大統領制をとっている韓国では5年に1度、国民の直接選挙によって大統領が選ばれます。
韓国の歴代大統領
韓国では憲法の改正を歴史的な一区切りとし、それぞれの時期の憲法を第1~第6憲法と呼び、各憲法に基づいて構成された政治体制を第1~6共和国と呼称しています。
憲法の改正によって大統領の選出方式が変わることもあり、過去には重任する大統領もいました。
1~3代 李承晩(イ・スンマン)
在職期間:1948-1960
政治体制:第1共和国
主な社会の出来事:
1950年 朝鮮戦争
1953年 休戦協定調印
1960年 4・19革命
4代 尹潽善(ユン・ボソン)
在職期間:1960-1962
政治体制:第2共和国
主な社会の出来事:
1961年 5・16軍事クーデター
1962年 第一次経済開発5ヵ年計画発表
5~9代 朴正熙(パク・チョンヒ)
在職期間:1963-1979
政治体制:第3共和国 維新体制
主な社会の出来事:
1964年 ベトナム派兵開始
1965年 日韓基本条約締結
1970年 京釜高速道路開通
1972年 南北共同声明発表
10代 崔圭夏(チェ・ギュハ)
在職期間:1979-1980
政治体制:第4共和国
主な社会の出来事:
1979年 朴正熙大統領暗殺、粛軍クーデター
11~12代 全斗煥(チョン・ドゥファン)
在職期間:1980-1988
政治体制:軍政 第5共和国
主な社会の出来事:
1980年 光州民主化運動(光州事件)
1987年 6月民主抗争、民主化宣言
13代 盧泰愚(ノ・テウ)
在職期間:1988-1993
政治体制:第6共和国
主な社会の出来事:
1988年 ソウル・オリンピック開催
1990年 初の南北首相会談
1991年 30年ぶりの市・郡・区議会選挙
14代 金泳三(キム・ヨンサム)
在職期間:1993-1998
政治体制:第6共和国
主な社会の出来事:
1996年 OECD加盟
1997年 IMF危機(韓国通貨危機、アジア通貨危機)
1998年 第一次日本文化開放
15代 金大中(キム・デジュン)
在職期間:1998-2003
政治体制:第6共和国
主な社会の出来事:
1999~2000年 第二次、第三次日本文化開放
2000年 金大中大統領ノーベル平和賞受賞
2002年 FIFAワールドカップ、日韓共催
16代 盧武鉉(ノ・ムヒョン)
在職期間:2003-2008(権限停止期間2004年3月12日~5月14日)
政治体制:第6共和国
主な社会の出来事:
2004年 盧武鉉大統領弾劾案可決、「冬のソナタ」ブーム、第四次日本文化開放
2005年 清渓川(チョンゲチョン)復元
17代 李明博(イ・ミョンバク)
在職期間:2008-2013
政治体制:第6共和国
主な社会の出来事:
2008年 米国産牛肉輸入反対ろうそく集会(ろうそくデモ)
2009年 盧武鉉16代大統領逝去、金大中15代大統領逝去
2010年 延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件、海軍哨戒艇「天安」沈没事件
2011年 平昌(ピョンチャン)が2018年冬季五輪開催地に決定
18代 朴槿恵(パク・クネ)
在職期間:2013-2017(2016年12月9日より権限停止、2017年3月10日に罷免決定)
政治体制:第6共和国
主な社会の出来事:
2013年2月25日 就任
2014年 旅客船「セウォル号」沈没事故
2015年 光復70周年記念
2015年 MERS(マーズ、 中東呼吸器症候群)ウイルスの感染が拡大
2015年 3年半ぶり、日韓首脳会談
2016年 「崔順実ゲート」による退陣要求デモ
2016年 弾劾案可決
2017年3月10日 憲法裁判所の判決により罷免
19代 文在寅(ムン・ジェイン)
在職期間:2017-
政治体制:第6共和国
主な社会の出来事:
2017年5月10日 就任
韓国の大統領はどうやって選出される?
日本は議院内閣制で、そのトップである首相は国会での指名選挙によって選ばれますが、韓国では選挙権を持つ国民の直接選挙によって大統領が選ばれます。
国務総理の任命など行政府の長というだけでなく、軍の最高司令官としての地位を持つなど様々な権限が与えられている大統領。どのような手順を経て誕生するのか見ていきましょう。
選挙権と被選挙権(立候補)
大統領選挙の選挙権は、選挙日当日基準で満19歳以上の大韓民国国民に与えられ、満40歳以上の大韓民国国民(選挙日基準で国内に5年以上居住)に被選挙権があります。候補者は、政党からの候補の場合は所属政党の推薦、無所属候補は有権者からの一定数の推薦を必要としています。
選挙権:満19歳以上の大韓民国国民(選挙日当日基準)
被選挙権:満40歳以上の大韓民国国民(選挙日基準で国内に5年以上居住する者)
立候補の要件:
(政党から立候補)政党による推薦または公認を得た者
(無所属で立候補)5以上の広域自治体(道や市)のうち、5つの自治体でそれぞれ有権者500人以上から推薦を受けた者
選挙方式:国民による直接選挙
大統領選挙の流れ
20代からの選挙日程
19代大統領選挙から日程が変更になり、2022年の20代大統領選挙以降は下記の日程で行われます。
月 | 候補者 | 有権者 |
7月中旬頃 | 予備登録候補者登録 (240~24日前) |
不在者申告、在外選挙人登録申請 (60~50日前) |
9月~11月頃 | ・各政党内で予備選挙、候補者の決定 (日程は各党憲・党規によって異なるが、だいたい120日前) ・無所属候補者の出馬表明 |
各政党の予備選挙 モバイル投票 |
2月中旬頃 | 候補者登録 (24日前から2日間) |
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2月中旬~3月上旬 | 選挙運動 (候補者登録の締め切り日翌日から投票日までの23日間) |
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2月下旬 | 在外投票 (14日~9日前) |
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3月上旬 | 不在者投票 (5日前から2日間) |
3月9日 | 選挙日 大統領の任期満了70日前以降の第1水曜日 投票時間は6:00~18:00、即日開票。投票の結果、最多数票を得た者が当選。 |
5月 | 次期大統領が就任 |
18代までの選挙日程
※日にちは選挙日を基準にしています。
※2017年3月10日の18代大統領罷免決定を受け、2017年3月16日付けで、19代大統領選挙は下記とは異なる日程(2017年5月9日6:00~20:00)での実施となりました。
※19代大統領就任式は、下記とは異なる日程(2017年5月10日、当選後まもなくの就任)での実施となりました。
月 | 候補者 | 有権者 |
4月下旬頃 | 予備登録候補者登録 (240~24日前) |
不在者申告、在外選挙人登録申請 (60~50日前) |
7月~9月頃 | ・各政党内で予備選挙、候補者の決定 (日程は各党憲・党規によって異なるが、だいたい120日前) ・無所属候補者の出馬表明 |
各政党の予備選挙 モバイル投票 |
11月下旬頃 | 候補者登録 (24日前から2日間) |
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11月下旬~12月中旬 | 選挙運動 (候補者登録の締め切り日翌日から投票日までの23日間) |
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12月初旬~中旬 | 在外投票 (14日~9日前) |
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12月中旬 | 不在者投票 (6日前から2日間) |
12月中旬 | 選挙日 大統領の任期満了70日前以降の第1水曜日 投票時間は6:00~18:00、即日開票。投票の結果、最多数票を得た者が当選。 |
2月 | 次期大統領が就任 |
在外選挙制度
詳しい条件に関しては、在外選挙中央選挙管理委員会のホームページ(日本語)で確認できます。
2009年に公職選挙法が改正されたことにより在外選挙制度が定められ、韓国にいなくても韓国国籍保有者の大統領選挙及び国会議員総選挙での投票が可能になりました。
2017年の19代大統領選挙での在外選挙投票率は、75.3%に達しました。