介護職の人は『他人のために役立つことをしたい!』と思われている心優しい方が多く、オフの日にも利用者のこと考えている人もいます。無気力状態になり、燃え尽き症候群になる人も…。介護職で感じるストレスとは?燃え尽き症候群やストレスに対しての対処法をご紹介します。
介護職のやりがいや魅力
福祉職で働いている方々は、『他人のために役立つことをしたい!』と思われている心優しい方が多いと思っています。私もそう思い、福祉業界で働いているときがありました。
介護職には悩みやストレスもありますが、それだけ価値のあるやりがいや魅力もたくさんあります。まずは、介護職のやりがいや魅力からご紹介します。
人の役に立つことで得られる達成感
介護職には、なんといっても人の役に立つことで得られる達成感があります。他の職業ではなかなか感じられない人の役に立っているというのをダイレクトに感じることができる仕事です。
また、社会貢献に繋がる仕事でもあるので、仕事の重要性や、やりがいを感じられるところが、介護職の魅力の一つです。
感謝されることが多い
介護職は、利用者の方のサポートや困っていることに対し助ける仕事です。利用者の方や、利用者の家族の方に感謝される機会も多いです。
直接『ありがとう』と感謝の言葉を伝えてもらえることは、介護職をやっている人にとって喜びや励みでもあります。利用者の方に感謝されるとまた頑張ろうという気持ちにもなれるものです。
自分自身の成長を感じられる
介護職では自己成長を感じる瞬間もたくさんあります。介護職で関わる利用者の方は、それぞれ置かれている環境も違いますし、悩みや困っていることも違います。
人と人が接する中で、相手のためにどんなことをしてあげたら良いかということを考えることも多く、自然と自分が成長していくのを感じます。
知識だけでなく、利用者の方と実際に生きた経験を通して学ぶことができるはずです。
リストラのリスクが低い
介護職はリストラのリスクは低いです。介護というのは誰にでもいつか必要になる可能性があり、利用者がいなくなることはありません。
高齢化が進む社会でもあり、介護職は人手不足であることも多いです。介護職では、なにか大きな問題を起こさない限り、ほとんどの場合はリストラされるということはないはずです。
介護職の人がストレスを感じる原因
それでは、介護職の人が感じるストレスとはどんなものなのでしょうか。
介護職の人が抱えるストレスには、利用者や家族との関係に加え、職場の人間関係や給料の面など様々なことが原因になっています。
介護職の人が抱えやすいストレスや原因についてご説明します。
利用者・利用者家族との関係構築がうまくいっていない
介護職で一番のストレスとなるのは、やはり利用者さんや利用者さんの家族との関係が上手くいかないことでしょう。
利用者さんのことを想って介護職をしていても、時には信頼してもらえないことや、心を許してもらえないこともあります。利用者さんからの心無い言葉はとても悲しいものです。
また、場合によっては利用者さんの家族からクレームが入ることもあります。自分なりに利用者さんを想って一生懸命介護していても、理解されないときもあります。
介護職の仕事に対しての評価や給料が低い
介護職では、どんなに頑張って働いていても、なかなか評価してもらえないストレスがあります。
介護職というのは、そもそも目に見えた数字では評価できないものです。また、給料も低いことが多く、自分では一生懸命に取り組んでいても会社から評価されていると感じにくいです。
人手不足も多く、なかなか休めなかったりして過労が続くと『こんなに頑張っているのに…』というストレスを抱えるようになります。
人員が足りていなくて体力的負担が大きい
先述しているとおり、介護職では人手不足が多く、体力的負担が大きいというストレスもあります。
人手不足から、時には1人で複数の利用者さんを介護することもあります。また、残業が多くなったり、休みが取れないというストレスも。
体力的に過労することが多く、介護職では力仕事も求められれます。腰を痛めたりすることもありますが、ゆっくり休むこともできず、なかなか治せないことも多いです。
そうなると身体的なストレスだけでなく、精神的にも負担がかかってきます。
職場内の人間関係が悪くてストレスがかかっている
利用者さんとの関係に悩むこともありますが、職場内の人間関係で悩むこともあり、ストレスを感じます。
利用者さんとの関係が良くても、職場内の人間関係が悪いと仕事がとてもしずらいです。何人かでチームを組んで働くこともあり、嫌な相手と接することもあります。人間関係が上手くいかないと困ったときに相談したり、助けを求めることも難しくなります。
さらに介護職は様々な職種の方が転職してくることが多く、年齢や雇用形態も人それぞれです。そのため、お互いに意見が食い違うことも多くあります。
また、介護施設では、看護師やケアマネなど他の職種の方も働いていることから、その人たちとも上手に連帯が取れないとストレスになるでしょう。
介護職の人に多い「燃え尽き症候群」
私は実際に福祉の現場で働いているとき、オフの日にも利用者のことをいつも考えていて、無気力状態になりバーンアウト(燃え尽き症候群)になった経験がありました。
今でも人との関わりの中で影響を受けすぎて辛くなったり、相手の気持ちを読みすぎたり、自分よりも他人の気持ちをまず考えることが自然になっていたりする傾向があります。
介護職の人が陥る燃え尽き症候群についてや、対処法をご紹介します。
「燃え尽き症候群」の主な症状
一般に燃え尽き症候群とは、頑張って取り組んでいた仕事などに対し、突然やる気を失い、燃え尽きたかのような精神状態になることと言われています。
出現する精神的な症状は…
- 自信の消失
- 何事も事務的な対応になる
- イライラした態度になる
- 慢性的な疲労感
などがあります。介護職の方が燃え尽き症候群になると、利用者さんに対しても、感情のないロボットのような接し方になったり、逆にあからさまに不機嫌な態度を取ってしまうなど、仕事中の感情を自分でもコントロールできなくなります。
ストレスがたまり、精神的にいっぱいいっぱいになってしまっていることから、攻撃的になったり、逆に感情を切ってしまうことで、無意識に自分を守ろうとしていると考えられているようです。
介護職で「燃え尽き症候群」になりやすい人の特徴
燃え尽き症候群になりやすい人の特徴としては…
- つい頑張りすぎてしまう
- 優しい人
- 責任感が強い
- 理想が高い
- 仕事的に休めない
などです。
燃え尽き症候群になる方は、真面目な人が多いです。責任感も強く、自分の中に高い理想があるので、それを実現させようととても努力していることでしょう。
そのような方は、ストレスを感じていても、精神的や肉体的な限界を超えて頑張りすぎてしまうことがあります。ある日、なにかのきっかけでふと糸が切れてしまうのです。
また、介護職では先述したとおり、人間関係で悩むことや、高く評価してもらえないこと、人手不足で休めないというようなストレスが多くあります。そういったストレスが続いた場合も、燃え尽き症候群を発症しやすくなります。
「燃え尽き症候群」にかかってしまったときの対処法
それでは、介護職の方が燃え尽き症候群になってしまったとき、どのように対処すれば良いのでしょうか。
一番大切なことは、燃え尽き症候群になってしまい精神的な症状がでているときは、無理やり頑張り続けようとしないことです。燃え尽き症候群になる人は、つい頑張りすぎてしまう人や、頑張れないことが悪いことのように感じてしまうかもしれませんが、けして自分を責めないようにしましょう。
心が回復するまでよく休養をとることが大切です。できるだけストレスをなくし、休養をとっても回復できないときは、休職を考えたり、メンタルクリニックなどで専門家のアドバイスを受けたりする方が良いでしょう。
燃え尽き症候群は頑張りすぎてしまった人が陥るものです。頑張ってきた自分を責めないで、今までの自分を労ってあげるように心がけてみましょう。