新型コロナウイルスの影響によって外出の機会が減ったため、自宅で過ごす時間をより充実させたいと考える人が増えたようです。そんな人にとってペットの飼育は、自宅での暮らしにひとときの安らぎと楽しみを与えてくれるものです。そこで今回はペットを飼育する際に必要な費用について紹介します。
ペット購入前の注意点をおさらい
ペットを飼育するためにかかる費用は、生き物の種類によってさまざまです。しかしどんな種類のペットを飼うにしても必要なのが生体の費用です。
昆虫などは野外で採集することも可能ですが、なかには天然記念物で、捕獲が禁止されているものもあります。また、捕獲が禁止されている場所もあるので注意が必要です。
野生の鳥獣は鳥獣保護法によって、許可なく捕獲することが禁止されています。鳥獣は必ずペットショップなどで正規に販売されている生体を購入するようにしましょう。
自分の経済力で飼育を続けられるかが大切
ペットの飼育を始める前には、自分の経済力で飼育を続けられるかどうかを検討しましょう。せっかく飼い始めたのに、餌代が続かない……となっては、飼われた動物があまりに可哀想というもの。自分の経済力にあった動物を選び、かけがえのない命を預かるという強い気持ちを持つことが大切です。
自分の住居はペット可なのか確認しておく
また、自分が暮らしている場所で飼育が可能かどうかも事前に確認しておきましょう。マンションやアパートでは犬や猫の飼育が禁止されている場合もあります。
入居時に管理会社の人や大家さんにペットの可否を聞いているかと思いますが、失念してしまった人は、必ず確認しておきましょう。
種類別にペット代を紹介!
ここからは、犬、猫、ハムスター、インコ、金魚と5種類の人気ペットの飼育にかかる費用について順に紹介します。
犬:人間の最も古い友人
ペットの定番として知られる犬は、古くから人間とともに暮らしてきました。諸説あり、年代は確定できませんが、2~4万年前に人間に飼われ始めたのではないかと言われています。
日本では9,500年前の縄文時代初期の遺跡から犬の骨が発見されているため、その頃から日本では飼われ始めていたのではないかと考えられます。
そんな犬を飼うために必要な費用はどの程度のものなのでしょうか。犬種によってさまざまではありますが、ざっくり言うとだいたい以下のような金額になります。
生体費:5~30万円
餌代(1ヵ月):5,000(小型犬)~1万円(大型犬)
ケージ代:5,000~3万円
平均寿命: 10~14年
このほか、法定の予防接種、マイクロチップの埋込、また犬種によって異なりますが、病気の治療費や保険料、トリミング料などが別途必要になり、これらを合わせると平均して月に2万5,000円程度必要になりそうです。
猫:自由奔放に生きる姿が魅力?
猫も人気のペットです。猫は犬に比べて人間に飼われていた歴史は浅く、キプロス島にある9,500年前の遺跡から人間と一緒に埋葬された猫の骨が見つかっています。だいたいその頃から人間に飼われるようになったのではないかと言われています。
日本では、平安時代に伝わったのではないかとこれまでは言われていましたが、2011年長崎県壱岐島のカラカミ遺跡からイエネコの骨が見つかったことで定説が覆りました。今は2,000年以上前の弥生時代の頃には、日本でも飼われるようになったのではないかと想定されています。
それでは猫を飼うにはどの程度の費用が必要になるのでしょうか。
生体費:15~80万円
餌代(1ヵ月):3,000円
ケージ代:8,000~3万円
平均寿命:16年くらい
予防接種やマイクロチップの埋込のほか、犬と同じく病気の治療費や保険料、トリミング料なども合わせると、平均して月に1万3,000円ほどかかると言われています。
ハムスター:小スペースで飼える!
小動物の中ではトップクラスの人気を誇るのがハムスターです。生体が安く、小スペースで手軽に飼育できることから人気が高まっています。
ハムスターと人間との歴史は浅く、1839年にシリアのアレッポ地方で発見されことがきっかけとなり飼育されるようになりました。日本にペットとして輸入されるようになったのは戦後のことです。
一口にハムスターと言っても様々な種類がいますが、白と茶のマダラ模様が特徴のゴールデンハムスターが強い人気を誇っています。また、小柄な体型で器用に前足を動かす姿が可愛いと評判のジャンガリアンハムスターも人気があります。
そんなハムスターを飼うためには、ざっくり言うと以下の費用が必要です。
生体費:1,000~3,000円
餌代(1ヵ月):1,000円
ケージ代:2,000~5,000円
平均寿命: 2~3年
このように犬や猫に比べ、ぐっと安くすむのが特徴です。収入が少ない学生や新社会人でも飼いやすいと言えるでしょう。
セキセイインコ:教えれば言葉をしゃべる!
鳥もペットとして人気の動物です。中でもセキセイインコは高い人気を誇ります。セキセイインコが飼育されるようになったのは比較的最近で1800年代から。
イギリス人がオーストラリアからセキセイインコを自国に持ち帰り、動物園で繁殖させました。これがきっかけとなり、ヨーロッパで飼われるようになったのです。
日本でセキセイインコが飼われるにようになったのは明治時代の末期頃と言われています。イギリスより大量に輸入したことで日本にも広まったそうです。
色鮮やかな毛並みに愛くるしい姿や鳴き声が人気のセキセイインコを飼育するには、おおよそ以下の費用が必要です。
生体費:2,000~1万円
餌代(1ヵ月):1,000~2,000円
ケージ代:3,000~2万円
平均寿命: 5~10年
このように初期費用や餌代などのコストが安くすむことから、セキセイインコも収入が少ない学生や新社会人が飼いやすい動物だと言えます。
金魚:お祭りですくった?
私たちにとって非常に身近な存在である金魚も、人間が飼育するペットの定番として知られています。金魚は3世紀の中国が起源と言われています。晋の時代、野生のヒブナの中に突然変異と思われる赤い体のものが見つかりました。
それから飼育が始まり、日本には1502年の室町時代に中国から伝わったと言われています。江戸時代になると、金魚研究家の安達喜之による金魚飼育方法が書かれた『金魚養玩草』が出版され、一躍大ブームとなりました。
観賞魚として親しまれている金魚ですが、飼育するためには、おおよそ以下の費用が必要です。
生体費:300~2,000円
餌代(1ヵ月):100~1,000円
ケージ代:600~2,000円
平均寿命:10~15年
なお、金魚は金魚すくい用やほかの動物の餌用としても販売されていることがあり、その場合1匹10~100円で購入することができます。ただし、あまり状態が良くないこともあるようです。
また、高価な品種になると、1匹が1~4万円ほどの値段で売買されていることもあります。