子供の就活費、いくら親が負担すべき?

お金のプロの回答
  • 就活費は10万円前後かかる
  • 「親が就活費を全額負担する場合と学生が自分で負担する場合が半々
  • 工夫次第では就活費を節約したり、就活中に貯金したりすることもできる

解説

篠田啓介
執筆・篠田啓介
慶應義塾大学経済学部卒業。みずほ銀行入行後、法人営業として企業向け融資や法人保険、M&A提案を行う。
その後、ウェルスマネジメント推進本部に異動し、富裕層を中心とした資産承継や資産形成コンサルティングに従事。バランスの取れたポートフォリオを提案し、資産防衛、形成を図りながら、次の世代に資産を承継する戦略を提案。

■保有資格
証券外務員一種
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
生命保険募集人
損害保険募集人
慶應義塾大学経済学部卒業。みずほ銀行入行後、法人営業として企業向け融資や法人保険、M&A提案を行う。
その後、ウェルスマネジメント推進本部に異動し、富裕層を中心とした資産承継や資産形成コンサルティングに従事。バランスの取れたポートフォリオを提案し、資産防衛、形成を図りながら、次の世代に資産を承継する戦略を提案。

■保有資格
証券外務員一種
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
生命保険募集人
損害保険募集人

就活費はどれくらいかかる?

就活活動は、子どもの今後の人生を大きく左右する一大イベントです。「キャリタス就活2022学生モニター調査」によると、コロナ禍以前の就活費は、平均13万~16万円程度で推移していました。しかし2021年以降は大幅に減少し、2022年卒の就活費は6万1,212円となっています。 就活費の内訳は「スーツ代」と「交通費」が中心です。地方在住で都心の企業への就職を希望する場合は「交通費」や「宿泊費」がかさみ、さらに多くの費用が必要になります。 ただしコロナ禍で面接がオンライン形式に移行したことで「交通費」や「宿泊費」が少なくて済んでいる就活生も多い傾向です。同調査によると2020~2022年における交通費、宿泊費、リクルートスーツ代は、以下のように推移しています。
費用項目 2020年 2021年 2022年
交通費 6万2,407円 3万6,128円 1万4,370円
宿泊費 1万1,663円 7,804円 1,733円
リクルートスーツ代 3万6,375円 2万9,645円 2万4,567円

交通費は約4分の1、宿泊費も約7分の1近く減少していることがわかります。

一方、面接がオンライン化してもリクルートスーツの支出の減り幅は緩やかでした。コロナが終息した後もオンライン面談が一般化すれば学生の就活費の負担は軽減されるでしょう。各企業の今後の動きにも注目です。

就活費を抑える方法

就活費は「オンライン面接を受ける」「スケジュールを調整する」といった少しの工夫で抑えることが可能です。コロナの影響や採用活動の多様化に伴い説明会や面接をオンラインで開催する企業も増えています。オンライン面接であれば、スーツ代以外の費用はほとんどかかりません。

またスケジュール調整も大事です。地方の学生であれば、同じ日に同じ地域の説明会や面接を予定することで「交通費」や「宿泊費」を節約できます。また地方の学生に配慮して交通費を一部負担する企業もあるようです。

就活費は誰が負担する?

10万~15万円という費用は、大学生にとっては大金です。実際には、誰が負担しているのでしょうか。

上述した調査結果によると就活費を全額自分で負担する学生は46.2%、親が全負担した割合が46.1%とほぼ半々の結果でした。なかには、親から借りたと回答した学生も7.7%います。

就活費を誰が負担するかは、各家庭の事情で大きく変わります。ただ子どもが就職活動に専念する環境を整えるためにも親が負担する方法が望ましいかもしれません。親が就職費を負担し、就職活動が終わってから学生本人が親に返済する選択肢もあります。

親子でしっかり話し合って

子どもが就活に専念できるように、できるかぎり就活費用は親が支援してあげたいものです。近年、就活の前倒しが続いており、大学3年の夏ごろからインターンに通う学生も少なくありません。特に一人暮らしをしている学生の場合は、面と向かって話をする機会が少ないのではないでしょうか。

本人が将来についてどのように考えているのかなど、子どもの意見をしっかりと聞いてあげることも大切です。また、どの程度費用がかかるのか把握していない学生も多いので、就活が始まる前に親子で就活の費用負担について話し合っておきましょう。

親が就活費を支援することになった場合は、定期預金や少額の積立投資でコツコツと貯めておいてもいいかもしれません。1ヵ月1万円程度貯金ができれば1年程度で就活に必要な資金を貯めることができます。

子どもの負担割合が大きすぎると、学業や就活と並行して過度にアルバイトをしてしまうことも考えられるので、無理のない範囲で負担額を設定してあげるとよいでしょう。

文・fuelle編集部