ーー洞窟の中の子供たちを励ますジョンさんの姿にとても感動しました。ジョンさんを演じるにあたり、最もコリンさんが表現したかった彼の一面とはなんでしょうか。
ジョンは僕に対してとても寛大だった。彼は僕の都合に合わせてくれたんだ。彼にも人生があって、彼は公人になることに興味はないし、彼の経験によって得られる名誉などにも興味がないんだ。彼はただただ、人生において忙しくしている。でも彼は僕にとても親しげに接してくれた。今ちょうど、君と僕が話しているように、僕もジョンとFaceTimeを通じて、何時間も話し続けたんだ。そして彼は礼儀正しさもあって、謙虚でもある。でも栄光などに興味を示さないんだ。彼は本当に特別な存在なんだと思う。僕がジョンというキャラクターで焦点を当てたかったこと、それは、男としての良識と謙虚さ。そして、子どもたちを助けるためにそこにいたいという気持ちだよ。
ーーコリンさんは、別のインタビューで「泳げない」と発言していたのを聞きましたが、本当ですか?
僕は、泳ぎが得意じゃない。プールでは大丈夫だ。スプラッシュを立てて、泳げるように見えてると思う。でも例えば、君が僕を海に投げ落とした場合、ビーチから1マイル離れたところに投げられたら、助からないと思う。
ーー本作の撮影後、水に対する抵抗は減りましたか、もしくは、より恐怖心が一層増しましたか?
どちらとも言えないと思う。以前と同じかな。なぜなら今回の撮影は、洞窟ダイバーというちょっと特殊な状態だったからね。水泳とはまた違うし、オープンウォーターでやるスキューバダイビングのようなすてきなものでもない。今まで経験したことのないような感覚だった。閉ざされた空間に身を置いたんだ。だから僕は、心理的な分析もした。時には、誰かが水上のライトを持ち、カメラマンが水中にいて、他に2、3人の俳優がいる。時には5、6人が狭いスペースにいることもあった。そして、何か悪いことが起こるかもしれない・・・一人がその場から離れようとすると、別の誰かにぶつかる。その状況は時々、かなり居心地が悪かったよ。だから、僕は水に対して神経質になっているかわからないね。ただ、水があまり好きじゃなくて、陸にいるタイプだから。
ーー映画『ダンボ』公開時に日本へ来日されていましたが、改めて日本の印象についてお聞かせいただけますか。
日本が本当に好きだ。今、君がこの質問をして偶然だと思えないのが、僕の下の12歳の息子が日本が大好きなんだ。彼は一体どこからそうなったかわからないけど、日本・東京に行くのが夢なんだ。僕からの影響じゃないと思う。でも僕は彼のその興奮に加わって、今後数年のあいだに、日本に連れて行くことを約束したんだ。僕がいた時は2,3日だけの滞在で、とっても早かった。でもとても楽しい時間を過ごすことができたよ。一番印象に残っているのは、日本人の優しさ。とても親切にしてくれた。僕はそこに大きな平和を感じたよ。東京は大きく、魅惑的な街だ。でも巨大な都市だけど、攻撃性は一切感じられなかった。東京のような経済盛んな大都市は、刺激的で、攻撃的なのが普通だと思う。でも僕は東京は刺激的だけど、攻撃的には感じられなかった。3日のあいだに、車のクラクションを聞いたことはなかったと思う。それはとても美しいことだよね。あと桜を見に、公園に行ったんだ。ちょうど咲き始めで、満開桜を見ることができなかったんだけどね。日本にまた戻りたいし、次は東京の外にも行ってみたい。山とか日本を色々と探検したいね。
(インタビュー終わり)[取材・文 / 齋藤彩加]