徐々に暑い日が増えてきましたが、外出を控えて家の中で過ごす時間が増えているこの時期、本格的に暑くなる夏に向けて実施しておきたいのがエアコンの“試運転”と“お手入れ”になります。それでは、空調の専門家が解説する【エアコンお手入れのコツ】をまとめてチェックしてみましょう。

エアコンの“試運転”&“お手入れ”のメリットは?

 空調の専門家である水倉忠幸氏(ダイキン工業 サービス本部 企画部フィールド技術グループグループリーダー、以下、水倉氏)によれば、「本格的に暑い真夏を迎えて急なエアコンを稼働させても機械への負担が普段よりも大きくなってしまうことがあり、不具合が発生するリスクも高まる」とのこと。事実、例年暑さが厳しくなる7月にエアコンの故障や不具合についての問合せが急増するそうです。そこで、不具合が発生するリスクを抑えるためにも、「ぜひ5月中にエアコンの“試運転”&“お手入れ”を済ませておくのが賢明」と水倉氏。真夏に修理や買い替えとなって“エアコンなし”といった状態を回避すべく、ぜひ今のうちに取り組みましょう。

エアコン試運転の方法

(1)「冷房」で温度を最低温度(機種によって異なる)に設定して10分程度運転する ※電源プラグにコンセントが差し込まれているか、リモコンの電池が切れていないかも確認します

(2)冷風がきちんと出ているか、異常を示すランプが点滅していないかを確認する

(3)さらに30分程度「冷房」で運転させて室内機から水漏れがないか、異臭や異音がしないかを確認する ※試運転中は室内機の下に物を置かないようにしましょう

なお、上記の3項目で不具合を見つけた時は、メーカーや販売店に相談しましょう。

節電にもつながるエアコンのお手入れ方法

また、試運転と合わせて行いたいのが室内機と室外機のお手入れです。

(1)室内機

 エアコンの室内機は自分でお手入れできる場所とプロに任せた方が良い場所があります。機種によっても変わるため、必ず取扱説明書に沿って行いましょう。また、自分でお手入れする際は安全に行うためにも必ず運転を停止し、電源プラグを抜くか、エアコン専用ブレーカーを切ります。

<フィルター>
ホコリを水洗いまたは掃除機で吸い取ります。汚れがひどい場合は中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗って汚れを落とした後、軽く水切りをして日陰でよく乾かします(2週間に1度の実施が目安)。

なお、“フィルター自動おそうじ機能”が搭載されている機種は基本的にエアフィルターを清掃する必要はありませんが、汚れが気になる時には取り外して清掃しましょう。

<前面パネル>
水または液体中性洗剤を含ませたやわらかい布で軽く拭いてください。取り外して掃除するのもOKです。ただし、前面パネルの取り外し方は機種によって異なるので、取り外し方は必ず取扱説明書で確認しましょう。

<本体内部&吹き出し口>
フィルターをはずした本体内部(アルミフィン部分など)はたばこなどしつこい汚れが残りやすく、汚れが溜まると湿度で細菌が繁殖し、ニオイの原因になります。

ただし、吹き出し口を含めて自分で清掃するのはNG。市販の洗浄スプレーなどを使用せず、必ず専門の清掃業者に相談しましょう。