6月30日にドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系)が最終回を迎えた。土屋太鳳と松下洸平がメインキャストを務めたことで大きな注目を集めたが、中でも土屋演じるヒロインの義姉である美保子役・松本若菜の演技が放送されるたびに、毎回SNS上で大きな反響が起こった。
(画像:『やんごとなき一族』フジテレビ公式サイトより)
『幸せなら手をたたこう』を歌いながら落ち込む土屋を煽ったり、デューク更家のようなウォーキングをしながら「たけのこニョッキ」ポーズを披露したりなど、ストーリーの内容よりも松本の“怪演”を期待していたファンも多いだろう。それ故に“松本ロス”が懸念されるが、そこは心配ないだろう。
『復讐の未亡人』で次なる“松本劇場”が…?
7月7日の深夜2時35分から放送される『復讐の未亡人』(テレビ東京系)では、松本が主演を務める。引き続き、松本の演技にガッツリ酔いしれることができるのだ。『復讐の未亡人』は漫画原作で、2022年2月にNetfrixで配信開始された話題作『金魚妻』と同じ作者・黒澤Rが手がける。『金魚妻』同様、『復讐の未亡人』も重苦しい雰囲気かつ、激しめの濡れ場も少なくない。『やんごとなき一族』とは違った“松本劇場”が期待できる。
(画像:『復讐の未亡人』テレビ東京公式サイトより)
同作は地上波での放送に先立ち、動画配信サービスParaviやYouTubeなどで先行配信されている。そこで1話を見た感想とともに、『復讐の未亡人』での松本の演技について語りたい。(※編集部注:以下、ネタバレを含みます)
1話でいきなりの性行為に度肝を抜かれる
『復讐の未亡人』は松本演じる鈴木美月が、職場で自ら命を絶った夫・優吾の死の真相を探るため、健吾の勤務先に名前を鈴木密と変えて潜入するサスペンスドラマである。ただ、従来のようなじわじわ視聴者の興味を集めるようなサスペンスドラマとは一線を画す。
結婚式場から始まる1話では、いきなり披露宴会場の巨大モニターに、とある新婦が新郎ではない男性と性行為している動画が流れる、という衝撃的な幕開け。原作では全裸のシーンだが、さすがに地上波ドラマのため胸ポロリはない。しかし、それでもはっきりと体位はわかり、原作の持つエロティックな部分をしっかり表現できている。
冒頭から早速面食らってしまうが、それ以上に動揺したのが、ボブカットの松本である。『やんごとなき一族』では前髪を基本的には上げており、その喜怒哀楽がよくわかった。ただ、美月は前髪を下ろしており、表情が読み取りにくい。『やんごとなき一族』とのギャップがとても激しく、美月のミステリアスな雰囲気を何倍にも押し上げている。
もちろん、他の役とのギャップに頼らずとも、美月の“気味悪さ”を引き出す松本の演技力は素晴らしい。美月の闇がいかに深いのか伺わせる言動が随所に垣間見え、その色気や狂気に目が釘付けになる。