海・山・川・湖の自然がすぐそばにある白老町は、豊かな食材に恵まれた町。古くからアイヌの集落があったことから、アイヌの伝統食も家庭料理のひとつとして受け継がれています。そんな白老町にはぜひ立ち寄りたいランチスポットがいっぱい。ブランド牛を堪能する豪華グルメから地元で愛される穴場ランチ、アイヌの伝統料理まで、個性豊かなお店をご紹介します。
トップ写真提供:(公財)アイヌ民族文化財団
1 ファームレストラン ウエムラ・ビヨンド
牧場直営レストランでブランド和牛の醍醐味を堪能
ブランド和牛として知られる「白老牛」の繫殖から肥育までを一貫して行う「和牛王国ウエムラ牧場」直営のレストラン。ウエムラ牧場で生産される白老牛「上村和牛」のステーキやハンバーグなどが楽しめます。広々とした牧場をよく歩き、のびのび育った上村和牛は、奥行きのある旨みが凝縮した赤身と、まろやかな甘みをたたえた脂のバランスが秀逸。ロースの中で最もお尻に近く、きめ細やかで柔らかい肉質のサーロインステーキは、上村和牛の魅力をダイレクトに味わえる一品です。
心癒す風景と美味を味わう贅沢なひととき
料理は前菜・スープ・メインとコース仕立てで提供されますが、大きな窓の向こうに広がる緑の森が心を和ませ、肩ひじ張らずにくつろいで食事を楽しめます。店内にはオーナーが愛する映画「ハリー・ポッター」をイメージした装飾が施され、落ち着いた雰囲気の中にも遊び心がチラリとのぞきます。ハリー・ポッターにちなんだクイズや絵本の貸し出しもあり、料理を待つ間も飽きさせることがありません。ランチタイムは混み合うので、予約してから行くのがおすすめです。
ご当地サポーターコメント
落ち着いた雰囲気と上質なもてなしが感じられる空間は、大人のカップルやご夫婦にもぴったり。お隣にはシュークリームがおいしいカフェ「Mother’s+(マザーズプラス)」があるので、食後に立ち寄るのもおすすめです。
ファームレストラン「ウエムラ・ビヨンド」
北海道白老郡白老町字社台289-8
JR白老駅から車で約4分
11:00〜20:00(L.O.19:30)
定休日:年末年始
0144-84-3386
Ⓟ:無料
2 カフェ リㇺセ
アイヌの伝統的な食事を気軽に味わえる
白老町内の社会福祉法人が運営するカフェで、「ウポポイ(民族共生象徴空間)」の「歓迎の広場」にあります。鮭と野菜を煮込んで塩で味付けした汁物料理「オハウ」をはじめ、エゾシカ肉を使った「ユㇰカツカレー」、「鮭といくらの親子丼」など、アイヌ文化にゆかりの深い食材を使ったメニューがラインナップ。ジャガイモを凍らせて作るお団子「ペネイモ」、ヒエと米麹で作る「ピヤパの甘酒」、道内の酒蔵が復刻醸造した伝統酒「カムイトノト」など、他では味わえないスイーツやドリンクも見逃せません。
地元の人々のつながりが宿るあたたかな空間
「リㇺセ」は「踊り」を意味するアイヌ語です。店内に飾られているアイヌ文様刺繍のパッチワークは、白老町内の「みんなの心つなげる『巨大パッチワーク』の会」が制作したもの。互いの違いを認め合い、共に生きる人々の輪が広がることへの願いが込められています。「カフェ リㇺセ」では、地場産品やハンドメイド雑貨なども販売しています。ウポポイを観覧する前の腹ごしらえや広い園内を回った後の休憩がてら、お土産を探すのもおすすめです。
ご当地サポーターコメント
木がふんだんに使われた店内はあたたかな雰囲気。お店の前には大きなテーブルやベンチもあり、ドリンクや軽食をテイクアウトして楽しめます。
カフェ リㇺセ
北海道白老郡白老町若草町2丁目2-1「ウポポイ」歓迎の広場
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JR白老駅から徒歩約10分
9:00〜「ウポポイ」閉園時間
定休日:月曜(祝日の場合は翌日休み)、年末年始
0144-85-2177
Ⓟ:有料
3 焚火ダイニングカフェ・ハルランナ
アイヌ文化のエッセンスが香る創作ダイニング
「ウポポイ(民族共生象徴空間)」のエントランスエリアにある、アイヌの食文化をモチーフにしたレストラン。ミシュラン1つ星を獲得したことのあるフランス料理店のシェフの監修により、焚火で燻すという伝統的な調理法と、アイヌの人々にとって身近な木の実や野草などを取り入れた創作料理が味わえます。ユㇰ(蝦夷鹿)はカムイチェㇷ゚(鮭)とともにアイヌ民族の主食であり、低脂肪でミネラルが豊富です。「ユㇰ(蝦夷鹿)の焚火ロースト」は臭みがなくしっとり柔らかで、赤身の力強い旨みとスモークの香りが印象的。スープやパンとともにコース仕立てで提供されます。
木のぬくもりに包まれ、食の楽しみを分かち合うひととき
店内には囲炉裏で使われる薪が積まれ、木がふんだんに使われた内装、壁を彩る木彫レリーフがぬくもりを感じさせます。全面ガラスの向こうにはポロト湖畔のおだやかな風景が広がり、天気の良い日はテラス席で開放感いっぱいのひとときを楽しめます。ランチコースの他、軽食やスイーツ、アルコール類も揃っているので、利用シーンは多彩です。店名の「ハルランナ」とは、カムイ(神)と人間がともに楽しむ行事のこと。食の楽しみを分かち合うひとときにふさわしい店名といえるでしょう。
ご当地サポーターコメント
ランチコースはもちろん、アイヌの伝統的な食文化が香るスイーツやオリジナルドリンクなど、気軽に楽しめるカフェメニューも充実しています。
焚火ダイニングカフェ・ハルランナ
北海道白老郡白老町若草町2丁目2-5 「ウポポイ」エントランス棟
JR白老駅から徒歩約10分
11:00〜15:00(当面の間)
定休日:月曜(祝日の場合は翌日以降の平日休み)、年末年始
0144-84-6545
Ⓟ:有料
4 地域食堂 グランマ
おばあちゃんが作るアットホームな料理の数々
元気なおばあちゃんたちが腕を振るうアットホームな食堂。地元で採れる山菜や季節の食材を使った家庭料理を提供しています。「グランマセット」は、ベテランスタッフ「ツマちゃん」が毎日献立を考える日替わり定食。メインはもちろん小鉢の一つひとつも手間を惜しまず、滋味あふれるおいしさにおなかも心も大満足です。
他にも、見た目もおしゃれな「チキンと野菜の薬膳マサラカレー」、ホッケのフライを挟んだ「特製ホッケドッグ」などメニューも豊富。店内ではグランマ特製のおやきや野草茶、ハンドメイド雑貨などのお土産品も販売しています。
世代もバックグラウンドも問わず人々が集うオープンな空間
厨房スタッフの平均年齢は80代前半。時には物忘れや間違いもありますが、それも笑い飛ばせる明るさが「グランマ」の魅力です。その大らかな雰囲気に惹かれてか、下は小学5年生から上は80代までの老若男女がワイワイ働き、ともに過ごす時間を楽しんでいます。
店舗2階はシェアオフィスになっており、町内のゲストハウスに長期滞在しながらリモートワークで働き、「グランマ」で栄養補給する旅行者もいるそう。世代もバックグラウンドも超えて誰もが自由に交流し、笑い声が絶えない空間は、思わず「ただいま」と言いたくなるぬくもりにあふれています。
ご当地サポーターコメント
「本日の平均年齢81歳」「血圧良好」といったユーモアたっぷりのPOPにご注目。暴風雨や路面凍結の日にはおばあちゃんたちの安全に配慮してお休みになることもあるのでご注意を。白老町のあたたかさや地元感をぜひ感じてみてください。
地域食堂 グランマ
北海道白老郡白老町大町3丁目1-2
JR白老駅から徒歩約5分
11:00〜15:00(月曜のみ11:00〜15:00、17:00〜21:00)
定休日:水・日曜
0144-85-2870
Ⓟ:無料(店舗向かい10台)
5 ファームレストラン「ウエムラ・ベース」
こだわりの「白老牛」をカジュアルにほおばる
ブランド和牛「白老牛」の繫殖から肥育までを行う「和牛王国ウエムラ牧場」で生産される「上村和牛」をカジュアルに楽しめる牧場併設レストラン。ハンバーガーのテイクアウトをメインに、イートインではハンバーガーセットとカレーを提供しています。「白老牛キングスラクレットチーズバーガー」は、肉をシンプルに楽しむことにこだわったパテに、濃厚なラクレットチーズをとろりとトッピングした人気No.1のハンバーガー。粗挽き肉を使用したパテの力強い肉感とコクのある自家製デミグラスソース、クリーミーなチーズが一体となった、食べ応え満点のおいしさです。
元気な牛たちが命をいただく意味を教えてくれる
「和牛王国ウエムラ牧場」がある白老町石山地区は、市街地から離れた山の中。レストランのそばにある牧場では、牛たちがのんびりと草を食べ、のびのびと歩き回っています。手塩にかけて育てられている牛たちを間近に感じられるこの環境が、大切な命をいただくありがたさを実感させてくれます。レストラン横にあるフリーデッキスペースにはベンチやハンモックもあり、雄大な自然を眺めながらハンバーガーを豪快にほおばる満足感はひとしおです。
ご当地サポーターコメント
山を切り拓いて作ったという牧場の壮大なロケーションに目が奪われます。車やスマートフォンのナビだと悪路を走行する可能性があるため、公道沿いの案内看板を目印にお出かけください。
ファームレストラン「ウエムラ・ベース」
北海道白老郡白老町石山109-20
JR白老駅から車で約11分
11:00〜17:00(イートインは15:00まで)
不定休(営業日は要問い合わせ)
0144-83-4929
Ⓟ:無料
6 かふぇ ピラサレ
アイヌの伝統食「オハウ」を味わえる穴場カフェ
一般社団法人 白老アイヌ協会が運営するアイヌ文化発信カフェ。11:00からのランチタイムには、アイヌの伝統食「オハウ」を提供しています。オハウは土地ごとに手に入る動物の肉や魚、山菜などを入れて塩や脂で味付けした汁物。ピラサレでは白老産の鮭を使い、山菜ではなくジャガイモやニンジンなどの根菜類を入れて、現代人の口に合うよう仕上げています。鮭のほどよい塩味、あっさりとした昆布だしの滋味豊かな味わいが香ばしいイナキビご飯によく合い、箸が進みます。
アイヌの手仕事を肌で感じるしつらえの数々
店内にはアイヌ民族の衣装やゴザが飾られているほか、白老町内のアイヌ刺繍サークルの方々による刺繍小物や木彫工芸作品などが展示・販売されています。スタッフの中にも刺繍を手がけている方がいるので、混んでいない時に声をかけるとアイヌ文様などについて教えてくれます。アイヌ語で「広げよう」という意味の「ピラサレ」。アイヌの人々に受け継がれてきた母の味とともに、生活に根ざした手仕事の伝統も広く発信していこうという思いが込められています。
ご当地サポーターコメント
「ピラサレ」は白老町コミュニティセンターの中にあり、本格的なオハウをリーズナブルに楽しめる穴場スポットです。
かふぇ ピラサレ
北海道白老郡白老町本町1丁目1-1 白老町コミュニティセンター1階
JR白老駅から徒歩約8分
10:00〜13:30
定休日:月曜、土・日曜・祝日
090-1384-0141
Ⓟ:無料
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記事公開:2022/08/25
提供・星野リゾート みちくさガイド
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