「上田城」は長野県上田市にある城郭跡です。天守は現存していませんが、櫓や鉄道跡など城の周辺には見どころが豊富で、近隣には温泉などもあることから信州の観光スポットとして知名度を上げています。
上田城とは
上田城は長野県上田市にある城郭で、現在は天守は残っていないものの、そもそも天守が存在していたかどうかも定かではなく謎となっています。天守が無いながらも、堀跡の遊歩道や櫓門など豊富な見どころが評価され、県内外からたくさんの観光客が訪れています。
上田城の歴史
はじまりは1583年、真田幸村の父親である真田昌幸(さなだまさゆき)によって築城されました。その後は仙石氏、松平氏と城主が移り変わり現在に至ります。現存している西櫓は1620年台に建造されたもので、歴史ある貴重な櫓となっています。
上田城の立地
築城のすぐ後に2度の戦がありましたが、どちらも敵勢であった徳川を退け防衛に成功しているという防御力に優れた城です。その防御力の理由はなんといっても立地。平城でありながら堀が巨大で、湿地帯にも面していたと言われています。
上田城の見どころ
北櫓・南櫓・東虎口櫓門
上田城の正面入口にあたるのがこちらの東虎口櫓門です。この門は細田守監督の 映画『サマーウォーズ』 のヒロインの実家のモデルにもなっており、城好きでなくても映画を見たことがある人ならおおっとなるスポットです。北櫓・南櫓には登ることができ、昔の迎撃施設などの見学とともに目下に広がる上田盆地を一望することができます。
西櫓
上田城敷地内に現存している建造物の中で最も古いのが西櫓です。仙石氏によって400年近く前に建てられたとされており、文化財としても貴重な代物です。すぐ下に広がる尼ヶ淵から西櫓を見ると、かなりの急崖となていることを実感できるので、時間のある方はそちらにも足を運んでみてください。
眞田神社
東虎口櫓門をくぐった正面にあるのが眞田神社(さなだ-)です。過去の城主を御祭神としており、境内は城跡の見学者で賑わっています。小さい神社ではありますが、おみくじや絵馬・御守りなどはかなり充実しており、歴史ファンからの評価も高い神社です。
また、御本殿参拝とともに見ていただきたいのが境内にある「真田井戸」です。事実は不明ですが、城外に通じる抜け穴として機能していたという伝承が残っており、実際に井戸の直径は2メートル、深さは16.5メートルとかなり大きなものになっています。
ケヤキ並木遊歩道
かつての堀跡は現在遊歩道となっており、四季折々の光景を垣間見ることができます。景観とともに、城郭の堀跡を歩くという少し変わった体験ができますので、こちらも時間のある方にはぜひオススメしたいスポットです。
また、堀が廃止されてから遊歩道になるまでの間、ここには電車が走っていました。その電車というのは、現在上田駅から別所温泉駅までを運行している上田電鉄の前身鉄道で、名前を上田交通 真田傍陽(さなだそえひ)線と言います。遊歩道には当時のプラットホーム跡なども残っており、歴史の移り変わりを感じられます。