連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合、月~土曜朝8時ほか)は、ふたり目のヒロインるい編を放送中。18歳からの雉真(きじま)るいを演じる深津絵里(49)と、相手役の“ジョー”こと錠一郎を演じるオダギリジョー(45)に注目が集まっています。

『カムカム』オダギリジョーの“ずるい魅力”が爆発!るいを抱きしめる姿に悶絶
(画像=『女子SPA!』より引用)

『連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ Part1 (1) 』(NHK出版)

異色のヒロイン3人交代制で、昭和・平成・令和の時代をまたぎ紡ぐ100年にわたる家族の物語である本作。上白石萌音が演じた安子(やすこ)と辛い別れをした娘の「るい編」、その物語の魅力をご紹介します。

大阪での新しい生活。るい編は優しい展開が特徴的

母親の安子(上白石萌音)と、すれ違いから悲しい別れをしたるい。るい編は、祖父の千吉(段田安則)が亡くなったことをきっかけに、るいが岡山から単身大阪で生活を始めるところからスタートしました。

るいは、母・安子へのわだかまりを抱えながらも、住み込みで働かせてもらうことになったクリーニング店の夫妻やジャズ喫茶の面々と出会い、温かな日々を過ごしはじめます。 安子編同様に、るいも大きな野望や夢がある訳ではありません。ただ、自分が縛られていると感じてきた雉真家…母からの解放を望み、自分らしく生きられる場所を探しているように感じられます。

高校を卒業したばかりで、幼少期に事故で負った額の傷を抱え、母・安子のことを「忘れたい」と願う。10代後半の多感な心の機微を、深津絵里が本当に丁寧に演じています。

深津絵里、圧巻の演技力。18歳の情動を瑞々しく表現

アラフィフとは思えない透明感のある美しさも注目されていますが、何より青年期ならではの情動を表現する演技力がハンパないのです。また、母・安子の面影をしっかり反映させていることも特徴的。 店番をしていて運命の相手に出逢ったり、初デートが同じ夏祭りだったりと、出来事の部分でもシンクロが見られます。しかしそれ以上に、何の頼りがなくてもひとりで生きていこうとする意志の強さや、表情や仕草においても所々に安子を感じるのです。

3世代にわたって紡がれる物語を真ん中で繋ぐ人物として、芸達者な深津絵里が選ばれた理由が分かるように思います。戦後からの復興期ということもあり、安子編と比べるとだいぶ穏やかで激動感は少し薄れました。しかし、その中で葛藤する若者たちの関係性や情感が繊細に描かれていて、大人の人間ドラマを魅せてもらっているように感じます。

クリーニング店の常連客として登場した“ジョー”こと大月錠一郎(オダギリジョー)の人気が爆発しているのもるい編の特徴です(筆者も世代的に、深津絵里×オダジョーなんて贅沢すぎる!と歓喜しました)。