ジメジメムシムシ……。雨が降り続く梅雨どきは、何かと困ることが多いですよね。外で洗濯物を干せなくてイライラしたり、生乾きの洗濯物が放つ「部屋干し臭」が鼻を突いたりと、洗濯に関する悩みが多いのもこの時期ならではです。
神崎健輔さん
憂うつな季節の悩みを解消するため方法を、宅配クリーニング「Nexcy」でCTOを務め、複数メディアで生活に役立つ“洗濯・シミ抜き術”を発信する「洗濯ハカセ」としても活躍する神崎健輔さんに聞きました。
湿度と室温の上昇が悪影響。洗濯物を溜めるのはNG
※イメージです(以下、同じ)
イヤな雨が降り続く梅雨どきは、洗濯物にとって大敵の季節。神崎さんは、この時期ならではの特徴を解説します。
「梅雨どきは湿度が他の季節と比べて高く、雨が上がると、湿度に比例して室温も上昇する特徴があります。温度が高ければ洗濯物が乾きやすいと思うかもしれませんが、湿度の影響で衣類の水分が蒸発しづらくなるため、乾きづらくなります。また、室温がおおむね30~35度になると、洗濯物に付着した雑菌が繁殖しやすくなります。この雑菌もいわゆる『部屋干し臭』の原因になり、梅雨どきならではの鼻を突く“イヤなニオイ”を発生させています」
連日のように降り続く雨は、どうしても避けられません。この時期に衣類を洗濯し、乾かす上での注意点もあります。
「晴れた日に『一気に乾かそう』として、洗濯物を溜めてしまう人もいるかもしれません。ただ、洗濯物を放置しておくと、雑菌がより多く繁殖してしまいます。また、一気に大量の衣類を洗濯しようとすると、洗濯機を使ったとしても汚れが落ちづらくなってしまいます。そのため、基本的には他の季節と同じくこまめに洗濯するのを心がけて、限られた環境で『どうすれば効果的に乾かせるか』を考えましょう」
洗濯物を乾かすためには、どのような条件が必要なのか。「空気の流れ」と「湿度」をいかに調整するかがポイントと、神崎さんは話します。
「本来は、温度が高ければ高いほど衣類の水分が蒸発しやすくなるので、洗濯物も乾かしやすくなります。ただ、蒸し暑さもある梅雨どきですとなかなか難しいと思うので、この時期であれば『空気の流れ』と『湿度』を意識してみてください。網戸の状態で窓を開けておく、換気扇を回す、エアコンを使うなどの方法で空気を循環させながら、湿度を下げるのが、雨の降り続く季節ならではのポイントです」
ニオイの元は雑菌。梅雨対策は洗濯から
洗濯物 梅雨どきならではの洗濯の悩みとして、やはり気になるのが「部屋干し臭」です。神崎さんは、その主な原因を解説します。
「日中に衣類へ染み付いた汗や汚れもニオイの元になりますが、おおむねの原因は洗濯物に付着した雑菌です。雑菌は生き物で、衣類に付いた汚れを食べて生きています。人間も食事を摂取して便を排出しますが、雑菌も同じようにエサとなる汚れを摂取して分解したものを吐き出したりします。動物のように『フンを出している』と想像してみると臭う理由が想像しやすいと思います。
これが、みなさんの嫌がるニオイの正体です。雑菌が増えてニオイを放つ物質が増えてしまうと、乾かしたあとでも、その物質が原因となって臭いを放ってしまいます。さらに、雑菌の影響で衣類の汚れが落ちづらくなったり、黄ばみの原因にもなりえますので注意が必要です」
では、どうすればニオイの元を取り除けるのか。神崎さんはすべては「洗濯からはじまります」と断言します。なかでも、「洗剤の選び方」と「すすぎ」がポイントだとか。
「雨が降り続き乾かしづらい季節は、雑菌をいかに抑えるかも重要です。おすすめするのは、除菌効果があるといわれる『酸素系漂白剤』です。洗濯の時点でしっかり雑菌を落として、すばやく干すのが梅雨どきの洗濯で注意してほしいポイントです。また、洗濯後の『すすぎ』も念入りにしましょう。1回だけでは洗濯時の泡立ちが残っている場合があるため、最低でも2回はやるのがよいです」