可愛こぶっていたのに
いちばん見られたくない、今まで隠し通してきた姿を見られてしまった茉莉さんは膝から崩れ落ち、あからさまに落ち込んでしまいました。
「ですがYが『僕は茉莉が美味しそうにかぶりついている姿がすごく可愛いと思ったよ。これからは気にせずに僕と一緒にいっぱい食べようよ!」と言ってくれたんです」
その言葉に茉莉さんは、心底ホッとしました。
「なんだかんだで今までかなり無理をしてきたので。素の私を受け入れてもらえるチャンスなのかも?と思いました」
「とうもろこしの残りを食べちゃいなよ」とYさんに言われた茉莉さんは、思い切っていつものようにかぶりつきました。
「Yは『こんなにとうもろこしを可愛いく食べる子は他にいないよ!チャンピオンだね、ベルト巻いて歩かないと』と異常に褒めてくれて…それ以来、可愛こぶる演技をやめることができたんです」
とうもろこしのおかげで、茉莉さんにとっての可愛いと、Yさんにとっての可愛いにギャップがあったことに気がつくことができたそう。
「ですがもちろん、以前みたいに気を抜き過ぎないようには気をつけていますよ。ある程度の緊張感がないと、ときめきが持続しないということを学んだので」
続いては料理上手な女性のちょっと悔しかったエピソードです。
料理下手な彼
井上夏希さん(仮名・30歳・会社員)の場合。
「同棲して2年になるK(28歳・会社員)は、目玉焼きを作っても失敗するほど料理が下手なので、必然的に私が料理係になりました」
そしてKさんは、片づけ+掃除係を担当しています。
「ある日、Kの友達から大量にとうもろこしが送られてきたんですよ。思わず興奮しちゃいました!子供の頃から大好きなんです」
とうもろこしの調理法
夏希さんは、さっそく塩茹ですることにしました。
「私はいつも、大きい鍋に塩水でとうもろこしを10分茹でます。そして火を止めてそのまま更に10分放置するんです。すると美味しく塩味がしみるんですよね。このやり方は、母親に教わったんですよ」
そして、夏希さんが茹でたとうもろこしを食べていたKさんがいきなり…。
「『いいこと教えてあげる!』と席を立つと、ダンボールからとうもろこしを取り出して、薄皮2枚程残すまで剥き、ちょっと水をかけてラップに包み、電子レンジに入れたんですよ」
そしてKさんはビニール袋の中に塩水を作り、5分間レンチンしたとうもろこしを浸しました。
「数分放置したとうもろこしを『ちょっと食べてみて』と渡されたので一口食べてみたら、
私が茹でたのより水っぽくなくて、蒸されることで甘みが増したのか…とにかくめちゃくちゃ美味しくなっていたんですよ」
美味しいけれど悔しい気持ちになってしまった夏希さんは…