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2019/10/10

公務員がiDeCoを利用するとどれくらいメリットがあるのか?

(写真=PIXTA)
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個人型確定拠出年金は2017年からiDeCoという名称でリニューアルされ、公務員の方も加入対象者になりました。このiDeCoという制度は税金面でとても優遇されている一方、お金を自由に引き出せないなどのデメリットもあるのですが、収入が安定している公務員の方にとってはそうしたデメリットを小さくしつつ利用できる制度です。

iDeCoの特徴を抑えておこう

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iDeCoの3つのメリット

iDeCoが銀行口座や証券口座など他の投資口座に比べて注目されているのは、次の3点で税金がとても優遇されているからです。

まず、iDeCoでは掛金が所得控除されます。例えば毎月1万円の掛金を拠出すると、年間12万円が税額軽減の対象となり、所得税・住民税がどちらも10%とすると年間2万4,000円税金が軽減されます。

次に、運用益も非課税で再投資できます。普通投資によって利益が出ると、その利益に対して20.315%の税金がかかります。しかし、iDeCoで運用した場合はこの税金がかからず、利益の全額を再投資に使えます。

最後は受け取る時です。iDeCoでは受け取り方を、毎年受け取る年金形式か、一度に全額受け取る一時金形式か選ぶことができます。どちらも所得になるので税金はかかるのですが、年金形式であれば「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となり、税金が軽減されます。

公務員が気をつけるべきiDeCoのデメリット

メリットだけ見るとすごくお得な制度に思えますが、デメリットも見ておきましょう。

iDeCoは運用をどうするかを自分で選ばないといけないので、いくら税制で優遇されても運用次第では損失が出る場合があります。また、老後資金の形成が目的のため、原則として60歳まで引き出すことができません。

また、月々に拠出できる掛金の限度額は国民年金の加入区分によって決まっているのですが、公務員の方の限度額は月額1万2,000円と、もっとも少なくなっています。

公務員がiDeCoを利用したい理由3つ

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公務員の退職金は減っている

総務省が発表している「地方公務員給与の実態」によると、地方公務員60歳定年退職者の退職金平均額は、

2003年度……2,742万円
2008年度……2,613万9,000円
2013年度……2,425万6,000円
2017年度……2,192万7,000円

と年々減少傾向にあることがわかります。今後も減っていくかもしれないので、自分の努力で老後の生活費を準備する必要があります。

掛け金の負担が少ない

公務員の方のiDeCo拠出金限度額は、対象者の中でもっとも少ない1万2,000円ですが、逆に言えば多く掛けすぎる心配がなく、月々の負担を1万2,000円までで抑えられるとも言えます。

給与が安定して将来の資金計画が立てやすい

iDeCoのデメリットとして一番心配なのは、60歳まで運用金を引き出せず、いざという時に使えないことです。

60歳までに勤めている会社が倒産したり、住宅ローンを組んだ後に給与が大幅に下がるなどの事態が起こると大変ですが、公務員の方であれば給与が安定しており、iDeCoの掛金を含めた将来の資金計画が立てやすいでしょう。

公務員がiDeCoに掛金を拠出した場合どれぐらいお得?

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では実際に公務員の方がiDeCoに加入した場合、どれほどメリットがあるのか、シミュレーションしてみましょう。

今回シミュレーションする公務員の方は、
  • 22歳で公務員になり、40歳からiDeCo加入
  • 扶養している配偶者あり、子ども無し
  • 年収640万円(60歳まで変わらず)
  • 運用は元本確保型商品のみ
  • 60歳の時点で全額一時金にて受け取り予定
とします。

年収が640万円の場合、一年間に所得控除される税金は、所得税1万4,700円、住民税1万4,400円でおおよそ2万9,100円になります。これが20年間続くので、iDeCoに加入することで軽減される税金は、58万2,000円になります。

次に、受け取り時に引かれる税金を計算しましょう。

年間14万4,000円の掛金を20年間元本確保型の商品に拠出するので、20年後の資産は約288万円になります。2017年の公務員の退職金は約2,192万円でしたので、これに288万円を足した2,480万円が退職時の収入金額とします。

税金がかかる対象になる退職所得の金額は、(収入金額-(800万円+(勤続年数-20)×70万円))×1/2=210万円になります。210万円の退職所得にかかる所得税は、210万円×10%-9万7,500円=11万2,500円、さらに住民税が10%の21万円がかかるとすると合計で32万2,500円の税金が引かれます。

20年で58万2,000円の税金が軽減され、退職時に32万2,500円の税金がかかるので、最終的に約26万円のプラスになります。

公務員のメリットを生かし、iDeCoで老後に備えよう

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今回はiDeCoの特徴と、公務員の方がiDeCoを利用した場合どれぐらい得があるのかをご紹介しました。もちろん一口に公務員と言ってもライフプランは人それぞれです。しかし、公務員の方の退職金は今後も減っていくかもしれないので、老後の資金対策の1つとしてiDeCoの活用も考えてみましょう。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所

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