より多くのお金を稼ぎたい場合やキャリアアップをしようと考えた際に、資格の取得を考えたことのあるシングルマザーの方は少なくないでしょう。
資格と言っても、取得の難易度や取得までのプロセスはさまざまです。ここではシングルマザーにおすすめの資格や取得難易度、種々の支援制度などについて解説いたします。
シングルマザーが資格を取得するメリット
資格を有していることで、就職・転職がしやすくなるというメリットがあります。自分がやりたい仕事に関係する資格を持っていれば、何も資格を持たない人と比べて採用される可能性が上がります。
また資格を持っていることにより手当がつく場合もあり、収入アップという点でもメリットが大きいと言えるでしょう。
資格が必要な仕事であれば、応募するための条件が厳しい分だけ競争率は低くなり、結果的に仕事が決まりやすいというメリットもあります。
どんな資格を取ればいい?
国家資格・民間資格を合わせると資格の種類は非常に多く、どんな資格を取れば良いのか悩んでしまうのも無理はありません。
どの資格を取れば良いかは、目指す収入額や資格取得までの時間・難易度、かかる費用などから判断しましょう。どんな資格を取るべきなのかは人によって違います。
費用・時間をなるべくかけずに取得できる資格を取りたいとか、難易度は高いけれども一生使える資格が欲しいとか、資格取得の目的から考えると取得すべき資格が見えてくるはずです。
資格取得を支援する2種類の給付金
シングルマザーにとっては、資格取得にかかる金額も問題となる場合があるでしょう。しかしシングルマザー(シングルファザー)の資格取得を支援する制度がきちんと用意されています。
2種類の給付金の内容を見てみましょう。
自立支援教育訓練給付金
自立支援教育訓練給付金は母子家庭の母・父子家庭の父が、経済的な自立を目指してスキルアップを図るのを支援するためのものです。
給付の対象となる教育訓練を受講・修了した場合に、かかった経費の6割(下限12,001円〜上限800,000円)が支給されます。事前に地方自治体より受講する講座の指定があるので、忘れずに居住している市または都道府県に相談しましょう。
給付の対象となるのは、20歳未満の児童を扶養していて以下の要件を満たすシングルマザー(シングルファザー)です。
・児童扶養手当を受給しているか、それと同等のレベルの所得であること
・経験やスキル・資格の有無・労働市場の動向などの状況を考えて、教育訓練を受ける必要があると認められること
高等職業訓練促進給付金等事業
資格の中には取得まで多大な時間を要するものもあり、その間の生活費をどうするかという問題に直面することも少なくありません。
そのような問題に対処するには、高等職業訓練促進給付金等事業の利用を考えてみるのが良いでしょう。この事業には以下2種類の給付金制度があります。
・高等職業訓練促進給付金
訓練期間中における生活の不安を軽減するために支給される給付金です。住民税非課税世帯には月額100,000円、住民税課税世帯には月額70,500円が支給されます。
・高等職業訓練修了支援給付金
職業訓練校に入学する際の負担を減らす目的で設けられている給付金です。住民税非課税世帯には50,000円、住民税課税世帯には25,000円が支給されます。
シングルマザーにおすすめの資格
少しでも有利な条件で働くために、シングルマザーはどのような資格を持っておくのが良いのでしょうか。働きたい環境や希望する給与額などによってもそれぞれ違いはありますが、計画的に取得を目指す必要があるのは同じです。
まずは自立支援教育訓練給付金を受給できる資格から優先して探してみるのはどうでしょうか。取得までにかかる時間が短いものであれば、その間の生活費に関する不安はそれほどないはずです。
また、取得する資格が国家資格であるなら、高等職業訓練促進給付金を受給することも可能になります。修行期間が長くとも、生活の心配をしなくて良いのは大きなメリットです。
ここでは公的な支援制度も利用できる、シングルマザーにおすすめの資格を5つ解説いたします。
①介護職員初任者研修
介護に関する仕事をするにあたって、初歩となる知識・技能を身につけたことを証明する資格です。介護の仕事に就くことを目指すのであれば、ほとんどの人がこの資格の取得から始めるのではないでしょうか。
取得にかかる期間は1〜3ヶ月、最短の場合なら3週間ほどで取得することも可能です。通信講座で学ぶか通学講座で学ぶのかによっても違いがあるので、自分に合った方法を選ぶと良いでしょう。
資格を取得するまでにかかる費用はスクールによってまちまちですが、一般的には40,000円〜80,000円ほどが相場と言えます。
介護職の正社員として働く場合には必須とされることも多い資格なので、介護を目指すのであれば必ず取っておきたい資格の一つです。
②介護福祉士
上述の介護職員初任者研修を取得後に、3年以上の実務経験を積み実務者研修の資格を取ることで、介護福祉士資格の受験が可能になります。福祉系高校や介護福祉士養成施設を卒業後に国家試験を受けるという方法でも資格取得は可能です。
2022年5月現在、介護関連では唯一の国家資格であり、今後も需要は増していくことが予想される非常に信頼性の高い資格と言えるでしょう。
国家資格であり、ある程度高いレベルの知識や経験・技能が必要ではありますが、生涯にわたって使える資格であるため目指す価値は大きいはずです。
介護に関する資格は、これから介護福祉士を中心に展開していくことは間違いないと考えて良いでしょう。
③医療事務
病院の受付や資料の管理・会計業務などの事務作業が、医療事務の主な仕事です。一般的には3ヶ月程度の短期間でも資格を取ることが可能であり、シングルマザーの方でも取りやすい部類の資格と言えるでしょう。
医療事務の資格を取るには、通学または通信講座を受講し試験に合格する必要があります。試験の難易度はそれほど高くないので、家事や育児で忙しいシングルマザーでも、少しずつ学習を進めていくことできっと合格できるはずです。
どこの地域でも病院がないということは少なく、全国各地で仕事の需要があることが医療事務の強みの一つです。シフトの融通が利く場合が多いことを考えても、シングルマザー向けの資格と言うことができるでしょう。
④登録販売者
登録販売者とは、一般医薬品の販売を行うための資格のひとつです。
6年制大学に通う必要のある薬剤師とは違い、学歴や経験不問で国家試験に合格すれば取得できる登録販売者の資格は、幅広い層の人々に人気があります。
一般医薬品の大半は、この資格を持っていれば取り扱うことができるため、薬局やドラッグストア・コンビニエンスストアなどで需要があるでしょう。資格取得の難易度が極端に高いわけではないため、3〜6ヶ月ほどみっちりと勉強すれば、多くの人にとって合格が近づくことでしょう。
未経験者の場合、資格取得後2年間は研修期間の扱いになりますが、全国的にニーズのある仕事なので就職に有利な資格と言えます。
⑤宅建士(宅地建物取引士)
宅建士(正式には宅地建物取引士)とは、不動産取引においてお客様に物件について詳しい説明をするための資格です。
不動産に関しての重要な内容説明等は、宅建士の資格を有していないと行うことができない独占業務となっています。そのため不動産業界では有資格者が常に求められており、就職・転職に非常に有利な資格と言えるでしょう。
しかし人気の資格だけに取得難易度は高く、合格率は15〜18%の狭き門です。独学でも取得は可能ですが、講習を受講する方が学習効率は高くなります。
また、実際の業務では住環境への細かな気配りや接客対応など、女性ならではの繊細さが求められることもあり、シングルマザーが活躍する機会は多いと言えるでしょう。
効率よく資格試験に合格するには?
自分の専門分野・得意分野であれば、独学で資格試験に合格することも可能です。独学であれば費用を抑えることができるというメリットがあります。
しかし多くの場合は専門家による指導を受ける方が、限られた時間で効率的に合格を目指すことにつながるはずです。
取得したい資格と合格のために必要な学習時間を考えて、1日に使える学習時間はどれくらいなのか、何ヶ月で合格を目指すのかなどを考えて勉強することが重要と言えます。
時間に融通が利く通信講座がおすすめ
シングルマザーであるなら、家事や育児・仕事などで通学に時間を費やすことが難しい場合も多いのではないでしょうか。通学にかかる時間・費用は無視できません。
通学講座に通うのが難しい場合は、通信講座を受講することをおすすめします。通信講座であれば場所・時間に制限されずに自分のペースで学習できます。
子どものいない時間やひとりで集中できる時間を確保して、学習のリズムを整えることから始めるのが良いでしょう。それぞれの生活スタイルに応じた学習リズムを見つけることが肝心です。
まとめ
シングルマザーの資格取得に対する支援制度や、おすすめの資格について解説いたしました。国家資格や民間資格が非常にたくさん存在し、どの資格を選べば良いのか迷っている方は多いでしょう。
大切なのは、自分が希望する条件で働く場合に必要な資格を知っておくことです。とにかく資格を取れば良いと考え、必要ない資格の取得に大切なお金や時間を浪費しないように注意してください。
皆さまに必要な資格を知る上で、本記事が参考になることを願っています。
提供・しゅふJOBナビ
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