デートは前もって計画を立てたり、頭の中で楽しい1日になるようにイメージしたりする時間も楽しいですよね。今回は彼と初めての海デートへ行くことになり、可愛いと言ってほしくて頑張った末に、とんでもない悲劇が起きたという智子さん(仮名・28歳)からお話を聞きました。

◆自分の体型に自信がない

自分の体型に自信がない
写真はイメージです。(以下同じ)
「2年前に当時付き合っていた彼氏と『夏になったら海に行こうね』と約束をしていました。私は海は好きなのですが自分の身体に自信がなく、海に行くまでに絶対に痩せたいと思ったんです。着やせする体型なので、普段は気にしていませんでしたが、『明るいところで水着になることを考えると、このままではまずい』と思ってダイエットを始めました」

 そう語ってくれた智子さんは、久々にできた彼氏によく思われたい一心だったそう。軽い運動や食事の見直し程度で痩せることには成功したそうですが、夏を目前にまた一つ悩みが…。

「痩せた分だけ胸がなくなってしまい、『このまま水着を着るのが恥ずかしい』と思うようになりました。どうしても万全の状態で海デートへ行きたかったので、少し値の張る水着用のパッドを購入してみました。今思うと、胸が大きい女性が好きな彼に幻滅されるのが怖かったんだと思います」

◆海で落としたまさかの物とは

海で落としたまさかの物とは
「彼と初めて行った海はとっても楽しかったです、前半までは…。砂浜でビーチボールをしたり、浮き輪で彼と浮いたりしながら海で2時間くらい楽しんで、休憩しようと海から上がってしばらくした時に、胸に違和感を感じたんです」

 智子さんは胸元を見て青ざめます。

「胸元に入れていたパッドが片方だけ入っていないことに気づいて、恥ずかしさでパニックになりました。彼にバレたくない一心で平然を装い、不自然に思われないよう、もう片方のパッドをそっと外しました。幸い、休憩中で水着の上にTシャツを着ていたので彼に何か言われることもなかったのですが、『一刻も早くパッドを見つけなきゃ! 胸を見ないで!』という思いでいっぱいでした」

 付き合い始めて間もなかったので、恥ずかしさが勝ってしまい彼にパッドがなくなったことを話すこともできず、焦ってしまったと智子さん。

◆パッドで遊ぶ子ども達を発見!

「そんな時、隣から聞こえてきた言葉に耳を疑いました。『ねえ、これなんだろうね? 埋めてみよー!』と、小学生くらいの子どもたちが、私のパッドを砂浜に埋めて遊んでいたんです。どうにかして取り返したいけれど、私の隣には彼がいるし、バレたくない。でもせっかく高いパッドを買ったし、このままだとTシャツが脱げない…と頭の中でぐるぐると葛藤しました」

 智子さんは、最初にパッドがなくなったことを彼に打ち明けていたら、子どもが砂浜に埋めていることを笑いながら彼に話せていたかもしれないと後悔したそうです。

◆「そんな胸なかった?」聞かれ打ち明ける

「そんな胸なかった?」聞かれ打ち明ける
「『そろそろ海行こうか~!』と彼に言われ、Tシャツを脱ぐしかなくなってしまいました。両方ともパッドを外した状態なので、不自然に胸が小さく見えたのか『そんなに胸なかった?』とすぐに指摘されてしまい、全てを言わざるを得ない状況に…。すると、彼はなんと大爆笑。私はかなり勇気を出して話したので、その対応になんとなくショックを受けました」

 結局彼に打ち明けた智子さん、その後パッドの行方はどうなったのでしょうか。

「彼は、隣にいた子どもたちのところに行って、『ごめんね、コレお兄ちゃんのだから返してくれる?』と優しく伝えてくれて、無事私の元にパッドが返ってきました。でもそのパッドを付けるのもなんだか恥ずかしく、その日はそのまま帰宅したんです。笑われたときはデリカシーがないと思いましたが、彼の優しさだったのかなともこの時はまだ感じていました」

◆ネタにされ続け幻滅

「海デートから1か月以上が経ち、彼を含めた友達数人と飲んだ時に、酔った勢いで彼が私のパッドをなくしたエピソードをみんなの前でネタにし始めたんです。あの時笑ったのは彼の優しさだと思っていたのですが、みんなの前でネタにされ、笑われたことでやっぱりデリカシーのない人なんだと幻滅してしまいました。結局そのあと彼とはお別れすることになってしまいました」

 次こそありのままの智子さん受け入れてくれる、素敵なパートナーを見つけられるといいですね。

―シリーズ「夏のトホホ」―

<文/鈴木風香 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>

【鈴木風香】

フリーライター・記者。ファッション・美容の専門学校を卒業後、アパレル企業にて勤務。息子2人の出産を経てライターとして活動を開始。ママ目線での情報をお届け。Instagram:@yuyz.mama