北海道で丼といえば、新鮮な海の幸がこれでもかというほど乗った海鮮丼を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、忘れてはいけないのが帯広名物の「豚丼」です!帯広市内に40軒以上がひしめく豚丼激戦区から、2019年現在どのお店がオススメなのかを指南します!
帯広名物「豚丼」の魅力!
帯広豚丼のはじまり
帯広名物「豚丼」。道内ではかなりブランド力のあるご当地グルメで、道東エリアでは文句なしのno.1グルメと言えるでしょう。全国展開している牛丼チェーンの豚肉版などとはまったく異なるもので、帯広ならではの特徴があります。イメージとしては、まさかの鰻丼です!
帯広豚丼を考案したのは「元祖豚丼のぱんちょう」の創業者で、昭和8年から提供を始めました。それまでは大衆食堂として定食などを提供していましたが、豚丼を始めてからは専門店として営業しています。その際参考にしたのが、甘辛いタレで白米がすすむスタミナ食の鰻丼だったと言われています。
当時の帯広は養豚が盛んになってきた頃で、牛肉よりも安く手に入るため、帯広の郷土料理として他の店にも根付いていったと言われています。現在、帯広豚丼を提供しているお店はおびひろ観光ナビによると42軒にものぼります(2018年11月時点)。
帯広豚丼の定義
自然発生的にご当地グルメとして根付いたものなので、「帯広豚丼」の明確な定義はありませんが、取材などで何軒も食べ歩いた筆者が思うこれぞ帯広豚丼!という定義は以下のとおりです。
- 肉がとにかく分厚い!なかには1cm近いお店も
- ロース肉またはバラ肉、あるいはその両方が味わえる
- 薬味以外の余計な具材が極力入っていない
- 彩りは枝豆やグリンピースが数粒、あるいは入っていない
- 甘辛い醤油ベースのタレがかかっている
これが炭火で網焼きしてあれば完璧な「ザ!帯広豚丼」です。丼と言うからにはご飯が入っているのはもちろんなのですが、この料理はとにかく一心不乱に“豚肉を喰らう”料理だと思っています。少々行儀の悪い表現ですが、お肉があまりに厚く大きいので、一瞬たりとも油断できないのです!
先述した「元祖豚丼のぱんちょう」は、現在でも食べログの帯広市内豚丼ランキングで1位を独走しています。ガイドブックでも必ず取り上げられる超有名店なので、ここではあえて「ぱんちょう」以外の実力・人気・個性ともに他を圧倒する、訪れるべき3軒をご紹介します。
①人気・知名度ともに抜群!行列必至の「ぶた丼のとん田」
地元での評価が特に高い「ぶた丼のとん田」。その評判ぶりは、口コミで全道へと拡大を続けています。駐車場で車のナンバーを見てみると全道各地から、あるいはレンタカー利用によって全国からお客さんが来ていることがよくわかります。
十勝産のお肉を使用した豚丼は、バラ・ヒレ・ロースより好きな部位を選ぶことができ、バラとロースは盛り合わせも可能です。食べやすい大きさに均一に手切りされたお肉は丁寧に筋切りされているので、肉に厚みがあってもとても食べやすくなっています。
とん田のバラ肉の甘さと柔らかさは、特筆すべき味わいです。炭焼きではありませんが、丁寧にじっくりと網焼きしてあるので脂身の多いバラでも余計なしつこさがなく、甘みだけが口の中に広がります。
人気メニューはお肉もご飯も大盛りの「バラぶた丼」。バラ肉が薔薇のように、丼からはみ出すほどに大輪を咲かせており、インスタ映えするとお客さんから言われるのだそうです。普通の女性ではまず完食できないボリュームですので、二人で訪れたらもう一人は通常メニューを頼んだ方が無難です。
もう一つ、とん田ならではのメニューがこちらの「オニオンのせ(バラのみ)」です。写真ではあまり乗っていないように見えますが、お肉とご飯の間にもオニオンが挟んであります。名物のバラ肉を食べたいけれど、脂身が気になる…という方にオススメのメニューです。生のオニオンスライスの程良い辛みが口の中をさっぱりとさせ、薬味のように良いアクセントになっています。
とん田の味付けは比較的さっぱりとしている方ですが、料理と一緒にタレの壺が運ばれてくるので、好みの濃さになるよう自分で調節することができる点も魅力です。このタレが後を引く美味しさ。店頭販売もしているので、お土産にぴったりです。
2017年8月に移転してきた店舗はまだ真新しい雰囲気。以前の店舗より席数が増え駐車場もかなり広くなったので、とても利用しやすくなりました。食事時は行列必至ですが、少し時間をずらせば待ち時間も少なく、落ち着いて食事を楽しむことができます。
カーナビに入力する際は電話番号で検索すると以前の店舗に案内されてしまう可能性が高いので、必ず住所または店名で入力してください。