貯める&備える
2020/03/10

「貯金」vs「つみたてNISA」。上手な使い分けがポイント!

(写真=Tom Wang/Shutterstock.com)
(写真=Tom Wang/Shutterstock.com)
「つみたてNISA」の口座数が2019年末で約188万口座になりました。スタートから2年でこの数字ですから、高い人気がうかがえますね。そこで今回は、投資初心者のために「貯金」と「つみたてNISA」の違いをまとめてみます。「つみたてNISAに興味があるけどよく分かっていない」という方はぜひ参考にしてください。

つみたてNISAの概要

(写真=Kittipong33/Shutterstock.com)

投資初心者でも少額から投資しやすいよう作られた制度

つみたてNISAは2018年からスタートした制度です。先に始まっていた「一般NISA」が好評だったこともあり、投資初心者や若年層がもっと利用しやすい環境を作るため、つみたてNISAが作られました。

つみたてNISAは、一度にまとめて投資するのではなく、少しずつ定期的に投資していく制度です。一度にまとめて投資しないので「時間の分散」効果が働き、比較的小さいリスクで投資することができます。

さらに、つみたてNISAで得られた利益はすべて非課税です。投資額は最大でも年間で40万円までにし、その代わり投資できる期間や非課税期間が一般NISAより長くなっています。

投資対象は低コスト投資信託

  販売手数料 年率の信託報酬(上限)
国内資産インデックス投信 すべて無料 0.5%
海外資産も組み入れるインデックス投信 0.75%
国内資産アクティブ投信 1%
海外資産も組み入れるアクティブ投信 1.5%
※インデックス投信:市場の平均と同じように運用する投資信託
アクティブ投信  :市場の平均を超えるリターンを目指す投資信託

つみたてNISAで投資できるのは金融庁が事前に選別した、長期投資に向く投資信託だけです。特にコスト面では厳しい条件が付けられ、販売手数料はすべて無料で、信託報酬(投資信託の管理費用)も上限が付けられました。

投資初心者でも、運用に不向きな投資信託を買ってしまわないように工夫されています。

貯金とつみたてNISAのメリット・デメリットを確認

(写真=Billion Photos/Shutterstock.com)

貯金のメリット・デメリット

貯金を銀行預金、タンス預金、外貨預金の3つに分け、それぞれのメリット・デメリットをまとめました。
 
  貯金
銀行預金 タンス預金 外貨預金
メリット 元本保証
すぐ出金できる
すぐに使える 高い金利で運用できる
デメリット ほとんど増えない
税金が掛かる
増えない
火災・盗難のリスク
元本保証ではない
税金が掛かる

外貨預金にはリスクがありますが、貯金のメリットはやはり安全性の高さでしょう。計画通りに貯蓄していきたい方には向いているでしょうね。

タンス預金以外は金利が付きます。しかし、銀行預金の全国平均は1年定期で0.01%、普通預金で0.001%です。金利がこの程度ならタンス預金でも差し支えなさそうですが、タンス預金は火災や盗難のリスクが怖いですね。

また、銀行の金利には税金が掛けられています。もともとの金利が低いのであまり気にならないかもしれませんが、税金面はつみたてNISAの方が有利といえるでしょう。また、外貨預金の場合、為替の利益も「雑所得」として課税対象となります。やはり税金面はつみたてNISAの方が優遇されていますね。

つみたてNISAのメリット・デメリット

つみたてNISAは投資ですから、貯金と違いリスクがあります。しかし、リスクがある分大きなリターンも期待されます。直近では世界の株式は堅調で、銀行預金や外貨預金では得られないようなリターンが発生しています。
 
  2016年 2017年 2018年 2019年
日本株
(日経平均トータルリターン)
+2.38% +21.33% ▲10.29% +14.09%
全世界株式
(MSCI ACWI 米ドル)
+8.48% +24.62% ▲8.93% +27.30%

もちろんあくまで過去の実績で、今後も上昇する保証はありません。リターンもあればリスクもある点に注意しましょう。

また、貯金の場合は基本的にいざという時でもすぐ使うことができますが、つみたてNISAの場合すぐに使えるというわけではありません。投資対象の投資信託は、解約してから現金になるまで少し時間が掛かります。

投資信託を現金にするためには、解約の日を含めて4日以上は掛かります。また、投資信託の種類によっては1週間程度掛かるものもあります。全く解約できないわけではありませんが、突発的な支出には対応できない可能性がデメリットです。緊急用資金は貯金で用意しておいた方がよいでしょう。

貯金とつみたてNISAの上手な使い分け

(写真=PIXTA)
 
「貯金」で貯めた方がよい資金 「つみたてNISA」が選択肢になる資金
比較的すぐに使う資金

(例)マイホームの頭金
ケガや病気の医療費や生活費
将来のための資金

(例)老後資金
子供の大学入学費

基本は貯金で用意する

海外旅行の費用や老後資金など、必要なお金の準備は基本的に貯金で考えましょう。

貯金だけで資金の用意ができるなら投資は不要です。物価の上昇に対応できない弱みはありますが、安全性の高い貯金を優先した方がよいでしょう。ケガや病気の医療費は保険を活用するのもアリです。

将来のための資金はつみたてNISAもアリ

つみたてNISAが選択肢になってくるのは、時間的に余裕のある将来のための資金準備になるでしょう。

一般に、短期投資より長期投資の方が低リスクになると言われています。時間の分散の効果が高まりますし、運用効率を高める「複利」は運用期間が長いほど効果が大きいのです。

時間に余裕がある老後資金や子供の大学入学のための備えなら、長期投資で比較的低リスクで運用することができます。つみたてNISAで資金準備をするなら、将来のための資金に限ったほうがよいでしょう。

つみたてNISAの始め方

証券会社か銀行で専用口座を開設

つみたてNISAは銀行か証券会社で専用の口座を作る必要があります。口座は1人1口座が基本で、同じ年に複数の口座を持つことはできません。

取扱商品の数には注意

口座を作ったら、金融機関が取り扱っている投資信託を選び、積み立て投資の設定を行います。つみたてNISAは、銀行や証券会社によって投資できる商品の数が多いところと少ないところがあるので注意が必要です。口座開設の前に、ホームページなどでよく確認しておきましょう。

貯金とつみたてNISAは適材適所でスマートに

貯金とつみたてNISAにはそれぞれメリット・デメリットがあります。一概にどちらが優れているとはいえず、上手に使い分けた方が賢い利用法といえるでしょう。

緊急資金や比較的すぐに使う短期的な資金は貯金で用意するようにし、将来のための資金づくりにはつみたてNISAを利用することをおすすめします。

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文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

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