映画『シャーペイのファビュラス・アドベンチャー』(11)や映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)など、俳優として幅広く活躍してきたオースティン・バトラーだが、録音スタジオでレコーディングするのは今回が初めての経験だったという。映像には、エルヴィス・プレスリーが 240 曲もの楽曲を録音したRCAスタジオで、スタッフ全員の前で「ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス」を披露することになったオースティンの姿が映し出される。「エルヴィス・プレスリーです!」とバズに紹介され、緊張した面持ちでマイクの前に立つオースティン。その表情は、初めてステージに立つ若き日のエルヴィスを想起させる。しかし、オースティンが歌唱を披露するやいなや空気は一変、バズをはじめそこにいるスタッフ全員がオースティンのオーラに取り込まれ、全員がノリノリに。ビートに合わせた独特のダンスで熱唱し、会場を熱狂の渦へと落とし込むオースティンの姿は、正にエルヴィスそのもの。全身でエルヴィスを体現しようとする、オースティンの迫真の演技に脱帽するしかない、貴重なリハーサル映像となっている。

オースティンは当時を振り返り、「エルヴィスを演じていた間、自分から火の中に飛び込んでいかなくてはいけない瞬間が何度もありました。キャスティングされたばかりだったのに、バズに促されて RCA スタジオで働く多くの人たちの前で誰もが知る名曲を歌うことになったときは、恐ろしく緊張して全身が震えあがっていました。でも、そのような瞬間を経験することでだんだんと慣れないことに挑戦するときに感じていた恐怖が小さくなっていき、最初とは全く異なる体験になっていきました。そしてそれはエルヴィスが初めてステージに立ったときに感じたことなのだと感じるようになったんです。」と語っている。

ロックを創り世界を変えたエルヴィス・プレスリーの真実と、珠玉のライブを体験する本年度最高のミュージック・エンタテイメントの公開は7月1日。この夏、日本中がエルヴィスの熱狂に包まれる。