色には相性があります。組み合わせでイメージが変わります。では少女や春のイメージのある薄いピンクを秋のイメージに合う色にできる組み合わせは?大人っぽく見せる色はある?濃いピンクならどうなる?そんな疑問に答えつつ、普段着を中心にピンクのコーデを紹介します。

ピンクと相性の良い色を探す前に

一口にピンクと言っても色々ある

ピンクと聞くとどんな色を思い浮かべますか?サーモンピンクやローズピンク、和名で言えば薔薇色や薄桜、乙女色など淡い色から鮮やかな色まで、同じピンクでも全く雰囲気は異なります。それによって合う色も変わってくるのです。では、そのピンクの雰囲気は何で決まるのでしょうか?

色の三属性と言う言葉をご存知でしょうか?色を構成する3つの要素、彩度、明度、色相のことです。鮮やかな明るいピンク、暗く濁ったピンクという表現をする時、「鮮やか」「濁った」が彩度、「明るい」「暗く」が明度、そして「ピンク」が色相です。

ピンクに合う色を探す前に、まずこの色の三属性について説明します。そして、それを手掛かりにピンクと相性の良い色を探していきましょう。

色について知ろう~モノトーンは色?

無彩色と呼ばれる白、灰色、黒のいわゆるモノトーンは色の三属性のうち、色相と彩度を持たず、明度だけを持ちます。一番明度の高いのが白、一番低いのが黒、その間が灰色です。

一方、赤、青などの色は有彩色と呼ばれ、色の三属性全てを持ち、三属性の配合具合でその色の性質が決まります。一般的に私たちがファッションで色と言う時には、この有彩色と無彩色の両方を含めます。

色について知ろう~色相

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しきそう【色相】 色の三属性の一。有彩色の色を、他の色と区別するよりどころとなる特質。赤み・黄み・青みなど。色合い。 引用元:コトバンク~大辞林 第三版の解説

色相とは、赤、青、黄などの色の違いを指します。性質の似た色を虹のように段階的に配列して円にしたものを色相環と呼びます。この色相環の並びが近い色ほど似たもの同士で合いやすいと言われています。

一方、向かい合う色は色相差が一番大きく、引き立てあいます。これを補色と呼び、うまく使うとコーディネイトの良いアクセントになります。

色について知ろう~彩度

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さいど【彩度】 物体表面の色のあざやかさの度合。色の三属性の一。色の純度。飽和度。 引用元:引用元: コトバンク~大辞林 第三版の解説

彩度とは色の鮮やかさのことです。鮮やかに澄んだピンクは彩度が高く、濁りが感じられるものは彩度が低いピンクです。次に出てくる明度と共に色の雰囲気を決める大事な要素です。

色について知ろう~明度

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めいど【明度】 色の三属性の一。色のもつ明るさ暗さの度合。 引用元:引用元: コトバンク~大辞林 第三版の解説

明度とは、色の明るさのことです。無彩色も明度を持ちます。一番明るいのが白、暗いのが黒。有彩色で言えば、白っぽくなるほど明度が高くなり、黒っぽくなれば低くなります。絵の具に例えて白の混ざり具合が多いほど、明度は高くなると覚えてください。

彩度と明度で色の雰囲気が決まる

彩度と明度の割合によって、同じ色相の色でも雰囲気が変わります。この雰囲気の事を色調、トーンと呼びます。明度と彩度が同じ色は色相が違っても同じトーンに属します。たとえば、淡いベビーピンクと淡いベビーイエローは、同じトーンに属します。

PCCS(日本色研配色体系:Practical Color Co-ordinate System)では、明度と彩度を軸にしてトーンを体系化し、ビビッド、ブライト、ストロング、ディープ、ライト、ソフト、ダル、ダーク、ペール、ライトグレイッシュ、グレイッシュ、ダークグレイッシュの12に分類しています。

さて、この色の三属性とトーンを手掛かりに、いよいよ、あなたの持つピンクの服に合う色を探していきましょう。あなたのピンクには何色のどんな服が似合うのでしょうか。

色の組み合わせルールを元にピンクに合う色を探す

まとまり配色とメリハリ配色

配色の方法には、まとまり配色とメリハリ配色の二種類があります。まとまり配色とは読んで字のごとく、似た者同士をまとめて配色する方法です。一方メリハリ配色は、色の三属性やトーンが異なる色どうしを組み合わせてメリハリをつけるやり方です。

どちらにも短所長所があります。色々試して、あなたの好みに合うコーディネイトを見つけましょう。尚、一般的にバランス良く見える色の割合を下記の表に示します。コーディネイトの参考にしてください。では、それぞれの方法からピンクに合う色を探していきましょう。

バランスのとれた色の割合

ベースカラー 70%

サブカラー  25%

アクセントカラー 5%

※サブカラーとはベースカラーに合う色を指します

ピンクと仲の良い色を探す

まとまり配色のひとつの方法として先に紹介した色相環で近い位置にあるもの同志を組み合わせる仲良し配色があります。ピンクで言えば、赤や紫が隣の位置にいる仲良しさんです。こちらも参考にしてくださいね。

同じピンク同士は同じ色相に属しますから、一番仲良しで相性の良い色です。その場合はグラデーションなど濃淡で変化をつけましょう。全く同じ色では、どこかの芸人さんのようになってしまうので、ある程度のメリハリは必要です。

ピンクと対照的な色を探す

メリハリ配色とは、色相、明度、彩度の差をつけた色同士を選んで、アクセントにしたり、雰囲気を変えたりする配色です。色相でピンクと正反対の色、補色は緑です。補色をうまく使えば変化に富んだコーディネイトになります。

また、ごく薄いピンクに鮮やかなスカイブルーなど、色相、トーン共に大きく異なる色同士の組み合わせも新鮮な感覚を生み出すでしょう。

ただし対照的な色同士は組み合わせ方によっては下品になってしまいます。色の分量のバランスを整えたり、トーンを合わせるなど注意が必要です。

ピンクと同じトーンの色を探す

トーンを合わせる事も、まとまり配色のひとつの方法です。同じような春のトーンのピンクとベージュを組み合わせた装いなど春先にはほっこりするコーデです。グレイッシュなピンクのブラウスには黒よりグレーのスカートの方が上品に見えます。

通常補色は反発しあうので、鮮やかな物同士はアクセントとして使う以外は避けた方が無難です。しかし薄いピンクと薄いグリーンのようにトーンを合わせるとまとまり配色となり、可愛い感じになります。

困った時の白と黒

白と黒は、色相、彩度を持たず、明るいか暗いかの明度の両端にある色です。色味がないので、基本的にどの色にも合います。困った時のモノトーン頼みと言われ、コーデに欠かせない色です。

白も黒もどんなピンクとも基本的には相性が良い色ですが、明度が大きく異なるので同じピンクでも合わせるのが白か黒かで印象が大きく変わります。

グレーは基本的にピンクに合う色です。しかし、明度によってはぼけた印象を与える事もあります。そういう場合アクセントカラーを入れるなど一工夫してください。

濃いピンクと薄いピンク、合う色が違う?

濃いピンクとは?

ビビッドピンク、ローズピンク、サーモンピンクなど明度が低い=黒に近いと濃いピンクになります。濃いピンクでも、彩度が高いとビビッドピンクのように鮮やかなピンクになり、彩度が低いと濁ったピンクになります。

濃いピンクに合う色は?

濃いピンクは、黒に近い分主張の強い色です。同じ明度の低い黒を合わせると豪華で落ち着いた感じに、明度の高い白を合わせると軽やかで華やいだ感じを演出できます。

ブルージーンズなどのデニムを合わせる場合は、濃いブルーを合わせると秋冬っぽい落ち着いたコーディネイトになります、反対に薄いブルーを合わせると軽みが出ます。

薄いピンクとは?

薄いピンクには、可愛いパステルピンク、温かみのある可愛いベビーピンク、ベージュピンクなど澄んだものからやや濁りを感じるものまであります。少女や赤ちゃんを感じさせる優しい色です。

薄いピンクに合う色は?

白に近い薄いピンクは白と同じようにどんな色にも合わせることができます。白や薄い青、ベージュやライトグレーなど明度の高い色を合わせると少女っぽくなります。大人っぽさを演出するには明度の低い黒っぽい濃い色を合わせます。

グレーは濃いピンクより薄いピンクの方が清楚な感じが出ます。濃い紫色は濃いピンクに合わせると下品になる場合があります。濃い紫は薄いピンクの方が相性の良い色です。薄紫は濃い薄いどちらのピンクでも大丈夫です。

注意しないといけないのは、同じ明度の高い白っぽい色を合わせると雪だるまのようにぼけてしまいがちなことです。そういう場合はどこか一か所差し色でアクセントをつけて締めましょう。

スモーキーなピンクに合う色

やや濁りを感じさせるスモーキーピンクは彩度が低く、落ち着いた印象を与えます。落ちついた雰囲気のスモーキーピンクにはグレーが良く似合います。またベージュや茶色、温かみのある黄色、紺色なども意外と合います。合わせる色のトーンによって春らしくも秋らしくもなるピンクです。

ビビッドなピンクに合う色

鮮やかなビビッドピンクは彩度が高く、エネルギッシュなパワーと動きを感じさせます。ですから、ビビッドなピンクには、はっきりした黒や白が似合います。黒の場合は、かちっと決まった感じが、白の場合は爽やかな元気さを演出できます。

逆に茶系やグレーはビビッドピンクのエネルギーに負けてしまいがちです。合わせたい場合は極端に明度の低い黒に近いこげ茶やダークグレーもしくは明度の高い白に近い薄茶やグレーを選び、色の分量バランスに注意しましょう。

秋冬に合うピンクの組み合わせ10選

ピンクは春だけの色じゃない

ピンクと言うと、桜や桃が思い浮かぶせいか、柔らかく暖かい春っぽいイメージを持つ方が多いでしょう。しかし、くすんだ濃いピンクは秋の落ちついた上品な雰囲気も感じさせます。

ここでは、筆者が独断で選んだ秋冬向けのピンクコーディネイトをご紹介します。組み合わせによっては春色のピンクも充分秋冬に通用することが理解いただけるでしょう。

1.黒でピンクを引き立てる

濃い鮮やかなピンクのスカートにそれ以外は靴バッグ時計の小物に至るまで全て黒で統一しています。そうすることでピンクの生命力が引き立てられ、力強さが出て、燃える秋にふさわしいコーディネイトになりました。

2.スモーキーピンクの落ち着きを黒で強調

淡いスモーキーピンクは、合わせる色によって、可愛らしくなったりしっとり落ちついたりどちらにでも変化する色です。インナーを黒で統一することですっきり引き締まり、スモーキーの持つ落ち着きが協調されています。

3.ピンクに黒コートで大人のおしゃれ

鮮やかなピンクのタイトスカートに白黒ボーダーのカットソー、黒の細身のコートを合わせて大人の雰囲気に仕上げました。ボーダーの白黒とネックレスの重ねづけが全体的な色のバランスを整えています。

4.ピンクとベージュも濁りトーンで秋色に

薄いピンクとベージュの組み合わせはどちらかと言うと春らしさを感じさせる組み合わせです。しかし、彩度を下げることで、色に濁りが生じ、秋の雰囲気が出ます。

5.暗いピンクは秋にお似合い

同じピンクでも暗めの色は秋の落ち着きを感じさせます。ブラックジーンズを合わせることで、女っぽさも出ているコーディネイトです。

6.補色の組み合わせも暖かそう

ピンクと緑の組み合わせも、スモーキーなトーンを合わせることで暖かそうな秋のコーディネイトになりました。全体にもう少し薄い色になれば春のコーディネイトになります。

7.春色もコートの色を濃くして秋冬色に

ピンクと白の春の雰囲気漂う色の組み合わせも濃いグレーのコートを合わせると一気に冬にふさわしい装いになりました。ダークグレーのタイツも効いています。

8.濃いピンクと黒の強烈さをブルーグレーで緩和

濃いピンクと黒という下品になりかねないトーンの組み合わせをブルーグレーのコートの優しさで包んで、冬の雪景色に似合いそうな上品なコーディネイトになりました。

9.雪うさぎを思い出させるコーディネイト

軽やかになりがちな白もふわふわのファーコートで雪うさぎのように可愛らしいコーディネイトになりました。濃いピンクのスカートが良いアクセントになり、黒のタイツと靴がより暖かさを感じさせます。

10.白黒モノトーンとピンクスカート

黒のハイネックに白の透け感あるニットを組み合わせて暖かそうな秋のコーデになっています。スカートのピンクと他の色のバランスも良い感じにまとまっています。

ピンクを差し色にするコーディネイトも素敵ですね。この秋冬コーデの参考にしてください。

ピンクに合う黒コーデ5選

ピンクも黒で大人っぽさを演出!

ピンク、特に薄いピンクは小さな赤ちゃんを彷彿させる優しく可愛らしい色です。ともすれば甘く子供っぽくなりがちな色味ですが、明度の低い黒を組み合わせることで大人っぽく見せることができます。黒とピンクのコーディネイトをご覧ください。

1.濃いピンクに黒を合わせて大人の雰囲気

黒のカットソーに、タイツと靴も黒にすることで、上下の統一感が取れ、真ん中のピンクのスカートがとても引き立っています。下がサンダルだとまた雰囲気が異なってくるでしょう。

2.薄いピンクも黒で大人へ

可愛らしくなりがちな薄いピンクのスカートも黒の7分袖Tシャツを合わせることで甘さを抑え子供っぽさをなくしました。ブーツに少しだけ残った少女っぽさがキュートです。

3.夏の黒は分量を少なく

夏の薄いピンクのスカートに黒を合わせるなら、黒の分量を少なくすると暑苦しさを押さえつつ大人のピンクコーデができます。バッグも白っぽいものにして夏を演出しましょう。

4.濃いピンクスカートに黒で落ち着きを

たっぷりした濃いピンクのフレアスカートに黒を合わせて落ち着きを演出しています。スカートのボリュームが大きいので黒の分量を足すために持ったかごバッグとサンダルの黒も効いています。

5.黒とピンクのバランスをバッグで調整

上と同じようなスカートですが、上着と靴の分、黒の分量が増えています。バッグが黒なら重く感じ、晩秋向けのコーデとなりますが、白のため秋口のコーディネイトになっています。