ーー狭い洞窟の中を通るシーンは手に汗を握りました。実際にダイバーさんに指導を受けながら撮影に挑んだそうですが、洞窟の中でのシーンで最も困難だったことはありますか。
ジョエル:僕は、自分の思考をコントロールすることを心がけた。僕は水になれていて、水中で快適に過ごすことができ、ほとんどの場合、チャレンジや困難なことにも対応できる。それでも、ある瞬間はとても危険な状態になるような気がして、不安な気持ちがあったけど、それを抑えようとしたんだ。
トム:水中での撮影は本当に大変だった。これほど大規模なもので、これほど重い機材を使った映画もあまりないからね。水中にいるのは俳優やスタントマンだけではないから、本当に大変なんだ。セットの洞窟の中にはカメラマン、ジェット機を作る人など、たくさんの人がいて、かなり緊張したよ。そして、僕たちやクルーは全員、その荒れた道に通らなければならなかったんだ。でも、無事に撮影を終えることができたのは、本当にすごいことだと思う。
ーー洞窟の中で、トムさん演じるクリスと、ジョエルさん演じるハリス医師2人だけになるシーンがありました。この撮影での裏側エピソードはありますか?
ジョエル:僕はこの男が大好きなんだ。撮影は非常に長く、困難なものだった。かなりドラマチックな題材を扱っているからね。でも撮影がないときも、いい時間を過ごせた。僕はこの男に出会えてとても幸せだ。彼はすばらしい俳優だからね。僕たちは一緒に撮影を行って、撮影現場で満足できる時間を過ごすことができた。彼は一見そう見えないけど、実はとても面白い人なんだ。真剣に取り組もうとするんだけど、彼は僕をとても笑かしてくるんだよ。
トム:いい話があるんだ。僕たちがバーガーを手に入れたときのことを覚えてる? コリンの撮影最終日で、とてもすてきな日だったんだ。僕とジョエルが2人になったシーンを撮影した時だよ。コリンがキャストとクルーに感謝の気持ちを込めて、バーガーのトラックを手配したんだ。でも僕たちは、タンクを取り外すのにかなり時間がかかるから、タンクから離れることができなかった。そして、すべてのクルーがハンバーガーを食べ、僕たちに持ってきてくれた。ジョエル、ヴィゴ、コリン、僕、ポール、全員がタンクを背負って平然とハンバーガーを食べていたんだ。コリンの最終日が僕の一番好きな瞬間だ。僕たちはシリアスな映画を作っているのに、なんだかバカげていた。洞窟の中で大きなハンバーガーを食べていたからね。
ーー日本に来られたことはありますか?
ジョエル:あるよ。君はある?
トム:ないんだ。でもいつも僕の「やりたいことリスト」に入ってる。
ジョエル:うん、行くべきだよ。僕は、映画『ブライト』のプロモーションで、ウィル・スミスと来日した。クリスマス前で、僕は2日間滞在を伸ばしたんだ。合計3日間日本にいたよ。とってもすばらしい場所だし、いい時間を過ごした。また絶対に行きたいね。
トム:僕は、満開の花を見上げたい。それが、なんて言うのかわからないけど、それをしたいんだ。
ーー日本のファンにメッセージをお願いします。
ジョエル:日本やオーストラリアでも公開されるし、世界中の皆さんに観てもらえると思うと、とても楽しみだ。この映画は、世界中の人々をひとつにする物語であり、僕たちが相手を思いやれる人間であること、そして、僕たちみんなが、仲間のことを大切に思っていることを思い出させてくれる作品なんだ。
トム:実は、昨夜初めてこの映画を観た。ロン(監督)は本当にすばらしい仕事をしたと思う。彼はとてもうつくしく、すべてのストーリーとそれに関わるすべての人々を関連付けた。彼はただ正義を貫いたんだ。もう一度観たいし、早くみんなにも見てもらいたいよ。
(インタビュー終わり)[取材・文 / 齋藤彩加]