結婚適齢期と呼ばれる年齢になると、これからの生き方に頭を悩ませることも多くなります。
清水幸恵さん(仮名・33歳)も、そのひとり。実家で暮らしていた彼女は結婚をすることで実家を出ようと考えましたが、後にその選択が間違いだったことに気づきました。
自立するには「結婚」しかないと思っていた
「うちには引きこもりの兄がいます。だからか、ずっと実家にいてはいけない、家を出て自立しなければ……という想いがすごく強かったんです」
大人になっても実家で暮らし続けることに強い抵抗感を抱いていた幸恵さん。30歳を前にし、「家を出なければ」という想いがより強くなっていきました。
しかし、介護職で薄給だったため、一人暮らしは難しいと思い、断念。他に、家を出て、自立できる方法はないだろうか……と考えたとき、頭に浮かんだのが「結婚」の2文字でした。
「友達はみんな結婚していたので、私も近い将来しなければならないという義務感も感じていました。自分の給料ではひとりで生きていくことは厳しいけれど、誰かと一緒ならできそうだし、家も出られるなと思って」
恋愛経験ゼロ。あらゆる手段で婚活を開始
幸恵さんは、これまで好きな人ができたことはなく、恋愛経験もゼロ。アニメのキャラクターや舞台俳優に萌える日々に幸せを感じていました。
けれど、そんな日常を変え、マッチングアプリを利用したり、婚活パーティーに行ったりして、積極的に婚活を始めました。
「でも、誰にもまったくときめけなくて。自分も異性慣れしていないくせに、相手の男性が女性慣れしていないと、カッコ悪いと思ってしまったり、逆に張り切られて気持ち悪いと思ってしまったりで……」
そこで、結婚相談所に登録することを決意。恋愛感情よりも、条件重視でパートナー探しを始めました。
結婚相談所で婚活。いきなり指輪を渡される珍事も
結婚相談所で幸恵さんがまずデートをしたのは、3歳年上の男性。1年ほど交際を続けましたが、相手の嫌な面ばかりが目につき、結婚に対して前向きにはなれず……。
「食べ方が汚いし、デート中も会話が弾まなかった。女性慣れしていないのか、エスコートも上手くなかったので、いつも頭の中で推しのキャラクターを思い浮かべ、あの人なら、もっとスマートにリードしてくれるだろうなって妄想していました」
それから半年ほど経ったある日、幸恵さんはデート中に指輪を渡され、驚愕します。
「交際期間が長くなっただけで交流は深まってないのに、よく渡せたなって思いました。聞けば、結婚相談所のスタッフさんと相談して渡すことにしたみたい。なので、担当の人にこういうことはやめてくださいって言いました」