4.犬の皮膚病の治療法

犬の皮膚病の治療は、次のような流れで進められることが多いです。
費用については、検査の種類や回数、保険加入の有無などによって変わるため、確認が必要な場合は診察前に動物病院へ問い合わせましょう。

治療の流れ

1.検査
まずは獣医師が患部を観察し、皮膚細胞診(必要に応じて生検)、被毛の検査、ウッド灯検査(※)などによって状態を把握します。
さらに全身状態の把握が必要な場合は、血液検査や画像検査を実施することもあります。

2.洗浄・投薬
必要な場合は患部の洗浄、外用薬・内服薬などの塗布をしながら、症状の改善を確認していきます。

3.皮膚症状の原因となる全身症状の治療
全身状態に異常があり皮膚症状が出ている場合はその治療を開始し、コントロールしながら患部をケアしていきます。

※ウッド灯検査…皮膚糸状菌症が疑われるときに行う検査。ウッド灯と呼ばれる紫外線を患部周辺に照射し、緑色の蛍光を発することによって皮膚糸状菌症への感染確認をすることができます。

5.皮膚病になりやすい犬種はあるの?

皮膚病になる可能性はどの犬種にもありますが、とくになりやすいと言われているのは、フレンチブルドッグ、パグ、シーズー、柴犬、ゴールデンレトリバーなどです。
フレンチブルドッグやパグは、顔にシワが多いため汚れがたまりやすく、細菌が繁殖して皮膚病を引き起こすケースが。柴犬やシーズー、ゴールデンレトリバーなどは、アトピー性皮膚炎になりやすい犬種とされています。

また、皮膚のバリア機能が低い子犬や老犬、ノミ・ダニなどの寄生虫対策をしていない犬も要注意です。

6.犬の皮膚病の予防法と対策

【獣医師監修】犬の皮膚病の症状は?原因や主な病気、予防法を解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

適度な室温・湿度を心がける

室温・湿度が高い環境では皮膚が蒸れ、反対に乾燥によっても皮膚のバリア機能が失われてしまいます。
犬にとって適度な室温・湿度を心掛けましょう。

アレルギー対策

アレルギー対策には、衛生的な飼育環境が大切です。こまめな部屋の掃除や布団、クッションなどの洗濯を心がけましょう。
また、定期的なシャンプーやブラッシングによって、皮膚の健康状態がしっかりと保たれ、バリア機能も高くなります。

寄生虫対策

ノミやダニの寄生虫予防として一番有効なのが、予防薬の投与です。
獣医師に相談しながら、定期的に行いましょう。

栄養バランスを心がける

前述にもあるように、免疫力や皮膚のバリア機能が低下することによって菌などに感染し、それが皮膚病を引き起こしてしまうケースが少なくありません。
毎日のごはんで、皮膚に必要な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。

ストレスの少ない生活を

お留守番が多かったり、生活環境の急激な変化などは犬にとっては大きなストレスです。
退屈な気持ちやストレスから犬が体を舐めすぎてしまわないよう、コミュニケーションを楽しみながら愛犬のストレスを軽減させることも、皮膚病予防の1つです。

7.まとめ

犬の皮膚病にはいろいろなものがあり、細菌・真菌の感染、アレルギー、ノミやダニの寄生など、その原因もさまざま。いずれの皮膚病も脱毛やフケなどの症状に悩まされ、中でもかゆみは、犬にとっては非常につらいものです。

衛生面、食事面などの生活環境を整えることや、寄生虫の定期駆虫など対策をしながら、愛犬を皮膚病から守っていきましょう。


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

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