奈良県の明日香村は、秋になると美しい棚田に真っ赤な彼岸花が咲き乱れます。その様子は、日本の原風景とでもいうべきものです。ユニークな案山子を見たり、ぶどう狩りをするのも面白いですよ。秋の明日香村を歩いてみませんか?
まさに日本の原風景!稲渕の棚田を散策しよう
明日香村には、傾斜地で田畑がゆるやかな階段状に並ぶ「棚田」の残る地区があります。その中でも、約300枚の田畑からなる稲渕(いなぶち)の棚田は有名です。秋には稲穂と彼岸花が作り出す、素晴らしい景色が広がります。
棚田を眺めて歩こう
稲渕の棚田へは、村内の主要観光スポット「国営明日香歴史公園 石舞台地区」から歩くことができます。古くからの民家が立ち並ぶ祝戸(いわいど)地区を通り、しばらく緩やかな坂道を歩くと、美しい棚田が見えてきます。棚田が一望できる展望台までは、徒歩約10分です。
展望台からさらに10分ほど歩くと、棚田に沿った遊歩道に到着します。ここからは、棚田を間近に眺めながら歩けます。古くから開墾された稲渕の棚田は、まさに日本に原風景ともいうべき景観で、どこか懐かしさを感じさせるでしょう。
さらに歩くと、周囲の山々や棚田を一望できるスポットに着きます。稲渕の棚田がある地区は、「奥飛鳥」とも呼ばれており、村内でも特にのどかな景色が楽しめます。
こちらは9月中旬に撮影した写真ですが、まだ稲穂は青々としています。さらに季節が進むと、黄金色となり、また違った美しさが感じられるでしょう。
案山子ロード
稲渕の棚田では、毎年秋にユニークな案山子(かかし)が見られます。この案山子は、9月下旬に行われる「案山子コンテスト」に出展されたものです。一般の方や団体が作った案山子は、その年に流行った人物やマスコット、かわいらしい動物のものもあり、訪れた人の目を楽しませています。2020年は、8月30日から11月中旬まで展示される予定です。
また、2020年のコンテストは、WEB 投票は9月13日(日)午前9時~21日(月、祝)午後3時まで、現地での投票は、9月20日、21日両日とも午前9時~午後3時まで投票を受け付け、入賞発表日は9月27日(日)にWEB 上と、かかしボードの掲示板に表示します。 表彰式は10月11日(日)午前9時に棚田ハウス広場で行ないます。また2020年は、彼岸花祭りは中止となりました。
彼岸花やハギなどの花を鑑賞しよう
ヒガンバナ
彼岸花は、村内の各所で9月上旬ごろから咲き始め、中旬から下旬に見頃を迎えます。特に先ほど紹介した稲渕の棚田周辺は、たくさんの花が咲くので美しいです。また、近鉄飛鳥駅の東側にある遊歩道などでも見られます。
彼岸花は、鮮やかな赤い花が有名ですが、白や黄色のものもあります。白い花を咲かせるシロバナマンジュシャゲ、黄色い花のショウキズイセンは、彼岸花の仲間です。これらも、稲渕の棚田付近で見られます。遊歩道を歩いて探してみてください。
ハギ
秋の七草の一つで、薄い赤紫色の小さな花を咲かせるハギも、村内で見られます。石舞台古墳のある石舞台地区では、9月中旬ごろに見頃となります。派手さはありませんが、上品で趣のある花ですので、観賞してみてください。
コスモス
コスモスは、明日香村では9月中旬ごろから咲き始めます。村内各所で見られますが、特に甘樫丘の芝生広場では、まとまって咲くので美しいです。
あすかぶどう園で甘い巨峰を摘み取ろう
あすかぶどう園では、毎年8月下旬から10月頃まで、ぶどう狩りが楽しめます。品種は、大粒で香りの良い「巨峰」で、食べ放題のAコース(大人1,400円、小人1,200円、3歳以上の幼児800円)と、摘み取ったものを持ち帰るBコース(1kg 1,100円~)があります。
入口で受付をし、ぶどう畑に入ります。少々急な坂道を登ると、たくさんの巨峰が実っているのが見えてきます。しっかりと色付いたものを収穫してみましょう。
こちらの巨峰は非常に甘く、どれを摘み取ってもハズレなしと言えるほどです。甘い巨峰を味わってみてください。
受付の建物内では、ワインやぶどうも販売しています。ぶどうは、巨峰以外にも数種類ありますので、お土産にも良いでしょう。