北海道室蘭市。近隣にある苫小牧市などと並んで、明治以降、現在の新日鉄住金に代表されるような北海道有数の工業の街として発展してきた都市ですが、外海に面している絵鞆半島の太平洋側では、そうした工業都市の一面からは全くかけ離れた、実に変化に富んだ見事な海岸線の景色が続きます。今回は、そんな室蘭の街で感動の絶景に出会うことの出来る地球岬への旅をご案内いたします。

地球岬について

水平線が丸く見える!?北海道・地球岬で感じる太平洋の絶景
(画像=てっぴい トリップノートより引用)

地球岬は、絵鞆半島の南端に位置する岬です。高さ147.5mのトコロにある展望台から太平洋の絶景を一望出来るビュースポットで、昭和60年(1985年)に朝日新聞主催の「北海道の自然100選」で見事第1位に選ばれたことから、一躍有名な観光名所となりました。

また、このほか昭和61年(1986年)の北海道郵政局による「あなたが選ぶ北海道景勝地」でも第1位、さらに昭和62年(1987年)に選定された読売新聞主催の「新日本観光地100選」ヤングカップル部門でも第1位に選ばれた北海道を代表する景勝地です。

近年では、平成24年(2012年)に同じ市内にあるハルカラモイ、増市浜、トッカリショ浜などの海岸線とあわせて「絵鞆半島外海岸」として、国の名勝「ピリカノカ」にも指定されました。ちなみに、「ピリカノカ」とはアイヌ語で「美しい・形」を指す言葉で、「絵鞆半島外海岸」の他にも名寄市にある九度山やえりも町に位置する襟裳岬など、アイヌ語の地名や伝承が強く残る風光明媚な景勝地群から構成されています。

このほか地球岬は室蘭港の夜景、測量山の展望などと並んで「室蘭八景」の1つにも選ばれています。

なぜ“地球”岬という名前なの?

札幌や小樽など、北海道にはアイヌ語を語源とする地名が数多く残されていますが、こちらの地球岬も地名の由来はアイヌ語が語源。「ポロ・チケップ」(=親である断崖)という意味のアイヌ語が訛って、「チキウ」→「地球」という漢字があてがわれたと言われています。

地球岬展望台から眺める太平洋の絶景!

水平線が丸く見える!?北海道・地球岬で感じる太平洋の絶景
(画像=てっぴい トリップノートより引用)

JR室蘭本線の母恋駅から真っ直ぐのびる道をおよそ3kmほど進み、最後坂道を一気に駆け上がると地球岬展望台へと到着です。地球岬展望台より見た景色が上の写真。目の前いっぱいに広がる太平洋の景色が特に印象的で、地球岬という名前の通り、思わず水平線が丸く感じられる程に迫力ある感動の絶景を楽しむことが出来ます。

また、遥かなる太平洋の向こうに見えるのは、同じ北海道の渡島半島や恵山岬など。空気の澄んだ良く晴れた日には、なんと遠く下北半島まで見渡すことが出来るんだとか。

手前にあるのは大正9年(1920年)よりこの地を照らして来た「チキウ岬灯台」です。通常は立入禁止となっているこちらのチキウ岬灯台ですが、平成10年(1998年)には「日本の灯台50選」にも選ばれています。

地球岬展望台から振り返る室蘭市街地・測量山方面の景色もおススメ!

水平線が丸く見える!?北海道・地球岬で感じる太平洋の絶景
(画像=てっぴい トリップノートより引用)

展望台より真正面に広がる“海”の絶景に思わず気を取られがちですが、ふと振り返って今度は室蘭市街地、測量山の方向に目をやると、こちらも絵鞆半島の外海岸に続く断崖絶壁の海岸線の様子を良く確認することが出来、素晴らしい絶景が広がります。

駐車場側に見える室蘭市街地の景色も、内浦湾沿いに広がる工業地帯の様子や湾や山が入り組む複雑な絵鞆半島の地形を望むことが出来ますので、おススメです。