5.すぐに動物病院へ行くべき7つの吐き方

犬が吐く理由は?犬の嘔吐の原因や対処法、子犬の嘔吐について獣医師が解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

吐く原因で最も多いのは食べすぎによる急性胃炎ですが、嘔吐にはさまざまな病気が関連しており、消化器以外の病気という可能性もあります。
一過性のもので、繰り返さなければ心配ありませんが、少しでも気になるサインが見られたら、すぐ獣医師に相談しましょう。

  • 吐き方1.一過性の嘔吐だが、大好物のおやつでさえ食べない時
  • 吐き方2.繰り返し吐く
  • 吐き方3.腹痛を伴う
  • 吐き方4.嘔吐物に血が混じっている
  • 吐き方5.嘔吐物に異物が混じっている
  • 吐き方6.嘔吐物が便の臭いがする
  • 吐き方7.下痢、発熱、痙攣など、ほかの症状を伴う

吐き方1.一過性の嘔吐だが、大好物のおやつでさえ食べない時

吐いた後、食欲がない場合はすぐ動物病院に連れて行きましょう。重篤な病気が起因している可能性があります。

吐き方2.繰り返し吐く

一度吐いただけで元気な場合は、半日~1日絶食・絶飲して様子を見てください。しかし、繰り返し吐く場合は消化器の病気、異物の誤食、毒物による中毒、ウイルス性感染症などの疑いがあります。

吐き方3.腹痛を伴う

苦しそうに背中を丸めてうずくまっている時、指でお腹を押さえると腹筋に力を入れて固くする時は腹痛の可能性があります。

吐き方4.嘔吐物に血が混じっている

少量の血が混じっている場合は腫瘍の疑いがあります。重い潰瘍や腫瘍では、出血で嘔吐物がコーヒー色になることもあります。

吐き方5.嘔吐物に異物が混じっている

おもちゃの破片や植物など、食事以外の異物が混入している場合はすぐ動物病院に連れて行きましょう。

吐き方6.嘔吐物が便の臭いがする

嘔吐物に便臭がする場合は、腸閉塞を起こしている疑いがあります。

吐き方7.下痢、発熱、痙攣など、ほかの症状を伴う

下痢、発熱、ぐったりして動かないようなショック状態など、嘔吐以外にも激しい症状を伴う場合は、極めて緊急性が高いです。

注意! 食道にトラブルを抱える場合の「吐出としゅつ」とは

犬が吐く場合、そのほとんどは胃や小腸の内容物を戻す「嘔吐」ですが、なかには食道などに問題があり、食べたものが胃に到達する前に吐き出してしまうことがあります。
これを嘔吐と区別して「吐出」と呼んでいます。
こうした吐出を食事のたびに繰り返す場合は、食べたものが食道を通過できない原因(食道拡張症、腫瘍、異物など)があると考えられますので、動物病院で受診しましょう。

6.吐く原因となる7つの病気

犬が吐く理由は?犬の嘔吐の原因や対処法、子犬の嘔吐について獣医師が解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

由来する病気によっては吐く以外にもさまざまな症状を伴います。嘔吐以外の症状にも注意することが必要です。

  • 1つ目.食事の問題
  • 2つ目.胃内のトラブル
  • 3つ目.小腸のトラブル
  • 4つ目.腹腔内のトラブル
  • 5つ目.代謝性疾患
  • 6つ目.薬物や中毒性物質
  • 7つ目.ウイルス性感染症

1つ目.食事の問題

急いで食べた、食事内容を急に変えた、異物を食べたなど。

嘔吐物に混じる血液や異物に注意

2つ目.胃内のトラブル

胃炎、胃潰瘍、腫瘍、幽門部の狭窄、胃捻転、誤飲による異物など。

嘔吐物に混じる血液や異物に注意

3つ目.小腸のトラブル

慢性腸炎、腸捻転、誤飲による異物、寄生虫など。

異物による腸閉塞が起これば緊急手術

4つ目.腹腔内のトラブル

すい炎、腹膜炎、腫瘍など。

急性膵炎や腫瘍、異物による腸穿孔からの腹膜炎は緊急事態です

5つ目.代謝性疾患

腎不全、肝不全、糖尿病、副腎皮質機能低下症など、代謝性疾患に伴うもの。

「水をたくさん飲む」などの特徴的な症状も

6つ目.薬物や中毒性物質

農薬・殺虫剤・殺鼠剤などの薬物、ネギ類・チョコレート・毒性のある植物などの犬にとっての中毒性物質を口にしたことによるもの。ナメクジ駆除剤(ナメトール・ナメキール)によって痙攣に至ったケースが多く要注意。

中毒物質によっては「痙攣」などの神経症状も

7つ目.ウイルス性感染症

犬パルボウイルス感染症、犬コロナウイルス性腸炎(※)などの感染症によるもの。

「発熱」や「下痢」を伴うことが多く子犬はとくに要注意!
※新型コロナウイルス感染症とは異なります。

7.まとめ

おやつの与えすぎによる「すい炎」が多いため注意が必要です。
食べすぎが続けば当然肥満になり、臓器や関節に大きな負担がかかるでしょう。3kgのチワワに唐揚げ1個を与えるのは、60kgの人間が唐揚げ20個を食べるのに相当します。くれぐれもおやつの与えすぎに注意してください。

また、症状の重さを判断する際、好物を食べるかどうかは大切なポイントです。病院では緊張して食べないことが多いので、ご自宅で試みてください。


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

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