4.ラグドールの飼育のポイント
ラグドールは成猫として成熟するまでに2年~4年程度かかると言われます。
その間、生まれ落ちる時にはほとんど白い被毛に覆われたラグドールは、成長とともに徐々に被毛が“大人の色”へと変化していきます。それを楽しむかのように、おおらかに成長を見守りたいものです。
また、体格の良いラグドールは他の猫種と比べて運動量が少ない傾向にある上、食べ物に対する執着も強い傾向にあるとも言われるので、肥満にならないよう注意を。食事管理をするとともに、積極的におもちゃなどで遊ばせるなどして運動させるといいでしょう。
5.ラグドールのかかりやすい病気・ケガ
ラグドールは健康的な猫種ですが、やはり気をつけたい病気やケガもあります。
たとえば、心臓疾患や尿石症、歯のトラブル、毛球症、熱中症、脱走による事故など。
歯周病は歯だけの問題ではなく、進行すると歯周病菌の毒素が血流に乗って全身に回り、心臓疾患や腎臓疾患など他の病気に悪影響を与えてしまうことがあるので軽く考えることはできません。可能な限り、日々のお手入れのついでに歯や口の中のチェックもするようにしましょう。
若齢~成猫
子猫~若い猫では、以下のような病気・ケガには気をつけましょう。
事故・ケガ
特に若い猫では好奇心からちょっとした隙間から外に出てしまうこともあるので、脱走や事故防止のための安全対策を忘れずに。毛球症
毛づくろいの際に飲み込んでしまった毛が吐き出も排泄もできない場合、最悪、腸閉塞を起こし、手術が必要になることがある。熱中症
他の猫種に比べてラグドールは暑さに弱いとも言われるので、暑い時期には暑さ・湿気対策をして予防を。
成猫〜高齢猫
そして、成猫~高齢猫では、以下のような病気に注意が必要です。
尿石症
成分により、いくつか種類がある結石の中で、猫ではシュウ酸カルシウム結晶とストルバイト結晶が多いと言われる。肥大型心筋症
心臓の左心室の伸筋が肥厚することで心不全を起こす心臓疾患。ラグドールでは遺伝的にこの病気を発症することがある。腫瘍・癌
高齢になるほど腫瘍・癌のリスクが高まる。皮膚腫瘍の場合、猫では半数以上が悪性と言われる。認知症
食事やサプリメントで認知症予防を心がけるとともに、シニア期に入ったなら愛猫の行動にも注意を。
⇒【獣医師監修】猫の暑さ対策はどうすべき?熱中症の予防法やおすすめ対策グッズを紹介!
⇒【獣医師監修】ネコに認知症はある?疑われる行動や飼い主の対応方法を解説
6.ラグドールの平均的な寿命は?
一般社団法人ペットフード協会の「令和3年全国犬猫飼育実態調査」によれば、猫の平均寿命は15.66歳ですが(※2)、ラグドールの平均寿命は一般的に12~17歳程度と言われます。
中には猫として平均的な寿命という記述もあれば、他の猫種よりやや長生きという記述も見られます。どちらにしても、平均的には生きられる猫種ということでしょう。
7.まとめ
ラグドールは猫の中でも大型で、がっしりとした体格に反して穏やかな猫です。
初心者でも飼いやすいと言われることがありますが、それは決して簡単に飼えるという意味ではありません。
猫は個体によって20年前後生きることがあり、老齢になった時のことも見据えておく必要があるでしょう。一日でも健康寿命を延ばすために、健康管理を怠らず、どうぞ少しでも健やかなラグドールライフをお送りください。
(文:犬もの文筆家&ドッグライター 大塚 良重)
※猫は生き物であるため、寿命や性格・気質、行動、健康度など個体差があります。
【参照元】
(※1)公益社団法人 日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査調査結果(平成27年)」
(※2)一般社団法人ペットフード協会「令和3年全国犬猫飼育実態調査」
提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)
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