうです。その後、バケツを洗い、何重にもビニール袋を被せてゴミの日まで保管しました。」

彼氏に助けられた
 彼氏の迅速な対応により、大量に発生したウジは部屋からいなくなったと話す舞さん。その後しばらくの間はコバエが出たそうですが、殺虫剤などの対策により徐々に減ったとか。

「もともと虫が苦手だったんですけどこの事件がトラウマとなり、さらに虫が苦手になりました。二度とあんなことが起こらないよう、ゴミの処理は徹底しています」

 虫が湧きやすい夏場は、生ゴミを溜めないよう注意する必要がありますね。みなさんもゴミの処理には気をつけましょう。

―シリーズ「怪談・ゾッとする話/不思議な話」―

<文/東あきえ イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>

【東あきえ】

ライター兼2人のヤンチャな男の子を育てる母。ビールと唐揚げをこよなく愛す。食べることが大好きゆえに、食育について勉強中。笑えるものから感動するものまで、さまざまな人間模様を綴る。Twitter:@akar184