外に出れば当たり前のように食べる物が手に入る現代。でもそのひとつひとつは、太陽や雨の恵み、そしていくつもの人の手が加えられてようやく私たちの口に入ります。長野県の青木村の山の中に、丹精込めて育てられた地元野菜がいただける和風料理屋さんがありました。食材はほぼ青木村のものを使用していて、どれも中身のぎゅっと詰まったフレッシュなものばかり。それはただ美味しいだけでなく、自然界の循環をも感じられる、とてもステキなお店です。

豊かな森に囲まれた青木村

鳥のさえずりを聴きながら季節の野菜を堪能できる、長野県・青木村の和風創作料理「御食事処 恵」
(画像=写真:まきまき、『トリップノート』より引用)

長野県の北東部、自然豊かな青木村は、東京駅から新幹線とバスを乗り継ぎ約2時間半、車でアクセスした場合には都内近郊から約4時間ほどで到着します。周りは青木三山と言って、夫神岳、子檀嶺岳、十観山の三つの山に囲まれています。

観光は主に温泉やトレッキング、それから名所は国宝大法寺三重塔や縁結びの恋渡(こいど)神社などがあるようですが、全国的に名の知れた大きなスポットは特になく、澄んだ空気と素朴で豊かな自然そのものが、何より一番の魅力です。

四季折々の景色や食べ物、風の感触や鳥のさえずりなど、都会では決して味わうことのできない贅沢さがここにはあります。贅沢といっても何か特別なものを得るのではなく、すでにある世界の美しさに気付けるというのでしょうか。自然の中では五感が研ぎ澄まされると言われることがありますが、それは人間本来の感性に、ただ戻っているだけなのかもしれません。

鳥のさえずりを聴きながら季節の野菜を堪能できる、長野県・青木村の和風創作料理「御食事処 恵」
(画像=写真:まきまき、青木村のマスコットキャラクター、アオキノコ、『トリップノート』より引用)

名産は蕎麦とキノコで、村のマスコットキャラクターには「アオキノコ」という名前が付けられています。秋には美味しい松茸も採れるそうで、「道の駅あおき」では地元産の松茸のお吸い物がいただける、松茸豊作祭りが開催されます。山の幸が豊富な青木村ならではのイベントですね。

地元野菜を使った創作料理が楽しめる「御食事処 恵」

都会から田舎へ移り住んだステキなご夫婦

鳥のさえずりを聴きながら季節の野菜を堪能できる、長野県・青木村の和風創作料理「御食事処 恵」
(画像=写真:まきまき、『トリップノート』より引用)

田舎暮らしをしたいと憧れることはあっても、実際に住むとなったらイメージとはかなり違う生活が待っていそうです。でもそんな中で地元の方々と力を合わせながら、イキイキと過ごしていらっしゃるご夫婦がこの青木村にいらっしゃいました。

お二人は神奈川県の相模原市から、ご主人の定年退職を機に青木村に移り住み、それまで多忙に過ごしていた生活から一変して、自然と共存する田舎暮らしが始まりました。

そして築百数十年が経っていた古民家を改装し、そこで季節の美味しい野菜がいただける日本料理屋、「御食事処 恵」を始めました。最初は田舎でのんびりするつもりいたそうですが、今や休む暇がないくらいの忙しさです。

築140年の古き良き建物

鳥のさえずりを聴きながら季節の野菜を堪能できる、長野県・青木村の和風創作料理「御食事処 恵」
(画像=写真:まきまき、『トリップノート』より引用)
鳥のさえずりを聴きながら季節の野菜を堪能できる、長野県・青木村の和風創作料理「御食事処 恵」
(画像=写真:まきまき、『トリップノート』より引用)

上田平が一望できる築140年のこの建物は、以前は別の場所で別の方が所有していたそうですが、これから暮らす家を探しているそのとき、絶妙なタイミングで取り壊しになる寸前の古民家と出会いました。

そして持ち主の方から譲り受けた後、現在の青木村の高台まで家を移動させたそうです。古き良きものが受け継がれた瞬間ですね。柱などはすでに100年以上の歴史を持つ古いものでしたが、これらの素材はあと100年は持つと専門の大工さんに言われたくらい、断面は今切ったかのようにきれいなまま残っていたそうです。

鳥のさえずりを聴きながら季節の野菜を堪能できる、長野県・青木村の和風創作料理「御食事処 恵」
(画像=写真:まきまき、『トリップノート』より引用)

そんな趣きのある古民家に見る風景は、心に静かに響く安らぎがあります。決してゴージャスではありませんが、日本人の奥底に秘めている豊かさを思い出す、そんな美しさがある気がします。

季節の野菜を使ったお料理

鳥のさえずりを聴きながら季節の野菜を堪能できる、長野県・青木村の和風創作料理「御食事処 恵」
(画像=写真:まきまき、『トリップノート』より引用)

奥さまは元々お料理とおもてなしが大好きで、いつもご主人が連れていらっしゃる会社の後輩たちに食事を振舞いながら、いつか民宿をやりたいと思っていたそうです。ある料亭の厨房を任されていたこともあり、その腕は確かなものです。

「御食事処 恵」では、無農薬で作られた青木村の新鮮野菜を使ったお料理が堪能できます。1日限定ひと組だけが味わえる贅沢な空間です。どのお料理も素材そのもののみずみずしさと甘みが引き立ち、普段からなじみのある食材たちが、本当はこんなに美味しかったんだということに気付きます。

鳥のさえずりを聴きながら季節の野菜を堪能できる、長野県・青木村の和風創作料理「御食事処 恵」
(画像=写真:まきまき、『トリップノート』より引用)

前菜から始まり、和え物、揚げ物、サラダ、焼き物、お食事、デザートと、内容はひと通りのコースメニューになっています。その時々の旬のお料理はもちろん、お客様の雰囲気に合わせて器を選び、彩りを変化させているそうです。

その他にお肉や魚などが出ることもありますが、どれも季節のお野菜が引き立つ一品となっていて、素材同士が主張しすぎることなく、お互いを生かし合うひとつの作品となっています。

鳥のさえずりを聴きながら季節の野菜を堪能できる、長野県・青木村の和風創作料理「御食事処 恵」
(画像=写真:まきまき、『トリップノート』より引用)

たくさん食べてお腹がいっぱいになっても、しばらくするとからだにすーっと染み渡るので、胃が重くなるようなことはありません。それでいてしっかり食べ応えのあるお料理なので、老若男女どなたでも満足できるのではないでしょうか。

お料理はもちろんのこと、地元の農家さんと協力しながらアイスクリームの開発などにも力を入れています。オススメは黒豆杜仲とえごまですが、そのほかにも様々な種類のアイスクリームがあり、どれも青木村の新鮮で濃厚な野菜からできているので、小さなお子様やお年寄りにも安心の、からだに優しいスイーツです。食後のデザートタイムもしっかり青木村を楽しめますね。

おわりに

「御食事処 恵」は1日限定1組の完全予約制で、3名から受付可能です。電車とバスで向かう場合は、アクセス方法を予約時に問い合わせてください。現在予約が取りにくくなっているようなので、早めのプランを立てることをおすすめします。お休みには少し足を伸ばして、青木村の澄んだ空気の中で、美味しいお料理をぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。

鳥のさえずりを聴きながら季節の野菜を堪能できる、長野県・青木村の和風創作料理「御食事処 恵」
(画像=御食事処 恵 、『トリップノート』より引用)

青木村(小県郡) / 和食 / ランチ
住所:長野県小県郡青木村田沢2411-1
電話:090-3527-2390(遠藤ケイ子)

提供・トリップノート



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