高年齢者雇用安定法によって、希望する人は65歳まで働けるようになりました。また年金の支給開始年齢も65歳へと段階的に上がっており、退職年齢と年金支給開始年齢に空白がなくなりつつあります。そこで今回は、65歳前後の退職で最も得をするタイミングはいつなのかを見ていきましょう。

65歳前の退職で「年金+失業保険」が受け取れる可能性も

通常、雇用保険加入者は、65歳前に退職すると失業保険を受け取れます。そして、65歳到達後に退職した場合は、高齢者に対する失業保険である高年齢求職者給付金が給付されます。

失業保険は最大150日分受け取ることができますが、老齢厚生年金との同時受給はできません。一方、高年齢求職者給付金の場合は、老齢厚生年金と同時に受給できるものの、最大50日分しか受け取れません。

年金と失業保険を同時に受け取るには、「65歳時点で退職しており年金の受給対象である」ことと、「65歳前に退職し失業保険の受給対象になる」ことが条件になります。

つまり、65歳の誕生日よりも前に退職して、65歳になった日以降に求職の申し込みをすれば、最大限の給付を受けられるというわけです。

法律上は誕生日前日からが65歳

どうして65歳の誕生日よりも前なのかというと、民法上、人の年齢は誕生日前日に年齢を重ねます。たとえば、3月20日の誕生日で65歳になる人であれば、3月19日時点で既に65歳ということです。

そのため、先ほどの「65歳の誕生日よりも前」に退職する必要があるケースでは、65歳の誕生日2日前には退職しなければなりません。