鎌倉時代の歴史書『東鏡』に登場する伊豆山神社は、箱根神社・三嶋大社とともに「伊豆・箱根の三社参り」として名を連ね、源氏将軍が厚く信仰した由緒ある神社です。またこの伊豆山神社こそが、生涯おしどり夫婦だったと伝えられる、源頼朝と北条政子のご縁を結んだ場所でもあります。赤と白2体の龍が見守るこの地からは相模湾が一望でき、本宮までは緑豊かな散策も楽しめます。強運守護のご利益もある、伊豆山神社へ旅に出てみませんか。
伊豆山神社のご由緒
伊豆山は、修験道の始祖である役小角(えんのおづの)や、真言宗の開祖弘法大師、初めて富士登山に成功したとされる末代上人が修行をしたとされる地です。
平治の乱によって伊豆国へ流刑となった源頼朝は、修験道の聖地として名高い伊豆山神社で源氏再興を祈願。その後、鎌倉幕府を開くこととなります。これは伊豆山神社の強い加護があった為として、源氏将軍だけでなく、後北条家や徳川将軍家等、武士に深く崇拝されました。
走湯山は熱海温泉の守護神
伊豆山神社は、歴史書では「走湯山」として名を残しています。赤と白2体の龍は、それぞれ火と水を表していて、2体のチカラを合わせて温泉が生み出されるとされてきました。
2体の龍が生み出した温泉は、山を下り海へ向かって激しく噴き出しました。それが走り湯です。
道後・有馬と並び、日本三大古泉の一つとされる、珍しい横穴式源泉です。源実朝が「神のしるし」と歌で詠んだことからも、古から霊泉として人々の深い信仰を集めていたことがわかります。
源頼朝と北条政子の縁を深く結んだ地
『曽我物語』には、頼朝を深く愛した政子が、伊豆山神社に足しげく通っては源氏の再興と頼朝の出世を願ったと記してあり、二人の愛の深さを感じることができます。伊豆山神社は、元々夫婦神が祭られていた神社で、夫婦で詣でるとご利益があるとされていました。
境内には、2人が座って語り合ったと伝えられる腰掛石が残されています。遠い昔の光景がしのばれますよね。
相模湾を一望
伊豆山神社へバスで来る場合、表参道の長い階段を上がってくることとなります。
頑張って上りきれば、境内からは相模湾を一望。伊豆大島の雄大な姿を見渡すことができますよ。
車で伊豆山神社へ来る場合は、境内横にある駐車場まで来ることができます。鳥居は、女優の小泉今日子さんが奉納されたものだそう。
境内に立ち並ぶたくさんのお社
表参道の鳥居から、拝殿までは多数のお社が立ち並びます。
光り石と道祖神
神々が降り立つ石とされる「光り石」は、触ったり座ったりすることでご利益を得られるのだとか。正しい道へと導く、道祖神も祭られていますよ。
役の小角社
伊豆国や伊豆大島でも修行をした、役小角が祭られています。足腰の弱い方が祈願すれば、強足を得られるご利益があると記されています。
結(むすぶ)明神社
大杉から生まれた2神が祭られています。男女のご縁を結ぶとされる神さまで、古くは各地から参列する人々が絶えなかったのだとか。
雷電社
源実朝が再興した雷電社は、政治を司る神として源氏が崇拝してきたお社です。